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915話 司教の暴走


 シャーロさんの結界を張って安全確保しているし、問題ないか。


「わかった。ただし、ミランドさんとサーリトさんに許可をもらってからだ」


「ありがとうお兄さん!」

「ありがとうございます!」


 2人とも満面な笑みで返してくれる。

 まあ、約束していたしな、思う存分もてなしをしないとな。


 もしかしてクエスが会うように言われたのはこのことだったのか?


 多分、2人は我慢していたところを見て気を遣ったのかもしれない。


 この後、2人と軽く話をして後にした。


 そして最後にソウタの様子を見るために教会に向かう。

 教会に近づくと、周囲には人だかりが……なんだあれは……。


 奥には十字架を胸に当てた白装束の教会関係者に囲まれて――。


「悪魔よ、聖騎士様から離れなさい!」


「ゴボボボボボボボ!」


 アマーニは白い服を着た大きな鉄の十字架に縛られたソウタにバケツいっぱいの薬草の匂いがする透明な液体を頭からかけられる。


 えぇ……、悲惨なことになっている……。


「本当に悪魔に取り憑いているのか? 聖騎士は普通だぞ?」

「司教の異端尋問が始まったか……」

「こんなことして悪魔なんて取り除けるのか?」


 周りは呆れて見ていました。 


「いや〜、大変なことになってね〜」


 エフィナは楽しそうに見ていた。


「とりあえずソウタを助けるぞ……」


「えぇ〜、もう少し見てからにしようよ〜」


 エフィナは俺の腕を掴んで止めてきた。

 力が強くて進めない……。


「俺は正常だ!? 頼むからやめてくれ!」


「悪魔め、聖騎士様の身体を使って話すとは恥を知りなさい! ごまかしても無駄です! どうして教会から伝わる秘伝の聖水が効かないのです……」


 あれ聖水だったのか……。てっきり青臭いポーションをぶっかけたのかと思った。

 まあ、秘伝の聖水なんて嘘だと思うけどな。


「だから俺は、悪魔なんかに取り憑いていないぞ!?」


「もしかして聖水が効いているのですか!? ああ……なんて可哀想な悪魔……。聖水を避けようと必死で命乞いをしているなんて……、だったら聖騎士様から離れなさい……」


 本当に大丈夫か?

 完全にアマーニが盲目になって暴走しているだけだが……。


「もう満足したし、そろそろいいかな――アマーニに、そんなことしてもソウタから悪魔祓いできないよ。やめたやめた」


「その声は、陛下の大事な客人様――エフィナ様ではありませんか!?」


 エフィナから声をかけるのは珍しいな。


「そうだよ。とりあえず終わりにして。このボクが解決させるよ。ほら、見世物じゃないんだからみんなは解散だよ」


「わかりました。では聖騎士様をお連れしてください」


「待ってくれ!? 俺もその場にいさせてくれよ――」


 ソウタは教会関係者に縛られてたまま十字架ごと教会に運ばれてしまった。

 そして周囲の人は解散してしまう。


「お騒がして申し訳ございません。それで聖騎士様に憑いている悪魔を祓うことができるのですか?」


「もちろんだよ。じゃあ、さっそく――」


「もしかしてエフィナ様は、陛下から聖騎士様からお連れするように言われましたか? 申し訳ございませんが私の許可するまで面会はお控えください」


 かなり警戒されている。

 というか、悪魔祓いできるとか言うなよ……。

 これで面倒事が起きたら知らないぞ……。

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