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917話 長期休暇を終えて――


 仕方ない、正直に話しを――。


 その瞬間、視界が変わり――花の庭園――天界へ移動した。

 目の前にはティーナさんが不機嫌そうに立っていた。


「ちょっと2人ともどういうことよ!? シャーロが地上に降りたってどういうことよ!? 私がいない間何があったがのよ!?」


 どうやら長期休暇が終わって知ったようですな。


「そう言われても困るよ。シャーロが選んだ道だから――」


「説得はしなかったの!? なんでみんな諦めているのよ!?」


 話しを聞いてくれない――理性が追いついていない状態だ……。


「少しは落ち着いてよ。じゃあ、シャーロが説得しても聞くと思う?」


「聞くわけないでしょ! それでも嫌でもここに帰らせて!」


 聞くどころか押しつけとか……。

 気持ちはわかるが、無茶だろ……。


「あー、ティーナちゃんいけないんだー。自分ができないからって、責任転嫁するようなことしてー」


「ティーナよ、それまでにしておくのだ。2人とも必死に止めたのだ。責めるようなことはしないでくれ」


 シャルさんとソシアさんが来てティーナさんを説得する。


「なによ……。みんなして……悔しくはないの……」


「みんなティーナと同じだ。まずはシャーロの力を使わずに早くグリュムを倒すことだ」


 もうシャーロさんを止めるとしたらその方法しかないよな。


「そうだね。そんなみんなに朗報があるよ。問題を解決してくれるのはただ1人――レイがグリュムに絶対に勝てる」


「エフィナ、俺をグリュムと戦わせていいのか?」


「うん、リフィリアと【絆】化したときに確信が持てたよ。君に頼んでもいいかな?」


 エフィナが頼まれるといことは認めたとも同然だ。

 それと、グリュムはエフィナの魔法が効いていた――だから勝算があるのか。


「もちろんだ。俺はいつでも行ける」


「それはダメ。レイの魔力が十分ではないよ。全然回復していない――正式にはリフィリアと【絆】化したことで器は大きくなって回復するのが遅くなったって言えばいいかな。それとユグドラシルでほとんど魔力を持ってかれてかなり負荷があって身体にも影響が出ている。体力も万全じゃないときに【絆】化するのは、命の危険でもある。今はゆっくり休んでおいて。すぐにシャーロが動くこともないからそこは安心してね」


 まあ、条件付きだろうな。でもグリュムと倒せる力があるなら全然問題ない。


「わかった。ゆっくり休むよ」


「あっ、言っておくけど。ブレンダとルルナが領地で遊んで帰るまではゆっくりしてね。それから様子を見て判断するよ」


 かなりの長期期間だな……。もしかして俺たちに配慮しているのか?

 でもそれくらいあるのなら十分に回復はする。

 俺は頷く。


「よろしい! ということだから3人とも、それでいいよね?」


「わかったわよ……」

「私も異論はない。レイ君、気をつけてくれよ」

「私もいいよー。それまでレイちゃんはしっかり休んでねー」


 グリュムを倒せるなら3人も賛成だろう。

 ただ、どうやってグリュムまでたどり着けるか問題である。


 まあ、その前にエフィナと相談することにはなるが。


 話は終わり、視界が変わり教会の中に戻った。


 そして王城に戻り、ジョセフィーヌに話すと――。


「ソウタがやられていたのか!? あの女……私の大事なソウタを虐待するとは許せない……」


 膨大な魔力を出してお怒りでした。


「とりあえず司教を落ち着かせたよ。当分は心配いらないから安心して待ってね」


「むしろ安心できないぞ……。どうにかあの女から解放させないと……」


 不安させてしまったが、今のソウタは中二病モードになっているから、なんとも言えない……。


「変なことはするなよ? 司教を敵に回したらかなり面倒だぞ」


「今は我慢しておく。だが、私が自由になるまでソウタを解放しなかったら……無理やりでも連れ戻す……。たとえ、教会に敵に回してもソウタを優先する……」


 ダメだ……こいつも暴走しそうだ……。

 今日はもう勘弁してくれ……領地に戻ってゆっくりしたい……。

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