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かってきままに  作者: 友枝 哲
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第66回 戦争をなくすことができる可能性を秘めた核融合について、調べたことを紹介してみた。(2)

まえがきは割愛させていただきます。

本編のみでお楽しみください。


●’26/3/29(日)

 前回、核融合の方式とその展望について記述した。


 そして、今回は希望を感じる日本の技術者について書こうと思う。


 実はITERプロジェクトで働かれている日本人が多数いる。


 その現実をあるドキュメンタリーで知った。


 現在ITERで建設中の実験炉の建設室長を行っているのが、大前敬祥(たかよし)さんという方で、ITERの全体戦略策定と実行の中枢を担っている方だ。


 エンジニアにも、その上の理事クラスにも日本人が多数いる。


 実験炉の設置現場でも日本人が多数活躍している。


 そういう方々にもっとスポットライトを当てるべきだと思う。


 大前さんの活動に関するインタビューなどを読むと、この方の考え方が本当に”グローバリズム”だと感じた。


 前回の最後に書いた2つのシナリオの中の1つ。世界全体が半無尽蔵エネルギーの供与を受ける世界。


 大前さんはこれを夢見ているのだと思う。


 私が書いたSF小説 ”ガロワのソラの下で” の中でも主人公が言う。


 ”日本で新たな技術が開発されるべきだ”と。


 ”それは日本には技術を国に独占させるという法体制が敷かれていないため、全世界に供与できる”と。


 まさにそんな感じだ。


 ITERという国際プロジェクトであるため、技術を世界に供与できると考えている。

 そのため、大前さんは参加国や世界各国の核融合スタートアップ企業に対して、ITERで開発したプラズマ閉じ込めコイルの構造を公開したり、情報交換会を開催したりしている。


 だが、それを悪用する方向に考える国があるのも事実である。

(もちろん国家の利益を優先して考えるならば、国を代表して見学した人がこれを利用することを悪用とは言わないのかもしれないが。)


 参加各国、特に大国では、ITERのアプローチを通してわずかに見えてきた核融合反応の作り方の答えを、独自に発展させている。


 スタートアップ企業が立ち上がってきているため、もうITERは必要ないと批判論を展開するところも出てきているようだ。


 それによって、ITERへ出す予算を削る国も出てきているのが現状だ。


 大前さんは言う。


「このITERが失敗するとなった時は、科学技術発展の失敗ではなく、国際協調の失敗であると言えるかもしれない。」


 その予算であるが、ITERプロジェクト完遂までの全体予算が約25billionユーロ。


 現在約184円/ユーロなので、約4.5兆円だ。


 莫大な金額のように思えるかもしれないが、これはプロジェクト全体の額であり、実際の毎年の建設費用は約1500億円。


 これをEUが約45.5%、その他の日本、アメリカ、中国、ロシア、インド、韓国は共に約9.1%を負担している。


 2025年の日本の負担額は139億円とのこと。約0.8億ユーロだ。


 EUは5倍なので、4億ユーロ。


 では、各国のGDPと国家予算を見ている。


 GDP(2024年世界銀行発表値)、国家予算(2025年)の順で表示すると、、、


 ・EU

  194,230億ドル、国家予算不明。。

 ・アメリカ

  29兆2,980億ドル、7兆2660億ドル

 ・中国

  18兆7,498億ドル、28.74兆元

 ・インド

  4兆1,252億ドル、53兆4732億ルピー

 ・ロシア

  2兆1,738億ドル、41兆4695億ルーブル

 ・韓国

  1兆9,173億ドル、728兆ウォン

 ・日本

  4兆0,194億ドル、122兆3092億円


 日本ベースで考えても国家予算の0.01%程度。


 他の国に至ってはさらに1桁落ちるくらいのところもある。


 それでも、前述した通り、予算を出さない、出せない国が出てきているのが実情。


 また、ITER各国代表の方も一枚岩ではない。


 例えば中国。


 ITERの発足時はほぼ技術がなかったが、今ではITERと同じ方式ですでにプラズマ閉じ込めに成功。


 中国の代表は自国でもITERもカバーしていない技術開発を進めていると公言している。


 さらには今年1月に高温超伝導テープの材料を独自開発したと発表していた。


 これが前回少し書いた中性子を吸収するブランケット材料。


 この材料は日本のフジクラが非常に高い技術を持っている分野で、何となく嫌な匂いがする。


 結局、各国が独自に進め、核融合のリーダーシップを取ろうと躍起になっている。


 そして、批判論として都合が良いのが、ITERの建設中の融合炉の半分程度でも反応可能であることが分かり始めたためだ。


 ただ、現状でもプラズマが突然消失する現象”ディスラプション”を制御できるかが分かっていないため、全員手を引くことをしていない。


 それが分かった途端、このプロジェクトが空中分解を起こしそうな気がしてならない。


 是非大前さんに頑張っていただき、その技術をITER内で開発して、全世界に享受するようにしていただきたい。


 他の国が開発した途端、たぶん私の思い描く、今よりももっと激しい貧富の差を持つ世界になりさがるだろう。


 そうして行き着く先は戦争なのだろう。


 本業があまりに忙しすぎて、心ない文章になっている気もする。


 世界の未来がもっと明るいものになってほしい、そう願うばかりである。


 そのためにもITERで働く日本人の方々には頑張っていただきたい。


 今後もこの核融合に関しては追っていき、なにかあればここに書きたいと思う。



あとがきは割愛させていただきます。

読んでいただき、誠にありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
今回も興味深いエッセイありがとうございます。  核融合、夢のあるエネルギーですが、安価で無尽蔵なエネルギーを手に入れたとしても、人類は戦争をやめないでしょうね。  実際、全然関係ない要因で戦ってます…
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