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閑話:元の世界では…

休憩で書いた閑話です

─────地球──────

どこかの食堂では昼のニュースが流れており、このような音が流れていた

「…次のニュースです、一昨日の朝、〇〇社のビルで転落事故が発生しました、被害者は…」

そう、月が死んだときのニュースだ

「しっかし、高層階の窓が外れるって、経年劣化とかか?」

「あのビルって最近できたばっかだろ?どうせ手抜き工事とかだろ」

実際には神のミスであるが、そんなことを知らない者達は会話をしながら箸を進める

「…ちょいと探ってみるか、いい記事が書けるかもな」

そんな時、一人の男がテレビを見ながらつぶやいた

彼は無名の記者だった、このようなニュースでもネタがないか探っていた

「そいじゃ、その会社に聞き込みでも行くか」

そういって男は店を出た…


────数十分後

男は道中で例の会社へとアポイントメントを取り、取材の約束を取り付けた

そして会社へ着くと、応接室へと案内された

「どうも、今日はよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

何の変哲もない挨拶を交わした後、本題へ入った

「話によると、あなたが第一発見者だったと聞いていますが、本当ですか?」

「ええ、私は早めに出社して、備品の確認などをしているんですが、月さんは私よりも早く出社して清掃やゴミ袋の取り換えなど、雑務をしてくれていました、しかし、一昨日出社した時に入口の前に…」

そう顔を青ざめながら話す男の様子を見て記者は止めた

「少し休みましょう、人が死んでいるところなんて普通見ないですから、今度精神科を受診してみては?」

「すいません、月さんがやっていた雑務が多すぎて時間を作れていないんですよ」

「そ、それほどですか、もう少し具体的に言ってもらえますか?」

「えっと、45階までの窓拭き、ゴミ袋の回収、消灯の確認、お茶出しなど、普通一人で出来ない量を数時間で終わらせていました」

「そ、それはすごいですね、大企業の雑務をしている人でも聞いたことがありませんね」

そう、月は元から人外であった、今は神になっているが

言っといてなんだが神でもこの作業量はできないだろ、これ…

「結果、雑務担当として割り当てられたんですが、さすがに同じ量はできなくて、上司に相談しようかなと…」

「今すぐ相談した方がいいですね、このままでは過労死しますよ」

「そうします…」

「そういえば、43階の窓が外れたそうですが、あれの原因はわかっているんですか?」

「いえ、このビルは最近建ったばかりですので経年劣化はなく、工事も有名な建設会社に依頼したので手抜き工事はあり得ません、警察は事件の可能性を疑っているみたいです」

「でも、43階まで侵入して窓のボルトを緩めるって、そんな面倒なことしますか?」

「ですよねぇ、そのせいで警察も捜査が進まないようで…」

その後3時間ほど会話をしたが、事件の解決につながる情報は出てこなかった

「すいません、わざわざ取材させてもらって」

「いえ、これが事件なら情報を流して情報を集める方が早いですからね」


────その後

記者は記事を書いて世間に売り出した、結果として、月が生きていたら雇いたかったという企業が何十件と現れたり、それだけの事をしていた月を神聖視する宗教団体が現れたりと、こっちの世界でも神みたいな状態になってしまった月であった

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