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かってきままに  作者: 友枝 哲
59/60

第59回 人は何のために生きているのか?について、改めて考えさせられた。

まえがきは割愛させていただきます。

本編が短いので、本編のみでお楽しみください。


●’25/9/20(土)


 これを書いてよいものか、少し悩んだが、書いてしまおうと思う。


 私事であるが、数日前、義父が他界した。


 義父とは、私が妻と結婚して数年後から日本を離れるまでの10数年間、一つ屋根の下で一緒に暮らした。


 その間、家のウッドデッキを一緒に作ったり、貸し農園で一緒に野菜を作ったりと、結構一緒に様々なことを行ったと私は思っている。



 義父は元々プラスチック成形のための金型を製作する職人で、会社も自分で作り、かなりガムシャラに働いていたと聞いた。


 職人気質ぶりはウッドデッキを作る際や貸し農園での野菜作りにも現れており、非常に細かく計画、設計をして、自分で手を動かしていた。


 言葉ではあまり言わないが、その姿を見せる人だった。


 私はその様子を見て、やはり職人というのはこうあるべきと思いを募らせていたように思う。



 思えば、私の実の父もある意味では職人だったのかもしれない。


 実の父は外科の医者だったのだが、個人病院に勤め、夜遅くにならないと帰ってこなかった。


 朝も早くに出ていくため、小学生低学年くらいまではほとんど家でも見た記憶がなかった。


 酒に酔って帰ってきたのはほぼ見たことがなく、ひたすら働いていたのではないかと思う。


 その苦労のせいかどうかは分からないが、私が中学の時に他界した。


 なので、実の父も共にした時間は10数年。義父とそれほど差はない。



 その二人の背中を見ていたせいか、私もどちらかというと職人気質なタイプだと思う。


 自分で言うのも何だが、こだわりを持って仕事に取り組み、新しい技術も出来る限り積極的に取り込むように心掛けている。


 自分の取り組む分野で誰にも負けないと勝手に思っている。


 ネタではあるが、子供には「お父さんは世界一だ。」なんて言ったりしている。(笑)


 そういう気質は、少なからず実父と義父から引き継いだDNA(バトン)であるように思う。



 私は全く信仰心がなく、実は天国なんてものは信じていない。


 もちろんそれがあって、二人の父がそこにいてくれたらと思うこともある。


 だが、それはあまりにも都合が良すぎる。


 父は天国にいるのではない。


 私はこう思うのだ。


 父は私の中や家族の中、社会の中にいる。


 父からもらったDNA(バトン)が私の中にある。


 それだけではない。


 実父が助けただろう命もある。それは社会の一部を支え、今なお社会を構成する一部となっているだろう。


 義父の金型で作られた部品を使って出来た製品で快適さを得た人もいるだろう。


 今では誰も実父や義父に助けられたなんてことは意識していないだろう。


 それでも、間違いなくそれは社会の一部となり、生き続けている。


 僅かでも社会を前に進め、そのDNA(バトン)を受けた人がいる。


 それが父たちが生きた意味なのだろう。


 そう思っている。そう信じていると言った方がよいかもしれない。


 私はそのDNA(バトン)を受けとり、次に繋げていかなければと思う。



 私の小説”ガロワのソラの下で”にも書いているが、結局今のところ我々が(本当にあるだろう)”生きている意味”、”存在意味”なんて知り得るはずはない。


 なぜならば、現在我々の文明は、宇宙の5%と言われている”我々が確認可能な物質”ですらも完全に理解できていない。


 数10年前に打ち上げた衛星はやっと1光日(光が1日で進む距離)の位置だ。


 宇宙は少なくとも1000億光年以上のサイズ。


 つまり36.5京分の1までしか到達していない。


 そんな我々が宇宙の存在意味なんて理解できるわけがない。


 だからこそ、今は少しでも文明を前に進めることに尽力すべきだと思っている。


 いつの日か、その先にあるはずの”意味”を掴むまで、文明の前進に尽力し、DNA(バトン)を繋ぐことこそが生きる意味なのだと思う。


 だから、父たちがやってきたように私もやっていこうと思う。



 そして、最後に少しだけ義父へ。


 本当にありがとうございました。


あとがきは割愛させていただきます。

読んでいただき、ありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
人間に限らず生物レベルでも なかなか結論は出ないかも 癌細胞は 自滅機能が壊れてしまうとか ((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
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