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83話 近所ができるらしい


 あれから3日経過した。


 相変わらずアイシスとフランカは作業で忙しいままである。


 俺は2人にケアをする程度ではないが、好みの料理を提供をした。

 アイシスにはおやつとしてパンケーキ、ドーナツ、シュークリームとか出した。


「癒されます……」


 これで、多少は息抜きはできたと思う。


 フランカには昼食に激辛カレー、ペペロンチーノ、チリコンカンなど作った。


「美味しいぜ! これだと酒が欲しくなるぜ!」


 それは夜にしてください……。

 けど、酒を飲まずに徹夜で作業していた。

 夜食として牛丼を作り、そして調味料としてタバスコも作ってフランカの家のリビングに置いた。


 翌日のこと――。

 

「ダンナ! 牛丼にタバスコとか最高の組み合わせで美味しいぜ! できれば夜食を作る時はまた同じのを頼む!」


 高評価でした……まあ、気に入ったのならこちらとしても作った甲斐がある。


 しかし……精霊は俺が辛いのを作っていると少しドン引きをしていた……。


「残念変態エルフの味……」


 もう辛い物はそれしか例えがない……。

 そろそろ訂正させた方がいいかな……。


 昼頃のんびりとしていたら近くから魔力反応が出た。

 こっちには来ていない。少し離れた距離で数名が何か様子を見ている感じだ。

 ここら辺に来るなんて珍しい――気になるな。

 屋敷を出てそこに向かうと――セバスチャンとアリシャ、ガルク、ミルチェ、アミナだった。


「レイじゃないか! セバスチャンから聞いたよ。あそこの屋敷に住んでいるとかすごいじゃない!」


「まあ、たまたま運が良く手に入っただけだから……ところで、ここで何をしているんだ?」


 なぜかセバスチャンのメガネが光ったような気がする……。

 この場合、何か企んでいるしか考えられない……。


「私が説明します。ここに借家を建てようかと思いまして、アリシャ様たちと相談に参りました」


「借家? じゃあこの4人はここに住むってことか?」


「その通りでございます。ぼっちゃまが近くで住んでいますので知り合いが近所でしたらなんにも迷惑をかけないかと思いまして」


 なんとなくわかったぞ……ここは不便で誰も土地とか買ってくれない。

 その代わり、ここに借家作ればある程度は人を呼ぶことができる。

 しかも、俺が住んでいるから変な奴は呼べない代わりに知り合いを厳選して住ませることにより、ある程度利益が発生させる魂胆なのか……。

 もし、そうだとしたら本当の策士だな……。

 けど、さすがに1組では利益が起きないから確認してみるか。


「なるほど、まさかほかにも建てる予定なのか?」


「その通りでございます。ですがアリシャ様たちがここに住んで評価がよろしければの話になりますが」


 あっ……やるみたいでした……。

 まあ、すぐには人が呼べないだろうからこの4人がお試しに住んで感想がほしいってことか。

 無駄がありませんな……。


「しかし……ここに住むとか不便じゃないのか?」


「そんなことはないよ。静かでゆったりとした借家をお願いしたけど、どこにもないから作ってくれるとか言ってくれるから大歓迎よ。冒険者でこんな待遇有り得ないからね。それにここはすごく落ち着くから気に入ったわ」


 個人的に気に入ったのなら何も言うことはないか……。


「そうなのか。まあ、ずっと宿屋で泊まっていると金もかかるよな」


「そうなのよ! ほかにもいろいろと出費が激しいから大変だよ! 特に武具の整備がね! たまには依頼受けないで休みがほしい!」


 そう言うと、ほかの3人は頷いた。

 冒険者は稼ぎがいいが武具のメンテナンスで費用も必要だしな。

 特にアリシャとガルクは大変だ。

 

「全くその通りだぜ!  特にアリシャが――」


「はぁ!? アンタが多い決まっているでしょ! そうでしょ、ミルチェ!」


「どっちもどっちだよ……お金の管理する身にもなってよ……」


 まさかミルチェがお金を管理しているのか。

 確かにこの中で、1番しっかりはしているな。


「それならフランカに頼めばいいじゃない? 賢者から鍛冶を教わったなら武具の整備も簡単にやってくれるから安く仕上がると思うよ」


「「「それだ!」」」


 アミナさん……それは全く関係ないと思います……。


「なぁレイ、フランカにお願いできないか? 頼むよ~」

「俺も頼むぜ! 賢者に教わったなら、なんとかなるよな?」

「僕からもお願い!」

「私も! 経費削減して豪華な料理が食べたい!」


 困ったもんだ……今フランカは忙しいし断るか――。


『今さっきフランカに聞いたら頼まれたの全部終わったらいいみたいだよ! あとはね――酒を忘れずにだって!』


 いいのかよ!?

 本人がいいのならいいか……。


「わかったよ……けど、今忙しいからそのあとでな、金ではなく美味しい酒を持ってきてくれ、それならフランカは引き受けるぞ」


「やった、ありがと! これでのんびり生活が送れる!」

「さすがだな! 賢者の弟子は本当にいいヤツだな!」

「助かるよ! お酒を渡せばいいのだね。僕はお酒にうるさいからいいの持ってくるよ」

「やった~! 依頼の日々が終わる!」


 気が早い……それは借家に住んでから言ってほしい……。


「そういえば家ってどのくらいでできるのだ?」


「準備ができておりますので3ヶ月以内には建てられると思います」


 さすがセバスチャン……もう計画済みだったのか……。


「ということで、近所に住むからよろしくね!」


「ああ、こちらこそよろしく」


 4人はセバスチャンの商談を終え去っていった。

 あのパーティーがここに住むと大変賑やかになりますな。

 

 ――夕食時。


 アイシスと精霊と食堂で食べていたらバタバタとフランカが駆けつけて来た――。


「やっと終わったぜ~酒を頼むわ!」


「わかりました」


 アイシスは果実酒(赤ワイン)をコップに入れてフランカに渡し、ゆっくりと味わうかのように飲んだ。


「美味しいぜ! このために人化した甲斐があるぜ!」


 少し大袈裟な気もします……。


「じゃあ、ミランドさんのは終わったのか?」


「ああ、それだが雷の魔石を付ければ完成だぜ! だから明日依頼を見て決めたいのだが、すまないがダンナ運ぶの手伝ってくれないか?」


「いいよ。じゃあ明日は早く起きるか」


「いつも助かるぜ! 今日は酒がいっぱい飲めそうだ!」


 そこは控えるべきだろう!?

 まあ、フランカだから大丈夫だと思うけど……。


「では、私もキリがいいところで終わったので行きます」


「私も行く!」


 みんなで討伐に行くのは初めてだな。

 けど、またフランカが早く仕留めそうな気もする……。


 

 ――――◇―◇―◇――――



 ――翌日。


 朝早く起きてギルドの依頼のボードを見ている。


「お、ちょうどいいのがあったぜ! これでいいか?」


 えっと……サンダーバードの依頼か――それに複数討伐?

 じゃあ結構いるってことか……。

 多ければこちらの手間も省ける。


「いいよ」


「やったぜ! それじゃあ受付してくるわ!」


 フランカは受付を済ませて――北東50㎞以上離れた小山のBランクサンダーバードを討伐に行く。   

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― 新着の感想 ―
[一言] あれ?フランカとこの4人面識あったっけ……?セバスチャンやら何やらから色々聞いてて知ってたとか?
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