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806話 女神の責任


 話が終わり、今度こそソシアさんとシャルさん――親子水入らずになり、俺は部屋から出る。


 廊下を通り、かなりの本――本棚がぎっしりと詰まっていリビングのソファで3人はくつろいでいた。


「やっと話が終わったか〜。またバーミシャルに何か言われた〜?」


 エフィナはニヤニヤしながら聞くが、隣にいるティーナさんは顔を膨らませて拗ねている。


「少しだけな。その後はソシアさんから真面目な話をした」


「真面目ねー。グリュムの話だとは思うけど、どこまで言った?」


「だいたいのことは言っていた。最後にアンバーを守ってほしいと」


「あー、そこまで言っちゃったかー。完全にレイに頼んだ感じだー」


「大丈夫……、魔王――アンバーは強い……アタシが保証する……。レイは領地でゆっくり休んで……」


 シャーロがムスッとした顔で言う。


「ですが――」


「大丈夫……」


 なぜ頑なに拒む……? 大丈夫ではないのに……。


「レイ、ここはシャーロの言うことを聞いて。本当に大丈夫だから心配する必要はないよ」


「わかった……。シャーロさんの言う通りにするよ……」


「うん……、そうして……」


「それがいいよ! じゃあ、ボクとレイは戻るね! じゃあねまたね!」


 エフィナに流されて俺たちは戻る――。


 ――神社に戻ったが、急にどうした?


 エフィナに念話で聞くとするか。


『なぁ、シャーロさんはどうして意地を張っているんだ?』


『う〜ん、ボクにもわかんない。でも、レイを巻き込みたくないのはわかるよ』


『本当にそれだけなのか? もっと違う理由があるはずだが……』


『レイちゃん、お取り込み中かなー?』


 シャルさんが声が聞こえた。まだ何かあるのか……?


『エフィナと相談していまして……』


『相談? 私も混ぜて――エフィナちゃん、レイちゃんと何を話しているのー?』


『急にバーミシャルが介入するとは。まあ、いいや、実はね――』


 エフィナは事情を話した。


『そういうことかー。シャーロちゃんは責任を感じていると思うよー。だからレイちゃんを頼らないと思うのー』


『責任かー。別にシャーロが責任を取らなくてもいいとは思うけど』


『あの頃――グリュムが悪い子として牢屋に入れたときからシャーロちゃんは責任を感じていると思うよ。力を奪っても脱走されてエフィナちゃんの世界で大暴れしていたこと。そして、グリュムがまだ生きているのがわかったとき、あまり表情を出さないけどすごく怒っていると思うよ。』


『シャーロらしいっていえばシャーロらしいけど、仮にシャーロがアンバーを強化させてグリュムを倒せるかと言えば厳しいよ」


『そこはシャーロちゃんだから何か考えていると思うよ。でも、アンバーちゃんの行動を見ていたほうがいいよ』


『もちろん、先走ってグリュムを戦わせるわけにはいかないからね! いつも通りアンバーの様子を見ているから大丈夫だよ!』


 今のアンバーだったらやりかねない。エフィナが常に見ているからまだいいか。


『そ・れ・と・エフィナちゃんも無理しちゃいけないよー。無理したらまたみんなが悲しむからねー』


『わかっているよ! ボクはこれから会議参加するから失礼するよ!』


 エフィナは慌てて念話を遮断した。

 エフィナもわかりやすいな。


『エフィナちゃんたら、わかっているのかな?』


『無理をしたら俺が止めますので安心して見守ってください』


『ごめんね。いろいろと大変なことさせてー。終わったらしっかりお礼をさせてねー』


 そのお礼って絶対にソシアさん絡みだろうな……。


『はい……期待してます……』


『期待してねー。それで、天界でいい忘れたことがあるんでけどー、カイセイが最近また暴走している件なんだけど――』


 ソシアさんのことで一時期忘れていたのだろう……。

 シャーロさんはゆっくりしてと言ったが、俺は俺で違うので忙しくなりそうです……。


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