第21回 AI ビートルズの楽曲、AI ブラックジャックが示したものについて語ってみた。
まえがきは割愛させていただきます。
本編短いので、本編のみでお楽しみください。
●’23/11/25(土)
先日、ポールマッカートニーと若きジョンレノンの声が入ったビートルズの新曲”NOW AND THEN”がリリースされた。
ちょっと衝撃だった。いや、ちょっとじゃないな。かなり。
というのも、まさにジョンレノンが歌っているのだ。音がレコードちっくで、たぶん狂うほど聞いてはいない私が聞いても、かなりの感動があった。これを往年のファンの方が聞いたら、もう涙が止まらないのだろうなと思う。
この曲自体はジョンレノンがなくなる2年前に作られており、曲自体はご本人のものである。声だけどうやらデモテープの傷みが激しすぎて、以前復元に失敗していたものを今回AIが復元したというものだ。なので、実際の楽曲の魂の部分はご本人のものだ。
話は変わり、最近もう一つ、AIに関わらせて創られたものがある。それが題名にもある”ブラックジャック”だ。ブラックジャックの内容をAIに学習させ、新しく物語を創らせたのだ。これが11月22日に発売された少年チャンピオンに掲載されたらしい。
このコラムでも何度か書いているが、私はブラックジャックファンだ。どちらかというとコアな方だと自負している。だが、実は海外に住んでおり、手に入れることができなかった。まだ読んではないが、いつか読みたいと思っている。
実際にはこれを読んでから書くべきかもしれないが、ちょっと納得がいっていない。
というのも”原作:手塚治虫”と書いている点である。
これを手塚治虫先生の作品と書いてしまって良いものなのだろうか?
ビートルズは実際にジョンレノンが作詞作曲されたもの。うん、これはビートルズだと思う。一部、それでもちょっと納得がいっていない点はあるが。
しかし、このブラックジャックは手塚先生が考えたものではない。あくまでデータを学習させて、それに従って出てきたものなのだ。
これがOKなら、藤井聡太棋士の棋譜を学習させ、次の一手をAIに考えさせた時、それは藤井聡太棋士の一手なのか?に近いものな気がする。あくまで藤井聡太棋士は今なお変化している。次の一手が学習させて出てくる一手とは言えない。
”原作:手塚治虫”はそうこういことではないのか。仮に今の時代まで手塚治虫先生がご存命だとするなら、どんな作品が出てきているのか。今のAIがそれを予測できるのなら、すでにAIで株などによる億万長者が作られ、それは公開などされないだろう。
もうそれはとんでもない国家の武器となりえるからだ。
プロジェクトの狙いの1つに”AIによる人間の創造性サポートがどれほどできるのか”という点があったと聞いている。それであれば、ブラックジャックにする必要はない。
なんだか前者も同様だが、お金の匂いがプンプンしてならない。もちろんそれが資本主義の考え方なのだから当たり前ではある。
こうやって、AIで稼ぐからこそ、AI技術が発展するということも分かっている。
だが、そこの”実”は明確にしておくべきと技術屋としては思うのである。
また、このビートルズの楽曲が示すものは他にもあると思う。今まで歌手というのはその人の持つ独特な音色が武器の一つだったと思う。メロディーとは違う音色。歌い回しに近いのかもしれないが、何かその人ならではの歌い方などがあると思っている。だが、今回の曲を聞いて感じたのは、もうそれもAIによって造り出せる時代に来てしまったのだと感じた。例えば、誰かがビートルズっぽいメロディーを作って、その人の声で適当に歌ったものをAIに通せば、まるでジョンレノンが歌っているような歌い回しで、抑揚で、ウイットに富んだ声で歌ってくれる。
絵にしてもそうだ。ゴッホっぽい絵にしてくれるAIがある。
今回のブラックジャックの話自体が本当に手塚治虫先生が作ったように感じるものであるなら、ストーリーですら、すでにそうなりつつある。
芸術性とは一体何なのか?と感じつつ、我々は芸術を芸術足らしめる要素をもっと深く考え、開拓すべきなのかもしれない。それこそが人間のやるべきことなのかもしれない。
つまりは、AIで造ることを否定しているのではない。そうなった時に”原作:手塚治虫”はまずいのではないかと言いたいのだ。
むしろ、先程書いたようにAIを使って、より高い思想、芸術を作り出すことを私は”正”と考えている。そうすべきだと思っている。
我々はすごい時代にいるのだと改めて思った次第である。
この前、職場から帰るのが深夜になったため、車で小一時間移動した。クリーンルームの作業後の移動は本当に身体に堪える。
AIでのアート活動もいいけど、はやく自動運転なんとかしてくれと思った今日この頃である。(笑)
明日も休日出勤頑張ります。
あっ、あと、誰かブラックジャック読んだ方、いらっしゃれば感想教えてください。ネタバレなしで。(笑)
あとがきは割愛させていただきます。
本編短いので、本編のみでお楽しみください。