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893話 精霊を解放させる⑧


 詠唱して不発した信者は後ろに下がっていく。


「お前たち、何もしないで下がるな!? チッ……使えない連中め!」


 指示している奴は何が起きたのかわからないままで、信者たちに怒鳴っていた。


「そろそろ、遊びは終わりでいいかしら? いくわよエクレール」


「は〜い〜」



「――――ジャッジメント!」

「――――ジャッジメント〜」



「「「――――ノギャアァァァァァ!?」」」


 

 スカーレットさんとエクレールは光魔法を使い、極大の光――裁きの光が降り、逃げた信者たちに直撃し、邪石が暴発して灰になってしまう。


 上級魔法とはいえ、邪石が簡単に破壊できたのはかなりの粗悪品を渡されたな。

 エルフの里で無限に魔力を使えたときのほうが強かった。


「もう勝ちは決まったようなもんだ! 諦めて降参するんだ!」


「黙れ洗脳者! お前に器に洗脳させようとするのはわかっている! スール様にお近づきになられる器を見捨てるわけがない!」


 ソウタが説得をしようとするが、当然だが聞く耳を持たない。


 言いたいことはわかる。こんなくだらない戦いをしても無意味だと。

 だが、信者たちは俺たちを本気で殺そうとしてくる。

 そんな相手に手を抜くことはできない。


「もうアイツはいないぞ! いい加減、現実を見ろ! じゃあ、俺たちがここにいるのはなんでだと思う? アイツが戦争しているならとっくに俺たちはそっちを優先している!」


 それを聞いた複数の信者は耳を傾けて動揺する。

 意外に冷静に考える奴はいるようだ。


「お前たち、洗脳者の戯言を聞くのか!? 思い出してみろ! スール様が戦争に出陣前の気迫に満ちたお顔を忘れたのか!? そして最強のを手に入れたスール様は戦争をすぐに終わらせて、我々の元に戻ってくるとお約束したのだ! お前たち、騙されるな!?」


 指示してる奴の言葉は響くことがなかった。

 そして武器を降ろして手を上げて降参する奴が出てきた。

 それにつられて次々と。


 なるほど、邪石の力でも勝てないとわかったか。

 いや、ド変態がいないとわかり、無意味だとわかったかもしれない。


 なぜか、ホッとしている奴も多かった。


「お、お前たち、なんのマネだ!? 早く戦え!?」


 もう指示している奴以外、戦意喪失している。


「もうお前も諦めたらどうだ?」


「だ、黙れ!? こうなったら奥の手だ……器を手に入れるまでの辛抱だ――」


 奴が取り出したのはイングルプが飲んでいた5本の聖水だ。

 それを躊躇うことなく全部イッキ飲みすると――服が破けて身体全身がボコボコと膨張する。


 アイツはバカなのか? 普通の奴が飲むと自滅するぞ。



「ヨこセ……モット力をヨこセ――――キエェェェェ!」



 発狂すると、奴の邪石が光――信者たちの邪石も光始めて指示した奴のほうに魔力が送り込まれる。そして邪石の白く空になると、砕け散って信者たちは灰になってしまう。


 残りは……指示した奴1人となった……。


 こいつ、仲間の魔力を奪ってまでして戦うつもりか?


 奴の身体は禍々しくドス黒く変形していき――大きな黒い球体と変わった。


 面倒な奴に変わったな……。よりによって厄災級のマナイーターかよ……。


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