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768話 第一試合


 当然だが、カイセイ賭けた客は「金返せ」「無効」「反則」など、ほかに罵声が飛んで荒れている。


「み、皆様、落ち着いてください! この件に関してはラグナロク様から承諾されているます! 責任はラグナロク様言ってください!」


 責任転嫁とは最低なことをしてくれるな。

 しかし、客には通用せず司会に怒号が飛ばされる。


 責任転嫁するのには無理がある。


 想定できなかったことにサリチーヌ、メリアル、ロベントスは口を開けて硬直するしかなかった。


「最強と言いながら、集団でゴンザレスを追い込もうとするなんてザぁ〜コのやることですこと……」


 いや、クーランドの命令だから関係ないと思うが。

 けど、金のためならプライドを捨てる集団なのはわかる。


「な、なんで冷静でいられるのですの!? この愚か者、卑怯ですわ! やっていることが不公平ではありませんの!?」


 我に返ったサリチーヌは大声でクーランドに向けて言うが、ニヤリと笑っていた。

 何を言っても無駄だろうな。そういうクズということには変わりない。


「いくらゴンザレスさんが強いからと言っても、どう見ても不利だ……」


「普通の人から見たら不利だな」


「ゼロ大将もなんで冷静に……? 勝算はあるのか……?」


「あるに決まっているだろ。逆に聞くけど、最強の傭兵集団は何が最強なんだ?」


「何がって……、狙った獲物は確実に逃さない集団だ! 連携での攻撃は凄まじいぞ!」


「なんだそれだけか。メアが言っていることと同じだな」


「100人もいれば話が違う!? ああ……、もうおしまいだ……」


「まだ始まってないのに絶望するな。まあ、よく見な――」


 周りが荒れているなか邪魔だったのか、スッタフは急いで床の強度を上げる魔道具を回収して進行し、司会は「始め!」といい隅に急いで移動して、強制的に試合が開始した。


「悪いが、恨むなよ――やれ」


「「「へい!」」」


 サムワが指示をすると、勢いよく集団はカイセイに向かう。


「ダメだ、もう先手を取られた!?」


「あれが先手なのか? 言うほど遅いな」


「え?」


 俺の発言でロベントスは困惑している間もなく、カイセイの手には光魔法の発動準備をしていた。


「聖なる光よ、悪しき者に成敗よ――セイントフラッシュ!」


 カイセイは光の球体を集団に投げつけ、真っ白な光で闘技場全域を真っ白にする。


「「「み、見えね!?」」」


 あまりの眩しさに集団は足を止めた。

 目潰しで怯むなんて大した奴らではない。


 カイセイが詠唱するほど余裕である。



「――――光波神剣!」


「「「――――ブエェェェェ!?」」」


 剣を光で覆い大きくさせ、集団を薙ぎ払い――全員は吹き飛んで壁に当たる。


 あまりの痛さに傭兵たちは身動き取れないで立ち上がることができなく終わる。


 だが、まだ終わったわけではない。


「危ない!」


 魔法が消えて視界がわかるようなったロベントスが声をあげると、カイセイの頭上にはサムワが――。


「魔法は驚いたが、もう遅い! 終わりだ――――鋭刃剣!」


 カイセイの頭――兜をファルシオンで叩き切るが、ミスリルの兜が余りにも硬いのか刃は耐えきれず粉々に砕け散ってしまう。

 ワザと当たりにいったな。

 だが、さすがフランカの作った防具だ。申し分ないほどの耐久性だ。


「俺に何かしたか?」


「ひぃ!? 化け物!?」


「その化け物やれるんだな――――割衝剣!」


「――――グブェ!?」


 カイセイは刃を立てずに樋に向きを変えて剣を振るい、サムワの頭を叩く。


 サムワは床に倒れて舌を出して白目になり、戦闘不能だ。


「ぼさっと観てないで早く言え」


「しょ、勝者ゴンザレス!」


 司会は何が起きたのか混乱状態だったが、カイセイに言葉でようやくわかり、カイセイの勝ちが決まった。

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