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かってきままに  作者: 友枝 哲
44/60

第44回 長崎原爆投下日に被爆国としての責任について、ちょっと真面目に語ってみた。

まえがきは割愛させていただきます。

本編のみでお楽しみください。


●’24/8/9(金)

 今日は長崎に原爆が投下されて79年が経った。

 広島の原爆投下の日に原爆について書こうかなと思っていたが、平和記念式典のニュースなどがあったので、私が書かなくても良いかなと思っていた。

 SFのネタも書いていたので、そろそろ更新するのはそっちにしようかなと思っていた。

 ところが、今日、衝撃的な話を同僚から聞いて、これは書かねば!と思ったのである。

 私は今、海外にいるのだが、同僚というのはこちらの国の人ではなく、同じ日本人だ。

(こちらにも結構日本人がいます。)

 その人の奥さんがインターナショナルスクールに通うこの国のママ友と以下のような話をしたのだそうだ。

 イスラエルとイランが戦争を始めそうだ。イランはすぐにでも核爆弾を作れる準備をしていて、イスラエルはイランが核爆弾を作る前に叩こうとしているんだって。怖いよね。実はもう作ってて使ったりしないかな。という話。

 そして、その時、その日本人の奥さんが原爆は本当に怖いよね。日本にも被爆者がいっぱいいるからね。と言ったところ、何の話?と言われたとのこと。

 いや、広島と長崎だよ。というと、そのママ友は広島と長崎って何のこと?と言ったらしい。そのママ友は本当に原爆が日本に落とされたことを知らないというのだ。

 驚愕の事実である。

 オバマ大統領が広島の平和記念式典に参加されて、「核なき世界を」と演説した時には世界の人がこれを見ていて、少しでも核兵器廃絶が進むのかなと思った。

 だが、当たり前の結果かもしれないが、核兵器は廃絶どころか逆に保有国が増加している。そして、今日の話を聞いて、結局世界はこのことに対してあまりに無関心なのだと痛感した。

 それどころか、核兵器は戦争を終わらせた正義、あの時の核兵器使用は冷戦時のキューバ危機での核兵器使用に踏み切らせなかった功労者という意見すらある。

 こちらの国の同僚にオッペンハイマー見たかと聞くと、50%も見てない。(実は小難しいノーラン監督の作品は人気ではない。)

 昔に比べて遥かに多くの情報を入手できるこの現代社会は、逆に見たいものしか目にしない世界と化していると感じる。

 私が子供の時代はこの時期になると必ずといって良いほど、戦争の特集、原爆の特集が組まれ、どのテレビ局もその番組をやっていた。

 インターネットなどなかったため、それを見るしかなかった。否が応でも、その情報が入ってきていた。

 洗脳といえばそうかもしれない。

 だが、あの夢にまで見そうな恐ろしい映像が脳裏に焼き付いているからこそ、核兵器は使ってはダメだとはっきり言える。ただの大きな爆弾ではないことを知っている。

 日本はそのことを世界にもっと、もっと発信すべきなのだと思った。

 そうしないと、本当に再び使われる日が来るのだろう。

 被爆者の方々がどんどん亡くなられて、本当にその恐ろしさを目にした人がいなくなってきている。

 そして、今や日本でも核爆弾を持つべきという世論が高まっていると聞く。日本はアメリカの核の傘の下にいるのも事実だ。

 日本の映画監督は今こそ核爆弾をテーマとした生々しい映画を作るべきではないか。

 はっきり言って、海外の人は、日本人が思ってるほど、たぶんその10分の1も被爆国への関心を持っていない。核兵器の恐ろしさを理解してない。(私も被爆者の方々と比べればこれっぽっちも理解してないのだろうけど。)

 いや、今日は本当にヤバイなと思ったので、それを伝えなければと思った次第である。

 核兵器を作ってしまったからには、もう使わせなくするしかないのだろうけど、それにはまずは世界の関心を掴むことが重要なのだろうなと思った。

 無理だろうと言われるのは百も承知だ。

 開発業務も同じだが、無理というのは簡単。だが、細い細いプロセスウインドウをこじ開けてこそ素晴らしい技術が生まれる。

 私はそれでもと言い続けたい。


あとがきは割愛させていただきます。

読んでいただき、ありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[良い点]  またタイムリーで興味深いエッセイありがとうございます。  確かに、テレビがメディアの主力だった頃はこの時期「終戦」一色でしたね。  だからこそなのか、見たい物を選べる時代になった今、この…
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