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790話 少佐の暴走③


 うまく魔剣を出すことができた。

 エフィナを出すのに、ほかの魔剣とすぐに出すことができない。

 比べものならないほどチート能力があるから仕方がないことだ。


 みんなが時間を稼いだおかげで余裕で出すことができた。


 俺は飛び降りて分裂したイングルプに向かい――。



「――――絶創!」



「「――――ギャァァァ!? いダい、イだイ、いだイ!?」」


 2体の片足を切断し、あまりの痛さに鎖から離れようともがき苦しむ。

 効果覿面だな。魔剣の力で痛みを()()させた。

 【断罪】の痛みが効かなくなったとはいえ、創造には逃れられないようだ。


 さすがこの世を創った創造神(エフィナ)だけのことだけはある。


 そして切断した箇所は再生されなくなった。

 全体的に効くとわかればこのまま終わりにしてやる――。



「――――創刃乱華!」



「――――ギャァァァ!?」



 俺は片方のイングルプを身体を深く切り続け、抵抗しなくなった。

 これでお陀仏になった。あとはもう片方だ――。


「や、ヤめロ……おレサまはシにタクない……。たスケてくれ……」


 片方が倒されたのがわかると、急におとなしくなって命乞いをする。

 言っても無駄だ。これまでしてきたことに情はかけない。


 俺は魔力を込め――。



「――――創刃――」


「――――タスけテくレ、グリュムさマ!」


 切り込もうとした瞬間、頭上からドス黒い反応がする。

 身体が重くなり、体制が崩れて切ることができなくなった。


 重い……だが……前回よりは大丈夫だ……。だが周りのみんな膝をついて耐えていた。

 上を見上げると黒い翼の堕天使――グリュムが飛んでいた。

 いいタイミングで来たな……。


「グリュムさマ! おレさマをタスけテくレ!」


 すると、黒い靄を纏った手をイングルプに向けて結晶の鎖が黒い靄に侵食されてボロボロと脆くなり外された。

 さすがにグリュムの圧に耐えきれながら魔法を維持するのは厳しいか。


「ウウ……タ……タすカッた……」


 イングルプは床に涙を流して倒れ込んだ。

 だが、助けただけでは意味がない。

 前回とは違う、俺は魔剣の力でグリュムの背後に転移した。


 隙がありすぎだ――。


「――――刹那!」


 首を切り落とそうとした瞬間、俺に振り向き――黒い靄を纏った手で軽々受け止めろられる……。

 うそだろ……創造の力で絶対に切れるように創造したんだぞ……。

 それに……【魔力解放】【浄化】【断罪】光魔法――ピュリフィケーション・サンクチュアリも発動しているんだぞ……。


「人間風情が、私に触れることは許されない」


 低い声で掴んだ魔剣ごと俺を床に投げ飛ばした。

 俺は体制を整えて無事に着地するが、床が砕け散って穴が空いてしまう。


 魔力で身体をコーティングしたから痛みは微々たるものだが、重い……。

 足が鉛のように重い……。ちくしょう……すぐに動くことができない……。


「なぜキサマがその剣を使っている?」


「言うわけないだろ……。それともあれか? エフィナが気になって気になって仕方ないのか?」


「黙れ」


 挑発行動をしたら周りに黒い靄が発生して俺を包もうとする。

 すかさず、魔剣をひと振して消した。


「もう終わりか? エフィナが言っていた通り臆病者だな」


「偉ぶるのも大概にしろ。キサマに時間を割くのは無駄だ。やれ――」


 グリュムは手から黒い靄を出して2体のイングルプを包んで、すぐに逃げ出した。


 チィ……逃げるのは早いな……。


 圧がなくなりみんなは立つことができた。

 それよりも――。


「ガハハハハハ! オレサマ復活ダ!」


 分裂したイングルプは一つとなり、さっきよりも黒い靄を纏っていた。

 また面倒なことになったな。

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