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かってきままに  作者: 友枝 哲
31/60

第31回 海外と日本の働くことへの価値観の違いについて、少し真面目に書いてみた

まえがきは割愛させていただきます。

本編が短いので、本編のみでお楽しみください。


●’24/2/3(土)

 突然であるが、皆さんは働かれている自分の仕事に想いを持っているでしょうか、使命感を持っているでしょうか。

 そんな大袈裟な想いなんか持ってないよという方でも、結構仕事に責任感はもってやっておられるのではないかと勝手に思っている。

 海外で働いていて、日本と大きく違うと感じることが仕事への想い、働くことへの価値観である。

 結論から言うと、日本ではお金やライフワークバランス(仕事と私生活のバランス)も然ることながら、やりがい、使命感や自分がやることの意味を考えている人が海外よりも遥かに多いように感じる。

 良く耳にする”日本人の労働時間が長い”の原因、私は多少なりとも、これがその一つではないかと思っていたりする。

 以前も少しだけ触れたが、海外では分業制が非常に色濃い。仕事のやり方は自分のパートだけを見て、仕事をすれば良い。

 自分のパートをしっかりこなすことが重要なのは分かるが、例えば他のパートがミスをして、プロジェクトが失敗しそうになったとする。日本の場合、チームで対策を考えたり、他がカバーしたりする。が、海外では他のパートはほぼ助けるようなことはしない。仕事が終われば、他のところに問題があったとしてもさっさと帰るのだ。(私がいるところが特別なのかもしれないが。)

 それ故なのか、海外では仕事を金を稼ぐツールとして割りきって考えている。やっている仕事に使命感、意味などを考えている人があまりいないように思う。

 それを示す良い例を外国人コミュニティ内で聞いたので、紹介したいと思う。

 イギリスの話なのだが、ある人が、仕事を数年こなして、それなりの成果をあげた。そこで会社がその人に「昇進させてあげるよ」と話を持ちかけた。ところが、その人はその話を断ってしまった。

 実は最近、イギリスでは若者の出世欲低下が深刻な問題になっているとのことだ。

 その理由は以下の内容らしい。

 イギリスやヨーロッパ各国では福祉が非常に充実している。だが、それを賄うため、税金が非常に高いらしく、50%や60%、もっと高いところもあるとのこと。

 そのため、昇進して給料が上がっても手取りがほぼ変わらない。だが、責任だけ重くのしかかる。仕事の量が増える。だから出世したくないという若者が増えているらしいのだ。時間に対する稼げる金額が変わらないのなら、そんなことで自分の時間を減らしたくないのだ。

 また、ヨーロッパ各国では福祉が充実しているので、働いていれば、病院の費用はタダという国が多い。だが、患者がたくさんいるからと言って医者が夜遅くまで働かない。その結果、予約すると診察が受けられるのが二ヶ月先になったりするらしい。

 ちょっと高い熱が出たから薬もらいに行こうとしたけど、二ヶ月先で行った時にはもう直ってたし。と冗談かもしれないがそんな話もしていた。

 医者も仕事を金稼ぎだと考えているようである。

 それを聞くと、日本では、結構仕事に使命感をもってやっている方が多いと感じる。(もちろん日本でも仕事=金稼ぎではあるのは確かだが。)先日、このエッセイにも書いたが、久しぶりに日本に戻り、家の水道管が破れた時、素晴らしいサービスを受けた。あれもやはり使命感が影響しているように思う。

(”第27回 海外在住エンジニアが日本の素晴らしい文化について、語ってみた。”参照。)

 医者も絶対直すと頑張る方が多いと感じる。

 無理矢理こじつけるならば、私は小説、漫画、ドラマの影響が少なからずあるのだと思う。私の心の師、手塚治虫先生のブラックジャック。あれに憧れて医者になった方、実は結構いるんじゃないかと思う。ドラマもいろんな職業に光を当てたものが海外よりも多いと感じる。

 これは本当に日本の素晴らしい点ではないかと思う。

 だが、この弊害なのか、日本では例えば投資にあまりお金をかけない。お金って一生懸命働いて稼ぐものだよねと思っていて、投資で稼ぐのはなんかちょっとと思っている方がまだそれなりにいるのではないかと思う。(これは私の勝手な想像です。そうではないのかもですが。というか、何を隠そう、私もちょっとこの気があります。)

 だが、私の同僚たちはめちゃくちゃ投資もしている。今日はいくら株で稼いだとか、損したとか、そんな話を良くする。彼らにすれば、結局働いて稼いだお金も、株で稼いだお金も、同じお金なのだ。

(私がそうだからかもしれないが、)働くことに価値観、使命感や生きる意味を見いだすことは、私は非常に良いことだと思う。ビジネスには不利なのかもしれないが、ガラパゴスと呼ばれるかもしれないが、最近、私はそれもありだろうと思うところもある。

 私から見ると、海外のやり方はビジネス的には良い。良し悪しの判断がシンプルになるからだ。だが、社会構造的には結構綱渡りな部分があると感じる。

 今や何が正しいか、分からない時代。社会に何か大きな衝撃が加えられた時、実は生き残るのはそういった使命感をもって、みんなが仕事をしている社会な気がする。

 ただ、日本が沈没しない大前提が、他の国同様、ちゃんと物価上昇と賃金上昇をすればであるが。ここは本当になんとかしないとと思う。本当はそう思うのなら、政治家の愚痴言ってないで、選挙に立候補して、社会の根っこにある意見を上に持ち上げないとダメなんだろうと思うところもあるが。(笑)



あとがきは割愛させていただきます。

読んでいただき、ありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 今回も働くオッサンとして興味深いエッセイありがとうございます。  私は海外で働いたことは無いので、外国人と日本人の違いを目の前で見たことはありません。  でも、最近の若い世代は外国人的な…
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