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843話 勇者との約束⑨


 メアとライカは軍を装った一般人らしき者を数百を倒していく。


 そして急に向かってくる者はいなくなり、静かになった。

 何かあると思い、2人はエミカたちと合流をして警戒する。


「この役立たずが! キャンメラ様の番犬にもならない不良品どもめ!」


 大きく出っ張った地面の上で怒鳴ってくるのは、鎖をつながった鉄球を持ったほかの奴より品質の良い鎧着て、背中に邪石付けた紫髪のオールバックで、40代後半くらいの大柄な男だ。

 数百くらいの大盾を持っている者が前に出て防御態勢になり、次々と後ろから大勢の者がやってくる。


 大柄の奴の後ろにやってくるのは、王座の輿に運ばれて座っている白いドレスを着た江上芽郁の身体を乗っ取ったキャンメラ・へラルと、長い鎖付きの首輪を付けられて魂が抜けたかのようについていく3人――東山輝、和田聖也、中尾陽翔である。


「「「メイちゃん!?」」」


 エミカたちは来たこと驚いて声を出すが、キャンメラは鼻で笑って見下すだけ。


「メイちゃん、なんでこんなことしているの!?」


「メイちゃん、もうやめて!」

「メイちゃん、元に戻って!」

「メイちゃん、私の話を聞いて!」


 エミカたちは身体が乗っ取られいるのはわかっているが、それでも声を出して言ってしまう。


「メイちゃん……。メアさん、私のクラスメイトを助けてください……」


「フフフ……もちろんです……」


 ヨイカだけは感情を出さずに冷静だった。ほかはメイだけを心配していたが、ヨイカは捕まっている3人の心配もする。


「けっ、なんで陛下の不良品と欠陥品の勇者がいるのさ。嫌ったらありゃしない。お前たちやっておしまい」


「「「――キャンメラ様のために――」」」


 キャンメラが合図を出すと、軍たちは前進する。


「どうするメア? 今度は本当の帝国軍が向かってくるぞ? こんな数、1人で大丈夫なのか?」


「フフフフフ……問題ありませんこと……。ライカは後ろで護衛でもしてください……」


 ライカは心配して声をかけるが、メアは楽しそうだった。

 嫌な予感しつつ、止めることしなかった。


 メアは闇と水の【混合魔法】を使う――。



「――――ナイトメアミスト……」



 黒い霧を発生させ悪夢を見させようとする。

 帝国軍は躊躇いもなく黒い霧に入っていく。


 その瞬間、メアは笑いが止まらなく滑稽に見えた。

 しかし、止まることなく前進して効いていなかった。


「おかしいですね……。ザァコが死にたくなるほどの強力な魔法ですのに……」


 メアはあり得ないことが起きて首を傾げた。


「なにしている!? 相手は【奴隷契約】で強制的に動いているかもしれんぞ!? 精神攻撃は効かないと思ったほうがいいぞ!」


「チィ……、今度こそ楽しい宴――開幕式で盛り上げようとしましたが……不発で終わるなんて残念ですこと……」


 メアは舌打ちをして自分の計画がうまく進むことなくって不満だった。

 もう投げやりなったのか予定にしていない闇と風の【混合魔法】を使う――。



「――――ダークネスゲイル……」



「「「――――ギャァァァア!?」」」



 メアの周囲には無数の漆黒の羽が出現し、疾風の速さで前進している者に直撃し、視界は漆黒の羽に包まれて見えなくなった。

 中では漆黒の羽に引き裂かれ、鎧をいとも簡単に丸裸にされる。

 身体――邪石を破壊され灰になっていく。

 

 暗闇――漆黒の羽が消えると前進した者は跡形もなく消えて全滅した。


 それを見たキャンメラは真っ青になる。

 相手してはいけない者に当たってしまったと。

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