表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かってきままに  作者: 友枝 哲
43/60

第43回 無限のエネルギー+ロボット+AIは戦争を止められるか

まえがきは割愛させていただきます。

本編が短いので、本編のみでお楽しみください。


●’24/7/22(月)

 前回のスターウォーズネタから少し間が開いてしまった。

 何だかんだと言いながらやはり本業がまだ落ち着かない。上手く行ったら行ったでいろいろいっちょ噛みしようする輩が出てきてと、まあ大変である。

 それはともかく、今、私は新しい小説を執筆しているところであるが、その小説のひとつのコンセプトが掲題の内容である。

 例えば、この先、AIの技術とヒューマノイドの技術が進み、人が行うような作業をロボットが代替できるようになるとする。

 さらに、核融合技術か、それに近い技術を獲得して、永久機関に近い形で莫大なエネルギーが作り出せるようになるとする。

 食料は植物工場で作られ、気候に左右されることなく、安定した供給がなされる。

 作った農作物はロボットと莫大なエネルギーによりどこまでも供給可能となる。

 調理もロボットが実施可能。

 娯楽のための工業用品もロボットが休みなく製造する。もしかしたら人間が超ドハマりするようなゲームをアンドロイドが開発するかもしれない。

 人間は働く必要がないため、ベーシックインカムが施行され、一定水準の生活や教育は保証される。

 こうなった時、戦争が起こるのか?を考える。

 現状の戦争を行う理由としてあげられるのが、3点ほどある。

 まず1点目。自国の優位性、国益を保つためである。

 これは身近な人間関係で言うと家族愛に近い。大きな観点では愛国心。結局身近なものに多くを与えることで周囲の平穏を保ちたいと願う想いなのだろう。

 人は、優位性、利益、つまり例を挙げると原油であったり、原料であったり、資本(お金)であったりを自らの周囲により多くもたらすことができるようにしようとする。

 だが、上記を満たす世界では原油はそれほど必要にならない。

 核融合がどの程度の完成度かにもよるが、再生可能エネルギーなどとは異なり、安定した供給が可能であるため、べらぼうなエネルギー貯蔵も必要ない。

 資源として重要なレアメタルも、エネルギーに際限がなければ、今までのレアメタルをリサイクルすれば良い。昔の機器には現状の使用量の数倍のレアメタルが使われていたものもある。

 エネルギーは、物理の世界でいう質量=エネルギーなのと同じようなもので、AIを備えたロボットさえいれば、資本(お金)とほぼ同義となる。

 そう考えると、自国の優位性というものに意味がなくなってくるように思える。

 コロナ時の半導体不足を経て、少し前では半導体過剰供給が発生し、メモリ価格が一気に下落した。エネルギーが半無限ならこういう状況を産み出せるはずだ。つまり資本に価値がなくなるのではないかと考える。

 2点目。支配欲。

 今のウクライナ、ロシアの戦争を見ると、明らかにロシアが以前ソ連の領土であったということでその地を獲得しようとしているように見える。

 それの根拠として、ウクライナがNATOに加盟しようとする以前からロシアはウクライナ内の親ロシア派に物資を渡し、後ろ楯を持った親ロシア派が反ウクライナ活動として市庁舎を占拠するなどテロ活動を行っていた。それを鎮圧したウクライナ軍をロシアは同胞を虐殺したといい、正当防衛だと言い出し、あの戦争を始めている。なにもウクライナがNATOに加盟しようとしたからだけではない。明らかにプーチンの支配欲から端を発している。

 1点目の自国の優位性、国益、家族愛に近いものな気がするが、どうやら血を分けた家族をも亡き者にして独り占めしようとする者がいることを考えると、これはこれで別物な気がしている。

 では、この支配欲はどこから来ているのか?

 自分の領土を広げたいという欲求。これは古来から続く縄張り争いで、優位に立ったものが美味しい目を見られたところから刷り込まれた欲求なのだろう。

 上記の条件が整えば、十分個人を潤すだけの物資が作れるはずだが、そうは言っても、この欲求を解除するのはかなり時間がかかりそうである。

 と言うのも、きっとこの欲求は35億年前の古細菌や真核細胞が生まれた時から刷り込まれた本能であるからだ。

 そうなるとこれを解除するには、遺伝子などを操作するしかないのかもしれない。

 ある映画で宇宙人が攻撃性を全く持っておらず、武器を持っていないという設定を見た。それは作者がこういう点から遺伝子操作をした結果として描いているのかもしれない。

 そして、最後の3点目。宗教。

 数千年前からの信仰。盲目的に教えを信じ、お互いを邪神教だと非難し合い、戦争を繰り返している。

 これもなかなかに難しい。盲目的であるが故に、説得で変えられるものではない。

 これはきっと意識をデジタル化させ、ほぼ永遠の命を持つことができるようになるまではなくならないのかもしれない。

 永遠の命を持って何千万年も生きれば、もう生きることにすら飽きるのかもしれない。神に救いを求めることもないのだろう。

 ただこの技術を持つことでその技術者が神だと言い出すのかもしれないが。(笑)

 上記、戦争の原因3点から考えると無限のエネルギーだけでは戦争はなくならないのかもしれない。

 悲しいかな、これまでの過去、歴史を引き摺る人間には、この部分を変えることはできないのかもしれない。

 王立宇宙軍オネアミスの翼の指揮官がある時、主人公に向けてこう言う。

「子供の頃、歴史家になりたかった。だが、戦争が起きて軍人になった。同胞を異民族の侵略から守るために必死に戦った。

 しかし、それが正義などではなく、太古の昔から繰り返されてきた殺戮の歴史をなぞっているだけであることもよく知っていた。。。

 悲しかったよ。いや、軍人になったことがじゃない。歴史を勉強したことがだ。

 歴史は破産するまで終わらないゲームなのだ。たぶん間抜けなサルが始めたに違いない。」

 なにか人間の意識を大きく変える方法が必要なのかもしれない。それは洗脳に近いことかもしれないが。

 トランプなどはもう戦争を経済の一貫とだけ捉えている節が見える。

「ウクライナを守っても自国に何の得もない。」

「TSMCはアメリカの半導体を破壊した。」

 そして、この前の狙撃事件の時にトランプがこうも言っている。

「血が流れたが、私はとても安全だと感じた。神が私の味方だったからだ。」

 アメリカでは一部の支持者がトランプを「神に選ばれし者」と呼ぶ。

 恐ろしいことに上記戦争の原因となる難点かを色濃く持っている者が次期超大国の大統領になる可能性が高い。

 それでも、それでも、と何か方法はないのか、ずっと考えていくことが大事なのだろう。

 で、結論であるが、とにもかくにも、早くベーシックインカム時代が来てほしいものである。

 論点ズレとるやないかい!と突っ込みが来そうではあるが、今回はこの辺りで。(笑)



あとがきは割愛させていただきます。

読んでいただき、誠にありがとうございました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 非常に興味深いテーマをみせていただきまして、どうもありがとうございます。 人はどこへゆくのか?という想いは自分もやはり持っておりますので、 世の中の昏さはとても気になります。 とりわけ…
[良い点]  今回も興味深いエッセイありがとうございます。  戦争と平和は創作ネタとして大好物です(戦争の話より、戦争が始まってしまう話を書くのが好き。フィクションだから)  角度を変えてみると【…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ