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859話 勇者との約束㉕


 火の壁(フレイムウォール)で分かれるとハヌヤは不貞腐れた顔する。


「この卑怯者が!? ノンダリ大将を引き離すな!」


 ハヌヤは焦っていた。いくら強くなったとはいえ、ソウタたちの強さは計り知れないことに。前回は根拠ない自信だったが今度は違う。


「何をビビっているのですハヌヤ? 精霊王である私が負けるとでも? あの大将がいなくとも精霊を解放できます」


「そ、そうですね……」


 スールが自信に満ち溢れて鼓舞するが、不安が積もるばかりだった。


「そこまで言うのだったら、また引き離すか。ブリーゼ頼んだ」



「お任せください――――サイクロン!」



 ブリーゼは風魔法で暴風を巻き起こし、スールたちに放つ。



「させるか――――サイクロン!」



 ハヌヤも同じ魔法を使いブリーゼの魔法にぶつける。

 互いの暴風は消えてしまい互角だった。


「フン、この程度で倒せると思うか!」


「フフフ……、ハヌヤといい勝負ですね。いい子が生まれます……」


 スールはよだれを垂らして、勝つ前提で子づくりのことを考えていた。


「スール様、戦闘中ですよ! その話は終わってからにしてください!」


 ハヌヤは嫉妬したのかスールに怒る。


「いいじゃないですか。勝利は目前です!」


「だから油断してはいけません!」


「なんであいつら急に揉めているんだ?」


 ソウタはあの2人が揉めるのはおかしいと思っている。相手を動揺させて罠にハメようと考えているかもしれないと。


「いいじゃない。仲間割れしたほうが、私たちを見ないうちがチャンスよ――――エクスプロージョン!」



 上空から爆炎を落としスールたちに直撃する。

 煙が消えると2人は岩の球体(アースシールド)に守られて無傷だった。


 球体から出てくるとスールは高笑いしている。


「グハハハハハ! こんなものか愛しの精霊よ! 愛が足りんぞ! これが終わったら王の特別訓練をしてやるぞ!」


 スールが大声で言い、プロミセンスに聞こえると、背筋が凍り顔が真っ青になる。


「き、気持ち悪い! もうやだあのド変態! 早くくたばれ!」


「早く元に洗脳を解いてくれと……。いいだろう、王として救ってみましょう!」


「んなこといってないわよ!?」


「さぁ、洗脳者くらうがいい――――アーススネーク」


 スールは地面から巨大なヘビを創り出すと――ソウタたちに目がけて動き出した。


「今度は魔法か。本物より大きいと避けるしかなさそうだ」


 魔法で準備できる余裕がなく皆は避けるが、ソウタに襲いかかる。


「やはり俺か――――エクスプロージョン!」


 ソウタは剣を抜いて炎を纏い、火魔法を使ってヘビの頭を切り、大爆発する。


「おい、まだ動くのか!? ――――ウブゥ!?」


 頭部は破壊されても動き続け――ソウタに巻き付く。


「ソータ!?」

「主……!?」

「ソウタ様!?」


 精霊は慌てて助けようと魔法を発動させようとすると――。


「おとなしく見てろ―――――ウインドネット!」


 ハヌヤは近づいて風で創られた網を精霊たちに放たれて網に入って地面に落ちていく。


「は、離しなさい!? 何よこれ、ベトベトして気持ち悪い!?」

「こ、これじゃ……魔法が使えない……」

「なんですかこれは!? 魔法を使っても切れない!?」


「無駄だ、いくら強かろうが私の魔法から抵抗はできない」


「ヒャヒャヒャヒャヒャ、よくやったハヌヤよ! 洗脳者、これで終わりだぁぁぁぁ――――アースボム!」


「――――グアァァァァ!?」


 スールは巻き付いたヘビを大爆発させ、岩の破片がソウタに襲いかかる。

 かなりの深手だったのかソウタは気を失いそのまま地面に倒れ込んでしまう。

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