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884話 精霊使い、疑われる


 ――2日後。


 昼過ぎ頃――ソウタは嫁たちに解放されて茶室で俺とケイトと一緒にお茶を飲む。


「はぁ……、やっと解放された……」


「お疲れっス。帰っても大変っスね……」


「大変もなにもソウタが決めたことだ。自分のやったことには責任取らないと」


「わかっている……。はぁ……残りの5日間耐えれば、アマーニのところへ行ける……。相手が1人だから楽だ……」


 いや……、そういう問題じゃないだろ……。


「ソウタさん、どれだけ嫁がいるんスか……? もしかして各場所に嫁が1人ずついるわけじゃ――」


「ゴホゴホ!? それはないぞ!? 嫁はアマーニで最後だぞ!? もうこりごりだ!?」


 ソウタはお茶に喉をつまらせ、咳き込んで慌てて言うが、ケイトの言っていることは強ち間違っていない。

 俺も疑うレベルである。


 まあ、チヨメの件でしっかり反省してないとは思う。精霊たちもついているし、絶対ない。


「アマーニに会うのはいいが、精霊が黙っていないんじゃないか?」


「そうでもないぞ。ケンカはしたが、しっかりアマーニに会わせてくれる。もちろん、3人は、ここに残るけどな」


 前よりは監視の目が緩くなっているのは意外だ。

 精霊たちは諦めたのか、アマーニを認めたのかどちらかだ。


「あ〜、いた〜。探したよ〜」


「うお!?」


 急にエクレールが入ってきて、ソウタの顔にキスをして抱きつく。

 ここ最近、エクレールはソウタにアプローチが激しい。

 会わなかったこともあるが、そこまでするのはおかしいことだ。


 鼻息が荒く、妖艶な顔して狙っている感じだ……。

 嫁たちに刺激されたのか……?


 ソウタにこれといった変化は……、ダメだ、魔力が枯渇――干からびているからよく見えない……。

 あとでエメロッテに聞くことにしよう。


「いたわ! さっさと離れなさい!」

「うぅ……、離れて……」

「このエロ精霊、ソウタ様は渡しません!」


「ケチ〜、ウチはまだ何もしてないのに〜」


 ソウタの精霊たちが、エクレールを無理やり離して茶室から出ていく。

 茶室はイチャイチャする場ではないから助かった。


「ソウタさん……よその精霊まで……」


「いや、誤解だぞ!?」


 あそこまで見せられたら確信と思われても仕方ない。

 賑やかなのは良いことだ。


『マスター……、頼みがあるけど……いい……?』


 リフィリアから念話がつながった。

 やっとか……。けど、不安そうな声だ。


『頼みの前に戻ってきてくれ。それからだ』


『わかった――』


 ホールに魔力に反応が出て駆けつけると――服がボロボロで満身創痍なリフィリアの姿だった。ここまでして探していたとは……。かなりむちゃしたな……。


「マスター……お願い……、早くみんなを……」


「しっかりしろ!?」


 俺はリフィリアは倒れる前に身体を支えた。


「魔力が枯渇しただけで支障はないよ〜。ただの寝不足だからしっかり安静させれば大丈夫だよ〜」


 察知したエメロッテも来て言う。

 とりあえずホッとした。寝る間も惜しんでいたのか……。

 本当にむちゃしたな……。


 状態が良くなったら話を聞こう。


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