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779話 最悪が重なる


 ロベントスは顔はアザだらけで、全身傷を負ってボロボロの状態だった。

 倒れそうになると、ジャントとデフィーが身体を支える。


「ゼロ大将、ポーションでロベントスに飲ましてくれないか!?」


「これくらいなら魔法で治したほうが早い――――ハイヒール!」


 俺は回復魔法を使いロベントスを完治させた。


「助かった……。ゼロ大将……こんな高度の魔法が使えるのか……」


「そんなのはどうでもいい。いったい何があった?」


「急に見知らぬ集団が俺の金を無理やり強奪したんだ……。それでやられて……」


 あれだけの大金を持っていれば目をつけられてもおかしくはない。

 だが、どうもきな臭い。裏がありそうだ。


「そうか、それで俺たちを頼って奪った連中を捜してほしいのか?」


「それよりも違うお願いをしたい……、姉ちゃん……姉ちゃんがまた体調が悪化したんだ……。頼む……またポーションを……」


 普通の病なら完治するはずだ。こっちもだいぶ怪しい。


「俺が見て判断したほうが良さそうだ。キャスリーのとこに案内してくれないか?」


「わかった……。大将こっちだ――」


「ちょっと待ちなさい! そんなに危険な状態なら私も行くわ!」


 さすがにベネッタは心配で行きたくなるよな。


「ベネッタ、監視されているのに外は出歩けないだろ……」


「なら、俺たちが一緒に行けば問題ない」

「今回は特別だ。許可しよう」


 いいのかよ。これがバレたら上にかなり怒られるが、2人がいいなら別にいいか。


「ありがとう、2人とも。さあ、早く連れてって」


「フフフ……ワタクシも行きましょう……」


 メアも一緒に同行し、ロベントスの後をついていく――。


 住宅街を離れて、古い建物が目立つところに入り、あまり人がいない場所だ。

 このままだと商都――シーハンズと同じになりそうだ。

 そして奥に進み、小さな平屋に足を止める。


「おいおい、ここって……評判の悪い治療士のとこじゃないか……」

「ロベントス、なんでこんなとこで見てもらっているんだ?」


 監視2人はあまり良い印象ではない。


「やっぱりタッツさんのところに見てもらっているのね。かなり偏見があるようだけど、私はほかより適切に判断してくれると思うわ。キャスリーは昔からお世話になっているし安心よ」


 ベネッタが知っている人か。確かロベントスが知り合いが見ているって言っていたのはそういうことか。それなら安心して任せられる。


 それはいいとして……、キャスリーが治らないことがわかってしまった……。


「ゼロ様……、厄介なことになりましたね……」


 当然、メアはわかっていた。嫌と言うほど見ている……。


「タッツさん、俺だ開けてくれないか? ポーションを渡してくれた人を連れてきた」


 ロベントスが大声で扉をノックすると、勢いよく扉を開けて――。


「ロベントス、その人は誰だ!?」


「こちらの人だけど……」


「おお、君か!? こんなすごいポーションを持っているなんて、初めてだ! ロベントスからは聞いている! どうやって作られているんだ? 教えくれないか?」


 茶髪のロン毛で30代後半くらいの白衣姿の長身男が出てきて興奮して俺に近寄る。


「そんな場合じゃないでしょ!? タッツさん、キャスリーに早く会わせなさい!」


「つい興奮してすまなかった。だが、今判明したが、キャスリーがポーション系の薬でも治すことできない……」


「そうだろうな。早く案内をしてくれ。俺が絶対に治す」


「できるのか!? あの黒く包みこんでいる得体のしれないものを!?」


「そうだ。だから案内してくれ」


「ああ、こっちだ――」


 タッツは俺たちを個室に案内をすると――ベッドには水色髪のロングで白い肌美人の女性が寝ている。そして、身体には黒いモヤで侵食されていた。

 やはりな……、禁忌にやられていたか……。 

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