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781話 世は情け①


「じゃあ、2人は俺が雇うと行ったら来るか?」


「急だな大将は、けど、俺からしたら悪くない話だがそこまで強くないぞ」

「そうだぞ。傭兵として戦力にはならないぞ」


「俺の領地の門番か周囲の見張りをしてほしい。数が足りてなくて困っている。それで雇いたい」


「なんと!? 今までと同じ仕事じゃないか!? だったら大将のとこに行く!」

「俺たちを……、これでやっと報われる……。ん? おかしいぞ……大将……領地って言わなかったか……?」


 デフィーは口を開けて気づいたようだ。その様子を見てジャントも察したようだ。


「ああ、そうだ。俺は領主だからな」


「「なんだって!?」」


 2人は無礼を働いたと思い膝をついた。


「別に今まで通りでいいぞ。いまさらやっても困る……」


「そうなのか……。でも身分は……」


「フフフフフフ……子爵様でございます……」


「「子爵様だと!?」」


 メア……余計なことを言うのではありません……。


「だから今まで通りでいいって……。身分を隠してここに来ているからな……」


「わかった……。身分を隠してまで来ると言うことは……。勇者……まさか反乱するのか!?」

「なるほど、だから勇者を手に入れて反乱するのか」


 違う解釈をしている……。


「悪いが、反乱目的ではないぞ……。そんな身分を隠してまでここに来るやつのとこで仕事はできるか?」


「いや、軍から離れられるなら俺は大将についていく」

「俺もだ。どこに行こうが大将なら信用できる」


 意外にも受け入れてくれた。まあ、トリニッチさんがよくしてくれたおかげかもしれない。引き抜きは成功した。


「フフフフフフ……交渉成立ですね……。では、お祝い金としてあげます……」


「「だ、大金貨!?」」


 メアは2人に大金貨を各1枚あげる。ここまでするとは……絶対に逆らえないな……。


「これでおふたりは採用されました……。では、ここから他言無用お願いします……」


 2人は何度も首を振って頷いた。


「ベネッタもう監視する奴はいなくなった、よかったな」


「ありがとう大将……けど、ここまでするのは恐ろしいよ……。あなた……領主様だったのね……」


 安心するどころか不安になっているのですが……。

 いろいろと教えてないから無理もないか。


「なるほど、べネッタを大将の領地に匿うために俺たちを大将側に入れたかったということか?」


「そうだ。まあ、お前たちの人柄を重視して採用したのは本当だ」


「なんだ、それを早く言ってくれないか? そうすれば監視のふりをしていたぞ」


「いろいろと見極めていたからすぐには判断できないぞ。これで邪魔するものはいなくなった。今度はロベントスとキャスリーに相談がある」


「相談……? いろいろと話しが決まって何がなんだか……?」


「俺たちの領地に来ないか? クーランドから絶対に見つからない場所と保証する。ベネッタも連れて行かれる前に俺たちの領地で住むことになっている」


「えっ……、ベネッタも……。どういうことだベネッタ……?」


「そうよ、ラグナロク嬢の使用人として行くの。まさか大将が領主様なのは驚いたけど」


「じゃあ、奴隷を拒否して逃げるのか……?」


「そうよ、だからあなたたちも、一緒に行けば絶対安全よ」


「だから、平然といられていたのか……。大将、俺たちもいいのか……?」


「世は情けだ。一人二人来てもなんともない。だが、適任の仕事はしてもらうぞ」


「ありがとう……大将……。ぜひ俺と姉ちゃんを連れってくれ……」


 ロベントスは涙を流して深々と頭を下げた。

 これでクーランドから解放されるならお安い御用だ。


「あの……、本当にいいんでしょうか……? 深く関係のない私まで連れてくださるなんて……」


「だから世は情けだ。これもロベントスとベネッタのおかげだと思ってくれ」


「わかりました……。では――私たちをどうかよろしくお願いします。領主様」


 キャスリーも深々と頭を下げて、ベネッタも続いてする。


「任された以上、責任を持って面倒を見る。絶対に不自由ない生活は約束する」


 これでロベントスの件は解消された。まあ、最終的にはそうなるとは予想していたけど。


「「よかったな……」」


 ジャントとデフィーは自分かのようにボロボロと涙を流しています……。

 やはりこの2人は純粋だから憎めないんだよなー。


「みんなして行くのか。だったら僕も行きたい!」


 約1名――タッツ忘れていました……。

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