789話 少佐の暴走②
イングルプはよだれを垂らしてメアを見る。
「「モッどくレ!」」
欲したのか分裂したイングルプは止まることなく、もう壁を登ってもう目の前に。
マズいな、サリチーヌたちに巻き込んでしまう―――。
「――――アブソリュート・クリスタル!」
ルチルは結晶魔法を使い、分裂したイングルプを全身を結晶化させた。
事前に発動の準備していたか。このタイミングはナイスだ。
「ご主人、アタシの魔法でも持ちこたえなくなりそう! 早くみんなをまとめて!」
ルチルでも厳しいか。
結晶化させたイングルプにヒビが割れている。
早く指示しないと――。
「ああ。メア、捕まっている人を救出してくれ! ファントムとトリニッチさんとサムワたちも一緒に頼む! カイセイ、よくやった。予定通りメアたちと一緒に行ってこい! ハーティを救出しろ! ほかはメアの指示に従って行動をしてくれ!」
「わかりました……。おチビ……ワタクシたちがここを去るまで踏ん張って時間稼ぎするのですこと……」
「了解した」
「わかったわ〜。みんな救出するわよ〜」
「レイさん、よろしくお願いします」
メアたちはここから離れてセイクリッドとファントムは武器を構えて準備をするが――。
「コトハとナノミも早く行ってくれ」
「私たちも残ります! 援護ぐらいはできます!」
「ルチルちゃんの保護者として約束は守りますよ」
そこは約束を守らなくてもいいのに……。
でも、援護できるのは確かだ。
「わかった。だが、危なかったらゲートを使って強制退去させるぞ」
2人は頷いて返した。
「ご主人! もう限界!」
その言葉で覆った結晶が砕かれてイングルプが出てきた。
「十分だ。あとは任せてくれ――――フリアティク・エクスプロージョン!」
「「――――グアァァァ!?」」
俺は炎と水の【混合魔法】を発動させ――分裂したイングルプの身体に触れ、水蒸気爆発をさせ2体ともふっ飛ばした。
「「グヘヘヘ……キいいイイ……」」
身体は穴が空いて貫通したが、すぐに再生し、よだれを垂らしてご満悦だ。
だがそれでいい――。
「ハハハハハ! これならどうだ――――斬滅連覇晶!」
「やっとオレの出番か――――槍滅連覇晶!」
セイクリッドとモリオンは素早く大剣と槍で切り刻む。
深手を負わせた箇所から結晶化した。
「「モッどダ……モッど……」」
変わらず、身体が再生して結晶が剥がれて元通りになる。
それでも再生に時間がかかっていた。
やはり【再生】には限度はあるようだ。
「――――サンダーブラスト!」
「――――アイスブラスト!」
コトハとナノミは雷と氷魔法――雷撃と氷の大粒が直撃し 傷を負うがすぐに再生してしまう。イングルプ相手になると威力が足りないか。
だが足止めには十分だ――。
「――――クリスタルチェーン!」
ルチルは無数の結晶の鎖を地面からイングルプの周り――四方八方出して逃げられないようしっかり拘束させる。
「「は、ハナせ!?」」
2体は抵抗しようとするが身動きがとることができなかった。
無駄だ、隅々まで鎖で拘束した。暴れてもただ体力が消耗するだけだ。
これで準備ができた――俺は創造の魔剣を出す。




