798話 似ている人物
ん? キャスリーが中将に似ている? でもベネッタの話では両親を亡くしている聞いているが。
「似ているだけで思い違いということはないのか?」
「そう思いましたが、間違えるわけがありません。キャンメラは若いときは周りが振り返るほどの美人でした。ですが老化の進行が著しく、美人だったのが嘘のようでした」
ムロナクがここまで言うのなら本当の可能性もあるか。
けど、中将と関係があっても悪さするような人ではない。
魔力は嘘はつかない。それだけは言える。そうなるとロベントスも関係がある。
「情報が足りない。ベネッタかタッツに聞かないとわからない。くれぐれも変なことはするなよ。見張りくらいにしろよ」
「もちろんです。ですが……」
ムロナクは急に沈黙し、考える。まだ気がかりなことがあるのか?
「まだ何かあるのか?」
「いえ、サーシャと同じ良い尻をしているので、触りたくなりそうです」
そっちかよ……。ただ自分の欲を抑えられるかの問題だった……。
「我慢しろよ……」
「では、王都にいるフレリット様の挨拶がてらサーシャの尻を触りに行きます。手配のほうお願いします」」
「わかった……。ちょうど報告しないといけないし、俺が送るぞ。明日まで我慢できるか?」
「ありがとうございます。では明日よろしくお願いします」
グリュムのことを話さないといけなくなったし、このあとに戦争するのはマズいかもしれない。
アンバーはどう判断するか鍵を握る。
ただ、待たせているから、暴走もしそうだが……。
「ヒロヤ、ヨイカ!」
ヨシマツたちが駆け寄り、男性陣は安堵し、女性陣は涙を流してヨイカに抱きついたりした。
あとのことはヨシマツたちに任せればいいか。
そしてリフィリアたちも大勢の子どもたちと成人のなりたてのメイドや執事を数名を連れて戻ってきた。
子どもたちは急にわからないところに連れてこられてオドオドしている。
「お父様、お母様 お姉様!」
白いゴスロリを着たピンク色の長髪の10代前半の子がオーストロ家族に気づくと、みんな駆け寄って涙を流して抱きつく。
「心配はかけてすまなかった……」
特に父――フェニッツが大号泣だった。
まあ、捕まったらもう二度と会えないと思っていただろうな。
「ただいま、マスター」
「おかえり。結局、不審者に動きはあったか?」
「特になかったよ。ただノワッチェがやる気だったけど」
「オリハルコン一式でテンション上がっているなら仕方ない……。まあ、我慢してくれたのはいいことだ」
「それはいいけど、別に問題が……、ロードがすごいことになっているの……」
「私がどうかしたの?」
ロードは首を傾げるが、鎧が前より光沢が増して膨大な魔力を持っていた。
強化したのに無自覚ですか……。
「それはあとで話す。ちょっと疲れたから少し休んだ……あ…とに……」
「マスター!?」
今日に身体が重くなり、睡魔が襲う。
さすがに身体は悲鳴を上げているようだ――。




