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90話 魔物の集落


 段々と反応が近づいて来た。

 ここの周りは木が伐採してある――それもかなりの量だ。

 その先を進むと――遠目だがコボルトがいた。それにできが悪い小さな木の建物が並んでいる。

 間違いなく集落だ。

 ちょうどそこは崖下だったから、その上で様子見をする。


「結構いるな……ざっと数百ってとこか……」


「この数ですと……まとめ役――コボルトリーダーがいますわね……」


 コボルトリーダーはBランクか、ここのメンバーなら対象できるが、数が多すぎる。

 ウィロウさんとグラシアさんは厳しいかもしれない。

 この場合は俺たちでやるしかなさそうだ。

 ただ……例外で…………。


「わ~い、いっぱいいる! どう攻めますか?」


 ミツキさんは楽しんでいます……。

   

「ミツキさん……さすがに1人で突っ込まないでくれよ……危ないよ……」

「そうですわよ……強いとはいえ、危険で心配ですわ……」

 

 もう完全に保護者ですね……。


「わかりました! 我慢します!」


 我慢なのか!? 

 戦闘狂確定ですね……。


 すると周りのより大きい建物から通常より3倍デカい鎧を着たコボルトが出て来て辺りを警戒している。

 俺たちのにおいがわかったか。


「コイツ……コボルトキングだ……非常に厄介なのがいるな……」

「ええ……まさかここにAランクがいるとは大変ですわ……早く倒しませんとコボルトが増え続けますわ……」


 コボルトキングか、周りの知能を高くして繫殖力が増すと言われている。

 ここの山は街と村には遠いが、いずれ軍団を引き連れて襲われるかもしれない。


「なあ、アイシスこの前の続きやるか? 先にコボルトキングを倒した方が勝ちだ」


「いいですよ。勝ったら前回と同じ条件でいいですか?」


「おう、いいぜ!」


『おもしろそうだね! けど、旅をしているから帰ってからにしてね!』


『わかったぜ!』

『もちろんでございます』


 何勝手に決めているのだ!?

 だったら俺がコボルトキングを倒してなかったことにする!

 アイシスとフランカの魔力が少しだけ解除されている……。

 どんなけ本気なんだ……。


「何かわかりませんけど、私も負けませんよ!」


 ミツキさんもやる気のようだ。

 こちらにしては2人が勝たさなけでばいいことだ――こっち側で助かる。


「またそうやっていいとこ取りするのズルい!」


 精霊は顔を膨らまして不満を持っているようだ。


「しょうがないな……じゃあ風上級魔法(サイクロン)を使って建物とコボルトを飛ばしてくれないか? そこは譲るぜ」


「わかった、任せて! いつでもいけるよ!」


 すぐさま笑顔で返してきた……そんなに活躍したいのか……。


「いろいろと決まったみたいだな、私は援護に回るか」

「わたくしもみなさんの邪魔にならないように援護しますわ」


 みんな戦闘準備ができ、精霊は魔法を使う――。



「――――サイクロン」


「「「ガギャァァァ――――!」」」



 集落の中心に暴風を巻き起こし――――コボルトと建物が飲まれていく。

 もう精霊がほとんど倒しそうな気がする……。

 暴風が弱まり――次々と落ちていく。


「ふう……スッキリした! あとはお願い!」


 今日1番の笑顔ですね……満足したようだ。


「わ~い、コボルトキングはどこかな~」


「ミツキのダンナに先を越させないぜ!」


「私もお先に失礼します」


 ミツキさん、フランカ、アイシスは同時に崖から飛び降りる――俺も続いて行く。


 コボルトキングは周りの残害を退かして起き上がった。


「ワオォォォォン――――!」


 遠吠えをした瞬間生き残りのコボルトが起き上がる。

 大体3分の1はいるな。けど、体制が整っていない内にみんなで攻める――。


 俺は金の剣(ゴールドソード)で周りを一掃させる。


 フランカは【武器創造・炎】で豪炎を付与した金剣(フランベルジュ)を持ち――焼き切ながら蹴散らす。


 アイシスは【武器創造・氷】で氷を付与した金の細剣(アイシクルレイピア)を持ち――魔法と交互に使い蹴散らす。


 次々と倒していくが立ちふさがる敵が多すぎてコボルトキングまで距離がある。

けどミツキさんは切り刻みながら敵の隙間を見つけて抜けていき――徐々にコボルトキングに近づく。


「わ~い、これなら1番に到着だ!」


「あちゃ~ミツキさんの悪い癖が出た……そこで待ってください!」


「ミツキ様! 近づかないでじっとしてください!」


 2人に心配されてる……。


 ここは早く行った方がいいな、風魔法を使う――。



「――――エアリアル・サークル!」

 


「「「ガギャァァァ――――!」」」



 周りのコボルトを空中で浮かぶ風の球体に吸い寄せ――。



「――――エア・プレッシャー!」


「「「――――ギャア!?」」」


 さらに風の圧で落とした――。

 これで道ができた。


「ご主人様、ありがとうございます」

「ダンナ、ありがとよ」


 アイシスとフランカはコボルトキングに向かう――。

 そうはさせない、時魔法を使う――。


「――ヘイスト!」


 身体を速くさせて2人を追い抜く――。


「な、ダンナ、それはズルいぞ!」

「ご主人様、私にもかけてください!」


 ミツキさんに追いついた。


「レイさんも来ましたね! 負けませんよ~」


「俺は勝負していないので……」


「そうでした! では一緒に倒しましょう!」


 一緒に倒すとか勝負しているの関係ないような……まあ、いいか。


「いいですよ。先に邪魔な鎧を破壊しますね」


「わかりました! よろしくお願いします!」


 コボルトキングに近づくと剣を振ってくる――。


「ガルルルル……ガルゥ!」


 横に躱し――そのまま背後に行き、鎧目掛けて切る――。


「――――斬破!」


「ガルゥ!?」


 鎧を破壊した――コボルトキングはこちらを向いて再び振ってくる。

 躱してすかさず後ろに下がり距離を取る――隙だらけだな。


「ありがとうございます! ――――華連刃!」


「ガギャァァァ――――!?」


 ミツキさんは複数の箇所を深く切り刻み後ろに下がっていく。

 相手が怯んでいるタイミングで狙う――。


「――――翔斬!」

「――――羅刹!」


「ガギャァァ……」


 お互いに突っ込み――横腹を深く切り、仕留めた。


「わ~い、倒した! 楽しかったです!」

 

 まさかミツキさんと連携が取れるとは意外だ。

 やっぱりエフィナが言う通り小人と相性が良いのか。


 終わったちょうどにアイシスとフランカが来た。

 

『今回は残念だったけど、男の娘の勝ちだね!』


「そりゃあないぜ~ダンナがいたからなしだぜ!」

「ご主人様がヘイストさえかけてくだされば、私の勝利は間違えなかったのに……今回は納得いきません!」


 不満があるみたいだが、こうしないとまた()()になりかけそうだからしょうがない。


『じゃあまた後でね! 次は2人だけで勝負すればいいよ!』 

 

『わかったよ……次は負けないからな!』

『わかりました……次は絶対に勝ちます!』

 

 また勝手に決めているんだ!?

 もう好きにしてください……。


 さて、気を取り直して色々と回収するか……。

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