875話 自由行動……
ライカと長老が少し揉めたが、話しは終わり自由行動になった。
フランカはコロイチと一緒に奥にある工房に向かった。
チヨメは長老とハナヨとこれまでの起きたことを話したいと、長老の家に残った。
ライカはというと――。
「お前たち、離さんか!? 儂はチヨメと一緒にいたい!?」
無理やり小人たちに持ち上げれて里を散策することになった。
小人たちは空気を呼んでくれた。このまま一緒にいると一生長老と揉めてしまうからな。
俺はというと……。
「レイ……あそこに行きたい……」
シャーロさんをおぶって一緒に散策しています……。
それはいいが……。
「王よ、夜の準備はできています。なんなら今でもいいですよ」
シルセスの視線が怖いのですが……。
泊まることで予想はしていたが、シャーロさんがいるのにここまで剥き出しになるとは……。
「ダメ……。これ以上近づいてはいけない……」
シャーロさんは手懐けるように数mを離れるように指示する。
なんだかんだ助けられています……。
シャーロさんが制限なしでどこでも行けるようになったということは、ほぼ現界しているような感じだ。だが、女神をまだやめているわけではない。
この前、シャルさんに聞いたが、シャーロさんはまだ天界に戻れる範囲だと言っていた。
女神のとして違反はしていないと。ほかの神たちが見過ごしても大丈夫だと。
まだ安心していいと。
すると、シャーロさんは降りて俺の真正面で抱きつく。
「レイ……、アタシは後悔などしていない……。だからこの世界を守る……」
考えが見透かされている。そうは言っているものの、何か寂しげな感覚がある。
本当は、迷いもある。女神だから仕方ないと割り切っている。
「エフィナの前で言ってはいけませんよ。悲しくなるだけです」
「わかっている……。安心するように言っただけなのに……。いいや、考えるのはなし……。今はのんびりするのがいい……」
たしかに考えすぎなのはある。まあ、せっかく良い場所に来たし、考えるのはやめよう。
「王よ、悩みでもあるのですか? では私が身体で解決――」
だからなぜそうなる……。もうシルセスの頭の中がピンク色で染められている……。
「それは違う……。ステイ……」
シャーロさんは服を脱ごうとするシルセスをかざして地面に魔法陣が出現する。
シルセスが固まり、動きを封じたようだ。
「女神様……ご勘弁を……」
「約束は約束……。このまま放置してもいいよ……。それか……オークを呼んで交尾させてもいいよ……?」
「それは困ります!? もう私からは誘いませんのでご慈悲を……」
顔が真っ青になって効果覿面だ。
さすがの気高いシルセスにとってオークは下等生物そのもの。
1番最悪な罰だ。
というか、なんで俺が襲う前提な言い方だ……。
「よろしい……。なんか癪に障るけど……。許してあげる……」
「ありがとうございます……。王よ、いつでも待っています……」
だから顔を赤くして答えるのではない……。完全に誘っていてアウトだろ……。
「さて……、次はあっち……」
シャーロさんは俺の手を引っ張って、河川側に行きたがっている。
たまにはこういうのも悪くないか。




