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881話 長老の見送り……


 ライカとチヨメに説明すると、納得するどころか残念そうだった。

 まあ、チトセがひと声かけてきただけだしな。


 2人はいつでもチトセとつながると思っていたようだ。

 だが、つなげた張本人のシャーロさんを見る。


 あとはシャーロさん次第ってことになる。

 このあと起きたら大変だな……。


 鬼の隠れ里に戻り、野菜の収穫を手伝っている小人たちを呼んで領地を帰ることに。 


 長老たちが見送りに来るが――。


「うぅ……チヨメ……行かないでくれ……」


 長老は鼻水を垂らして大号泣していた……。

 駄々こねるのは予想していたが、チヨメはもうドン引きです。


 すぐに変わるわけではない。というか、かなり重症化している。


 長老はチヨメに抱きつこうとするが、ハナヨが腕で首をがっちりホールドする。


「はいはい、また会えるから我慢しようね」


「ち、チヨメ……」


「近いうちに来ますので……」


「すぐ来ちゃうとこいつを甘やかすことになるよ。チヨメの都合でいいから」


「ありがとうございます! 叔父さん、魔王さんとしっかり話してね」


「うう……チヨメ……」


「まあ、そのときはアタイが、作業を止めてしっかり見てやるから安心しな」


 フランカは帰らず工房で玉鋼で武器の製造することになった。

 もちろん、長老の許可をもらっている。


 こんな機会めったにないしな。


 空間魔法(ゲート)で領地――集会場に移動して、みんな解散する。


 屋敷に戻ると――エフィナが玄関前で待っていて、俺に気づくと駆け寄る。


「おかえり〜。まったく、シャーロはまだ寝てるの? もう昼だよ」


 おんぶしているシャーロさんを見て呆れる。

 事情を話すと、さらにため息ついて呆れる。


「はぁ〜、やりすぎ。天界と違ってあれだけの力を使えばだるくなる。もっと自重できないかな……?」


 たしかに、やりすぎって言うほど力を使っている。しかも、気まぐれにしては自分の身を削ってまで使うことはない。


 本当は困っている人を見て見ぬふりができないのか?

 そこはしっかり女神をしている。


「今回は報われた者もいたし、大目に見てくれ」


「レイが擁護するなんて珍しい。仕方ない、変なことはしてないから大目に見るよ」


「それで頼む。ところで、玄関前で待っていたのは、かなり落ち着きがないようだな。何かあったのか?」


「そういうわけじゃないけど、シルセスがレイを襲っていないか少しは心配したね。一泊する話なんて聞いてないし、心配だったよ。まあ、シャーロもいたし杞憂で終わったけどね」


 そこですか……。心配してくれるのはありがたいけど。


「本当に残念です……。次の機会に必ず邪魔されないように誘います」


 おい、シルセス、包み隠さず言うなよ……。

 完全に狙っているじゃないか……。リヴァだけにしてくれ……。

 すまないが、リヴァ、早く大きくなってくれ……。


「君ね、よくそんなこと人前で言えるね。だったら子づくり大好きなツヨツヨの人に相談してみようか? きっとシルセス好みでレイより夢中になっちゃうかもよ?」


 その大好きな人とはソウタですかね……?

 たしかソウタもうすぐ休暇がもらえてこっちに来るとか言っていたな。


「それは……、少し興味があります」


 少しよだれを垂らして舌で舐め回しているのですが……。

 俺は知りません……。何も聞かなかったことにしよう。


 とはいえ、外出して息抜きはできた。

 リフィリアはまだ戻ってこないが、以前と違って落ち着いて待っていられる。

 リフィリアは信じて普段通りに自分ができることをしよう。


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