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883話 休暇をもらった人たち


 ――翌日。


 2週間くらいの休暇をもらったソウタと精霊たちが領地に戻ってきた。

 それもジェリックたち――輩3人組と一緒に。


 ジェリックたちも休暇をもらったようでファルファたちの様子を見に来た。

 さすがにヤーワレさんはギルドマスターとして仕事で忙しくて来れなかった。

 ヴェンゲルさんに行かせろと涙を流して駄々をこねていたようだ……。

 いつも通りですな……。


「ソウタちゃん〜会いたかったわ〜!」


 真っ先にトリニッチさんが駆け寄ってハグ――胴体を片腕でホールドして連れ去る。

 これはもう1日中離さないようだ。


 夕食になりソウタを見かけると案の定、顔が干からびていました。


「どんな方と思いましたが、期待外れですね。1日でサハギンみたいな顔つきなど、子を宿す相手に相応しくはありません」


 期待していたシルセスは辛辣に言う。

 好みのタイプではなかったようです。


 だからと言って俺に視線を向けるのではありません……。


「レイさんとソウタさんが羨ましい……。なんでこんなにモテるんだ……?」


 何を言っているんだヨシマツ……ソウタは別として俺は必死だぞ……。


「ヨシマツ……元の性別が男でもか……?」


「ずっと女の姿になっていれば、全然アリですよ。しかもこんな美人な女になるのなら結婚も余裕です」


 躊躇わないで言えるのは、器が違う……。

 ある意味大物だ……。


 その発言にエミカたちはドン引きです。


「へぇ〜、大丈夫ならシルセスをもらってよ〜。シルセス、ヨシマツはこれでも選ばれた勇者だよ〜。勇者の血を受け継ぐ良い子が生まれるよ〜」


 エフィナはからかいながら言う。

 面白がっていますな。


 しかも、ヨシマツは目を輝かせて期待している。

 まあ、俺としてはヨシマツに変われば助かる。


 実力は申し分ない、少しは考えて――。


「いえ、結構です。受け身の方は私は好みではありませんので」


 ですよね……。受け身って……盾で防いでるからか……?

 どうやら攻める人が好みのようです……。


 それを聞いたヨシマツは膝をついて落ち込む。


「ふ、ふられた……」


 周りは大笑いして、シルセスが好きだった女性陣は腕を組んで頷く。

 まだ諦めていない人がいるみたいです。


「アハハハ! こんなに賑わっているのに、メアがいないなんてもったいないね」


 たまたまタイミングが悪かっただけだ。

 仮に今の状態で見たら笑わないと思う。かえって苦しいだろう。


 領地を離れて正解だと思う。


 どこに行ったかわからないが、今頃ゆっくりしているだろう。


 夜になると――。


『サイガから聞いたぞ。小娘がオレの城で昨日から泊まっていると。それも気が済むまでいると言っていた。レイ、小娘とケンカでもしたのか?』


 王城にいるアンバーから連絡がきた。


 まさかの魔王城かよ……。

 とりあえず事情を説明した。


『はりきりすぎて自滅したわけか……。はぁ……、なんとも言えんな……』


「ごめん……、みんなに迷惑をかけるかもしれない……」


『いや、そうでもないぞ。飯を作ったり掃除したり、メイドのことをして大いに助かってる。今日なんて軍の訓練に参加して手合わせしたとか、サイガから聞いている』


 休んでいるわけではないのかよ……。やめるように言うのは逆効果かもしれない。

 俺は口に出さないでおこう。


「悪いけど、気が済むまで魔王城に居候させてくれないか……」


『小娘はムカつくが、盟友の頼みなら仕方ない。いいぞ。だが、緊急のときはこき使うからな』


「ありがとう、助かる。サイガさんにもよろしく伝えてくれ」


 しかし、メアが魔王城でお手伝いとはどうしてだ?

 まあ、変なところには行ってないで、親友のところにいるなら全然いいか。


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