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855話 勇者との約束㉑


 ケイトはノンダリに近づこうとするが――。


「ケイト、止まって! 罠よ!」


 リフィリアの言葉でケイトは足を止めて、地面からの反応に気づいた。

 真下から来る、巨大な鋭い歯を持った――サイレントワームが出てきてケイトを噛みつこうとするが、後ろに下がって回避する。

 続けてまた下から無数のサイレントワームが出てきて繰り返しケイトに襲いかかる。


「――――ウインドランスレイン!」


 リフィリアは無数の風の槍を放ちサイレントワームを倒すが、違和感に気づく。


「なんでケイトだけ狙うの……? もしかして――――ウインドランス!」


 リフィリアはノンダリに向けて風の槍を放つが――サイレントワームが前に出てきてノンダリを庇う。


「なるほどね。怪しいと思ったら魔物を操ることができるのね」


「もうわかってしまったか。あの大精霊、勘が鋭い。だがもう遅い――」


 ノンダリの魔力反応が大きくなると――ケイトの地面が砂上になり、逆円錐形――アリジゴクとなる。中心には鋭く長いハサミ持った巨大な虫が待ち構えていた。


「ケイト!?」


「足が抜けねぇ!?」


ケイトは砂に埋れて勢いよく虫のほうに滑っていく。


「さぁ、デスサンドワームの餌になるがいい!」


「――ゲート!」


 リフィリアは焦ることなく空間魔法を使いケイトをアリジゴクから数十mくらいに移動させる。



「――――エアブレイク!」



「――――ピギィィィィ!?」


 リフィリアは休むことなくデスサンドワームを風の球体を包み、空に浮かせて両手を合わせる素振りをすると――球体は圧縮し、デスサンドワームを潰して倒す。


「助かった……」


「ごめんなさい。あの人、魔物を操ることができるわ。私がもっと注意していたら早めに対処できた……」


「気にしないでください。これじゃあ、魔物に邪魔されて進めないですね……」


「そんなことはないよ。残りの魔物は1体だけだよ。私が倒すからケイトは無視して進んで」


 リフィリアは地面の深くにいる魔物がいることに気づいている。


「ありがとうございます。ではお願いします――」


 ケイトは先に進み、リフィリアは後についていく。


「運が良い奴だ。これでどうだ――」


 ノンダリはさっきより魔力を多めに出すと、地響きが鳴り、地面が盛り上がり現れたのは――高さが20m以上あり太い足で鋭い爪を持った4足歩行の茶色の竜である。


「こ、こんなデカいのがいたのかよ!?」


「タイラントアースドラゴンよ。大丈夫、怯まず進んで」


「わ、わかりました……」


 ケイトは一瞬、躊躇ってしまったが、言う通りに進む。

 リフィリアは確信がなければ言えないことだ。 


「邪石がついていなければ、やることは1つ――――ブラックホール!」


 リフィリアは風、闇、空間魔法の【混合魔法】を使い――タイラントアースドラゴンの真上に黒い穴を創り、吸い取る。


 重量にもかかわらず、軽々と浮いて黒い穴に吸い取られる。移動させた場所は毒沼が発生している帰らずの沼である。たとえ大型の魔物でも耐えることはできない。


「もう邪魔するものはいないよ。思う存分暴れて」


 周囲の魔力反応はなくなり、ノンダリだけとなった。


「谷貝の身体を返してもらうぞ――――絶拳!」

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