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857話 勇者との約束㉓


 リフィリアは吐血をしているケイトに駆け寄り回復魔法(ハイヒール)を使う。


 ミスリルの胸当てが深く凹んでいて重体さが物語っている。


「なにやっても無駄だぁぁぁぁ!」


「――――ゲート!」


 ノンダリが向かってきたが空間魔法で遠くで避難しているカヤキとヒロヤはの元に移動する。


「ケイト!?」

「室林!?」



「うぅ……」


「まだ起きちゃダメ! 安静にして!」


 完治をさせたが、ケイトは無理やり起き上がった。


「助かりました……。けど、俺はまだやれます……」


「あれはケイトが敵う相手じゃないよ! ここは私に任せてここで避難して!」


「いえ……、この手で谷貝を救うと決めたのです……。あいつを倒させてください……」


 ケイトは魔力を出して闘志を燃やしている。


「あなた……、スキルが発動のしているのね……」


 リフィリアは気づいた――スキル【不屈】が発動していることに。

 どんな状況でも臆することがなく、常に最大限の力を発揮できるケイトにとって最大のユニークスキルだ。

 だが、カイセイは【鑑定】でわかっていたが、【不屈】は戦いによっては無謀だと思っている。ケイトより強い相手を躊躇わないで戦うのはあまりにも無謀と言える残念なスキルだと勝手に解釈してレイたちには言っていない。


「あのとき、池垣と同じ――いや、それ以上だ。行かせてください」


「ダメよ、いくらか強くなっても限度がある。2人もなんとか言ってよ」


「ケイトを行かせてあげてください。これは俺たちのケジメでもあります」

「俺もカヤキと同意見です。気が済むまでやらせてください」


 カヤキとヒロヤは頭を下げた。

 リフィリアは呆れるしかなかった。


「諦める選択肢はないの?」


「ないです」


「はぁ……。わかったわ……。ただし――――ゲイルオーラ!」


 リフィリアは風魔法でケイトの身体を魔力でコーティングすると――周囲に風が発生する。


「こ、これは……、身体が軽い……温かい魔力で包まれて今まで以上に力が溢れている……」


「私が考えていた身体強化魔法よ。エメロッテの半分には満たないけど、十分あいつに勝てるよ」


「ありがとうございます! これなら負ける気がしない」


「でも油断禁物よ。これでやられたら強制的に避難させるから」


 再びリフィリアは空間魔法(ゲート)でノンダリの前に移動する。


「ふっ、逃げたと思ったが来たか。このまま逃げれば生かしたのものの」


「俺は諦めが悪いからな。俺は友を救うまでは」


「その友はもういない。儂の糧となり最強の肉体を手に入れた。さすが改良した聖石だ。肉体の手に入れたときは文句を言ってしまったが、これはこれで良い」


「改良? いったい誰が聖石を作ったの?」


「教えるわけないだろぉぉぉぉ――――暗殺拳!」


「ケイト加減はしといてね。邪石の元凶を突き止めたいから」


「わかりました」


「加減などバカげ――――ブハァ!?」


 ノンダリの6つの拳でケイトに襲いかかろうとするが――回避され、腹部を見えない速さで数発殴られ吹っ飛んでいく。


「絶対に許さない。お前には地獄に行ってもらうからな」

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