女神の願い
「おはよう御座います。あなた方に選択させてあげましょう」
目が覚めた僕らに話しかけてきた女性達を見た。
3人の女性は、顔にボヤがかかっていた。
違うのは服装。右は白 左が黒 真ん中がグレーの服装だった。部屋?も並び順のような色になっている。
「あなた方は、先程亡くなりました。理由はバスの横転です。」
グレーの女性が言った。クラスメイトの女子の一人名前は佐々木舞って子がグレーの女性に聞いた。
「本当?」
「本当です。映像を見せましょうか?」
グレーの女性はテレビっぽいものを何も無いとこから出した。
そして見せられた。ガラスは全て割れていた。破片が刺さって死んだのかもしれない そう思わせるほどぼろぼろだった。運転手は生きてたっぽいが。
「あなた方全員が破片による大量出血で亡くなりました」
でも今自分の意識がある。死んで無いじゃないか?
「今あなた方が居るここは神界です。しかもあなた方の世界とは異なる神界ですが。あなた方の今はまぁ生きている時に戻したと理解しておけばいいです。理解する必要はありません。」
「ちなみに私はセントね!!よろしくねー」と白い服の女性
「私はフォルよ」黒の服装の女性
「私はフマです」グレーの女性
「私たちは女神よ!死んだあなたたちを引っ張ってきたのよ!でも私達は優しいから勝手に地上には下ろさなかったのよ!感謝してね!」
セントさんは明るくて優しそうな方だ。フォルさんは気が強そう。フマさんはきっちりしてる。僕の第一印象だ。智喜は女神に聞いた。「なぜボヤがかかってるのですか?」と。僕も気になっていた。言える訳ないけどね。「まだその時じゃないからね。」とセントさん。
フマさんが手を叩いた。クラスメイトと先生の注目が集まる。
「さて現状は理解出来たでしょうか?そして私達がなぜあなた方を呼び出したか説明します」
この世界はずっと戦争をしているようだ。剣と魔法の世界。時には勇者が魔王を倒し、魔王が勇者を殺して征服しかけたとか。神の信仰を増やすための戦争らしい。生活圏を増やして信者を増やす。別の神を信仰しているものを殺す。
神様達は仲良さそうだけどね。
「それで君たちにお願いがある。人間と魔族に転生して戦争をしてほしい。もちろん断ったっていい。だが断ったら魂を漂白して元の世界で循環させるけどな。」とフマさん。
「でも戦争してくれるなら、強いスキルと前世の記憶プレゼントするよ?」とセントさん。
「我々は君たちの意思を尊重しよう」フォルさんだが。
「そしてもし世界を征服出来たら、我々の祝福を与えよう」
「祝福とは?」と智喜。
「天使とか悪魔だね!不死性をあげる!」
僕は正直に言うと怪しいと思う。だが映像を見せられ剣と魔法の世界は憧れる。行きたい。前世より楽しいはず。もう後悔したくない。強くなって。奪われたものを奪いたい。復讐したい。そう思ってクラスメイトを見た。
智喜は妄想する。剣と魔法の世界で勇者になってキャーキャー言われる自分を。ニヤケが止まらない男ならハーレムだよなぁと。女を囲って豪遊する。そんな未来をみていた。 そして
「俺は女神様の願いを受け入れます。みんなはどうなのか教えてほしい」
「智喜がいるなら俺も行くぜ」と光輝
「ギャハハ智喜なら言うと思ったぜ」とマサノリ
女子もみんなイケメンの智喜君言うからいいよーみたいな雰囲気になっている。
「ダメですぅ!!!」と必死になっていた藤原はな先生。だが生徒の作った空気は変えることができなかった。
「それでは、初めの選択をはじめよう。君たちは人間族と魔族を選択して欲しい。人間族は右の白の方へ。魔族は左の黒の方へ。戦争をしたくないものは魂を漂白して元の世界へ循環する。その時は真っ直ぐグレーの所まで来てくれ。一度境界線を越えたら変えることはできない。自分の意思で考えてくれ。」
フマさんの言葉に最初に動いたのは水谷智喜だった。