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867話 平行線


 客間でセーレさんにお菓子とお茶を出したのだが……。


 叔母であるリリノアさんの愚痴が止まらなかった……。

 数時間は聞いています……。


「――でね。叔母さんはギルマスの子を100人生むとか言って仕事中に自慢するから嫌になるわ。100人生む前にギルマスの体力が持たないわよ。レイちゃんもそう思わない?」


「そうですね……」


 もう俺はほとんど受け流して答えているだけです。

 多忙だったから仕方ない、


「そういえば、私が来たときよりかなり雰囲気が違うわ。みんな幸せそうよ」


 セーレさんは禁忌野郎のとき以来だしな。


「あのときは、みんな不安でしたので、そう見えると思います」


「そうだとしても、レイちゃんはみんなのために頑張っているよ。人が一気に増えると意見の食い違いとかで、まとめるのは大変よ。自信は持って」


 セーレさんはギルドマスター代行したからそのつらさがわかる。俺の場合は周りがいろいろとやってくれるから、そこまで大変ではない。


「それはお互いさまです。ゆっくり休んでください」


「お言葉に甘えるわ。久しぶりに温泉にでも入ってゆっくりするわ」


 セーレさんは背伸びをして部屋を出て屋敷内にある温泉に行った。


 やっと愚痴から解放された。


 それはいいが、外で待っていたアルカナがソワソワしながら入ってきた。


「ご主人さん、昨日ことですが……覚えていますよね……?」


「昨日? ああ、わかっている何が欲しい?」


「占い館を建ててほしいです! ある程度大きいのを!」


 目を輝かせながら言う。

 確かにあの行列だと専用の館がほしくなるよな。

 ほかの人に迷惑をかけないように。


「それくらいなら大丈夫だ。大きさと場所はフランカと相談してくれ」


「やった、ありがとうございます! さっそくフランカさんに相談します!」


 アルカナは上機嫌でスキップして部屋から出る。

 今日ってフランカ相談する余裕時間はあるのか?


「あの子なんであんなに機嫌が良いの?」


 王城で会議していたエフィナが戻ってきた。

 理由を話すと呆れていた。


「あの子に甘やかしすぎじゃない? あれだけのことで館を建てるとかダメでしょ」


「今後のことを考えたら必要だから問題ない。まあ、変なことにはならないだろ」


「まあ、口が軽いくらい以外はあの子は純粋だからいいか。また変なことしたらチョップするよ」


 エフィナは無表情で腕を下ろす素振りをする。

 いや、今朝何もしてないのに叩いていただろ……。

 エフィナの中でアルカナをチョップするのがクセになったな。


「それで、会議のほうはどうなった?」


「平行線かな。アンバーが好機だと言って、拠点を増やすとか言っていて――ディカルドとエレリットは少し様子を見たほうがいいと言っていた。意見が食い違いのまま終わったよ」


「まだ体調が優れてないのにもう攻める話になっているのかよ……」


「アンバーはそういう性格なら仕方ないよ。攻めるところは魔王らしいけどね」


「帝国が弱体化したとは言い切れない。まだ邪石を開発して奴が裏にいるしな」


「そうなんだよ。だから両方が納得するように偵察――メアに隣街を様子を見に行ってもらうことにしたよ。メアから了承済みで明日行くことになった」


 困ったときはメアさまさまですね……。


「過労じゃないのか……?」


「喜んで引き受けたよ。ただね……、偵察が終わったらレイは覚悟したほうがいいよ……。帰ったら主様と【絆】化できるとか言っているから……。賢者になる覚悟はしてね……」


 その【絆】違いはやめてください……。


「関係で【絆】化はしないのにな……」


「仕方ないよ。それほどメアは焦っているから」


 みんなのために動くのはありがたいが、簡単に【絆】化はできないのに困った。

 最近暴走気味だし、少しは落ち着かせないようにしないといけない。


 仕方ない、賢者になる覚悟で受け入れるしかないか。

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