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かってきままに  作者: 友枝 哲
52/64

第52回 イーロン・マスクが述べたアメリカ車が日本で売れない理由について、的を得てるように感じたので、ちょっとつぶやいてみた。

まえがきは割愛させていただきます。

本編が短いので、本編のみでお楽しみください。


●’25/5/1(木)

 最近、またもや本業が超忙しくなっていて、ストレスで爆発しそうな状況がここ3週間ほど続いている。それが今週ようやく終わりそうではある。

 やっている内容というのは、あるプロジェクトにおける核心部分のプログラムを新しい言語でリファクトリングするというもので、適切に処理速度を上げつつ組み上げるために試行錯誤しながら置き換えていく作業を繰り返さなければならないのだ。

 ところが、同僚たちがこの新しい言語に全然付いてこれてなくて、結局ほぼ全てを私一人でこなすことになってしまっている。。。

 プロジェクト単位で成果が決まるため、もうフォローするしかない。

 次は絶対にこいつらとは組まんぞと心に決めて今回だけ死に物狂いでやっている。

 それはさておき、先日昼休みにふと読んだコラムに面白い内容があったので、それについて書いてみたいと思う。

 そのコラムというのは、イーロン・マスクがトランプに反旗を翻し(?)、アメリカ車がトヨタに負けた理由を述べたものであった。

 イーロン・マスクの言い分はこうだ。

 自動車会社に入社した10人がいたとする。

 トヨタでは10人がまずは自動車を売ったり、開発したり、全員が従業員として技術を磨く。

 年を取ると、その中の1人がリーダーとなり、他の9人は技術を磨き続ける。

 そして、仮にプロジェクトが失敗した場合、リーダーが責任を取り辞めて、9人の中の1人がまたリーダーとなる。

 では、アメリカではどうだろう。

 入社した10人の中の9人が最初からリーダーを目指し、指示する側に回ろうとする。

 きちんと作業を行うのは1人。

 だが、リーダーを目指す9人の中でリーダーになれるのは1人。

 9人中8人がリーダーの足を引っ張ろうとしたり、作業を丁寧に行わない。

 そして、仮にプロジェクトが失敗した場合、リーダーを目指す9人が言い争いを始め、最終的に1人の作業者が首を切られる。

 さて、どちらが良い製品ができるだろうか。

 という内容だ。

 ご存じの方もいらっしゃるかと思うが、現在私は海外でエンジニアをしている。

 で、私の周りを見ると、イーロン・マスクの話はちょっと言い過ぎなところはあるものの、まさに今の私のプロジェクトにそんな匂いを感じていた。

 前のプロジェクトでもそんな匂いを感じる人はチラホラいたのも事実。

 海外では全然技術のことが分かってないのに、指示側に回ろうとするヤツが多いように思う。

 ただ、聞くと他の部署にはとても熱心にやるヤツもいるらしい。

 私の回りにいないのは残念極まりないが。(泣)

 そして、その熱心にやるヤツの中に恐ろしいほど切れるヤツがいるというのも聞いたことがある。いわゆる天才というヤツだ。

 GPUボードを作ってるあの会社や半導体チップ作ってるあの会社にはそういうのが結構いて、四六時中、研究開発に没頭していると聞く。

 だが、まあそれは本当に一部のみ。ほとんどはできる限り働かずに済む方法を考えて動いているように感じる。

 ということで、イーロン・マスクの主張がメチャクチャ的確な訳ではないが、大勢は的を得ているように思った。

 ただ、この言葉で引っ掛かった点があった。

 それはリーダーの存在である。

 日本には以前、ソニーの盛田昭夫やHONDAの本田宗一郎、Panasonicの松下幸之助など、世界に飛び出しても全く引けを取らない、名立たるリーダーたちがいた。

 ところが今を見ると、この人すごいよねという人があまりいないように感じる。

 イーロン・マスクの言葉を借りるなら、アメリカでは9人(もっとか?)の中からポッと超優れたリーダーが生まれ、日本では1人のリーダーが上手く育たない。

 これももしかすると的を得ているのかもしれない。

 ラピダスの会長、社長が2人で、IBMの研究データを見ながら話し合って、2nmイケる!と言って始まったあのプロジェクトを見てても、おいおいこのリーダー本当に大丈夫かと思ってしまった。

 これもそろそろ4月試作の結果が出てくるはずで、まだ前行程の一品物段階なので、何とか作るんだろうけど、その先が思いやられるばかりである。

 うまく行ったら万々歳で、疑ってごめんなさいと謝りますが、(笑)正味な話、そんなに甘くはないと思うし、後行程にもハイバンドメモリ搭載には中間層のところにかなりのハードルがある。

 そこがちゃんとできて他社を凌駕してないと売れないのだが、それもちゃんと考えてるのか?心配。

 まあ、やらなければ始まらないのは確かなので、応援はしているが。

 話を元に戻すと、イーロン・マスクの話から考えても、リーダーはともかく、トランプが主張しているアメリカで製造業を復活させようというのは、国民性からもなかなか難しいよなと思った次第である。

(これはあの爺さんだけが理解してなくて、皆さんは十分理解されていることと思うが。(笑))

 まあ、トランプの思いも一部理解はするけど、ちょっと無理があるなと。

 次はそのトランプの思いのところを書いてみたいと思う。

 ちょっと落ちはないけど、力尽きそうなので、この辺で。。。


読んでいただいてありがとうございました。

もし半導体製造にご興味があれば、下の内容もお読みくださいませ。

(触りだけなので、ご存じかもですが。。。)


<ちょっと半導体に関してあとがき>

半導体の製作には前行程と後行程というのがあります。

前行程というのは、例えばGPUボードの中心に置かれた40~50mmチップの中を作るプロセスで、

後行程というのは、その作った40~50mmチップをGPUボードに配置して、その周囲にメモリやデータを流す調停回路などを作るプロセスのことです。

日本の装置メーカーなどが得意なのは後行程なのですが、最近では中央のチップに大容量のメモリをドカンと送る基板構成が必要で、そこは最終のボードメーカー(例えばNVIDIA)と緻密に設計しないとダメなんです。

それなりにチップやボードを製作して、ボードメーカーに認めてもらって、初めて設計となるので、ラピさんは結構まだまだ長い長い道のりを乗り越えないといけないのです。


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― 新着の感想 ―
おはようございます、友枝さま(*^^*) イーロン・マスク、いいこと言いますね(^_^;)←どちらかというと嫌いなんですけど(苦笑) 自分、日本の勤めですけど、今居るところはマスク氏の言うようなろく…
なかなか名文ですね 解釈次第?かなと思える部分も多い 個人的に1回分に3回分ぐらいの内容 もっと人に読まれ、評価されても良いと思える  活動報告に、出だしだけ載せて 本作品へ導入したら と思えます (…
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