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844話 勇者との約束⑩


 メアはゆっくりと歩いてキャンメラのほうに向かう。


「ど、どういうことさ!? かなり強力な聖石を付けているのに簡単にやられるわけがないさ!?」


 キャンメラは声を裏返しながら言う。


「あれが強力とは……、ナメられてますこと……。ただのザァコでしかありません……」


「ふざけるでない!? だが、魔力はかなり消費されて好機さね。ゆっくり歩いているのが証拠さね」


 キャンメラはメアの魔力は残り僅かで魔法が使えないと思っている。


「キャンメラ様、この俺が――」


「タントルト、まださね。私が合図したら生け捕りにしておくれ。ナマイキなガキには下僕の下処理をさせることに決めたさ。死なせいるんじゃないよ」


「まさか寛大なキャンメロ様がここまでお怒りになるとは。あのガキを生きていることに後悔させてやるのですね。わかりました」


 キャンメラは鉄球を持った大男――タントルトに指示をする。

 どうやらメアを娼婦にさせようとしている。キャンメラは気に食わない女は娼婦にさせて精神的に追い詰めようとする。そして落ちた者を見て優越感に浸るのがお決まりだ。


「なにをコソコソとしているのです……? やっていることがババア臭くて困ります……」


「誰がババアだ!? 私は若い肉体を手に入れたさ!」


「あなたのことを言ったわけではありませんこと……。そんなに慌てて言っているならババアと認めてますこと……。肉体は若くても心が枯木のように干からびているのはババアの証拠です……」


「お前……絶対わからせてやるさ……」


「フフフ……効いてる効いてる……」


 キャンメラは怒っているがメアの挑発には乗らなかった。


「このガキが! キャンメラ様の侮辱は許されないぞ!」


「挑発に乗るんじゃないよ!」


「は、はい! キャンメラ様」


 タントルトは鉄球を振り回していまにも向かいそうだったが、キャンメラの言葉で止める。

 そのときメアはキャンメラの発した言葉でタントルト身体が魔力が輝くのが見えた。


「そこのババア……、妙なことをしますこと……。相手を強制さているように見えますが、その隣りにいる熟女好きな男が喜んでいるのはなぜでしょ……? 命令系のスキルとはまた違うような……?」


「フン、ガキがわかりきったことを言うとはナマイキだわさ。特別に教えてやるさ。私のスキル【魅了】でタントルトを止めたのさ」


「【魅了】ですか……。では、いまさっきのザァコも魅了にかけられていたと……?」


「そうだわさ。このように――おい舐めろ」


 首輪にかけられた勇者がキャンメロの足を舐め始めた。


「悪趣味ですこと……。ババアにかけられてかわいそうですこと……」


「ババア言うな!? けど、この娘の肉体になってから【魅了】が効きやすくなったさ。同性の女にも効くとか笑えるさ。あのお方と娘には感謝しないとな」


「あの変態天使グリュムにですか……? もう呆れて言葉がでません……」


「なぜ知っている!? それより、お前たちは何者さ!? 陛下の不良品と欠陥品いるところがおかしいさ!?」


 キャンメラはこの状況になってもまだ把握してはいなかった。


「フフフフフ……、それはお応えすることはできません……。ババアは口が軽くて話が噛み合わせできませんので……」


「その口、裂けても言えないようにしてやるさ。いいさ、お前は下僕の玩具になってもらうわさ!」


 キャンメロは手を上げて合図をし、タントルトはメアに鉄球を投げつける。

 メアは【武器創造・闇】で(ダーク)を付与した星球武器(モーニングスター)を創り、軽々と投げて鉄球をぶつける。


 そして鉄球は勢いよくタントルトに跳ね返り――。


「――――ゴボォ!?」


「タントルト!?」


 顔面にぶつかって首がもげてしまった。

 しかし、邪石が輝いて、もげた首が元通りなってしまう。


「キサマ……許さねぇ!? キサマは俺の奴隷にしてやる!」


 タントルトは怒りを顕にし、下に飛び降りてメアに向かう。

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