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75話 素材集め①


 ――目的地に着いた。

 周りは湿地帯で足場が悪い箇所がある。

 油断はできない。


 魔力反応が多い……これだとすぐ見つけられる。


「まず最初に――おっ、いるな、遠目だが牛みたいのが見える。 ダンナそいつからやろうぜ!」


「わかった。気をつけて行くぞ」


 泥濘(ぬかるみ)を進み――近づくにつれ、剛毛で大きい角がついているデカい牛が寝転びながら泥遊びをしていた。

 キングバッファローで間違いないな。

 今回は素材優先だから極力傷をつけないようにしないといけない。

 足場も悪いから氷魔法で倒すか。


「コイツはアタイに任せな! 危なかったらよろしく!」


「えっ……ああ、頼んだよ」


 フランカは前衛をしてくれるようだ。

 俺と精霊は援護役に決まった。


 フランカは敵から300mくらいの距離で止まった。

 ここから仕掛けるのか。


「遊んでるところ悪いが早く終わらせて帰りたいんでね! ――――アースランス!」


 フランカは地魔法を使い岩の槍をキングバッファローに放ち――尻に部刺さる。


「モオオオォォォ――――!」


 あまりの痛さに周りに声が響き――飛び跳ねた。

 こちらに気づいて突進してくる――。


「モオオオォォォ――――!」

 

 さて、俺も魔法を使おうとすると――。


「大丈夫だからさ。まあ、2人は見ていてくれ」


 いいのかよ……。

 じゃあ、フランカの実力を見ますか。


 再び魔法を使う――。

 

「――――アースウォール!」


 岩の壁を創り――キングバッファローは思いっきりぶつかり、怯んだ。


「モオォ……」


 あっ……このパターン、キングボア(変態)と一緒だ。


 フランカは岩の壁を上り、壁上に辿り着く。

 そして【武器創造・炎】で炎を付与した金鎚(フレイムハンマー)を創り――そのまま飛び降り頭目掛けて振った。



「――――炎烈破!」


 

 周りに鈍い音が鳴り響き――頭に凹みができ、キングバッファローは倒れていった。

  

「こんなものか」 


 …………倒すの早いな!?

 本当にAランクの魔物だよな……。

 それに金の鎚か。

 もしかして……俺も【武器創造】でいつも通り剣を出した――金の剣(ゴールドソード)になっていました……。

 魔力量も増えたことでまたグレードアップしましたね……。


「ダンナ、収納頼むぜ」


「わかった……」


「さて、次行こうぜ!」 


 キングバッファローを無限収納にしまい次の魔物を見つける。


 ――10分くらいしたら凄い速さでこっちに向かって来る複数の魔物がいる。


「あっちから来るとはツイてるぜ!」


 Bランクのスピードアリゲーター7体だ。

 足場が悪いのによく猛スピードで走れますな……まあ、腕と足がその分太いのもあるか。

 全長は10mくらいと割とデカいな。


「ここは私に任せて!」


「おお、任せたぜ!」


 精霊は風魔法を使う――。

 【無詠唱】を覚えたから楽になったはず、それにしても少々長いがまさか――。


「――――サイクロン」

 

 ピンポイントにスピードアリゲーターの位置に暴風を巻き起こしていく――。

 いとも簡単にスピードアリゲーターは広範囲の暴風に飲まれ身動きが取れなくなった。


「風魔法上級を覚えたのか……」


「うん、これもマスターのおかげだよ!」


「ハハハ……そうか……」 


「派手にやっているな! 悪くはないぜ!」


 こんなに強くなっているとは予想外です……。

 魔法が終わるまで待機だな――。


 暴風も弱まり――スピードアリゲーターは水辺にバシャバシャと落ち、仰向けになり泡を吹いている。


「魔法を弱めにしといたから素材にも傷がついていないと思うよ」


 あれだけの威力で弱いのか……普通に強いのですけど……。


「どれどれ……本当に無傷だ。これは助かるぜ! あとは息の根を止めるだけだ――」


 フランカは炎を付与した金剣(フレイムソード)を出して首を刺して――仕留めた。


「順調、順調これなら早く終わりそうだな! あとはよろしく!」


 現地に来て、1時間経過していないぞ……もう2つも依頼が終わるとか……このメンツ恐ろしい……。


 魔物の強い魔力を辿ってさらに奥の方に進む――。


 途中でキラースネークとカラフルな色をしたカエル――Cランクのフルーツトードが争っていた。

 フルーツトードは果物を餌にしている変わった魔物で、キラースネーク同様に肉は美味しく人気がある。

 ここにいるってことは近場に果物が生えているのかな。

 

「おっ、いいのがいるじゃんか、コイツらは昼飯の食材にしようぜ!」


 フランカは2頭に近づき――炎の剣で切り裂いた――。


「――――炎刃・一閃!」


 2頭を同時に真っ二つし終わった。

 魔剣も使わないで瞬殺とかもうおかしいです……。

 ほかにも気になる点がある。

 

「そういえば、フランカは左手で剣を持っているが左利きなのか?」


「そうだぜ! それがどうしたんだ?」


「じゃあ、俺が炎の魔剣を使う時は左手の方がいいのか?」


「相性的にそうだな左手だと心地よいぜ!」


「じゃあ、右手はどうだ?」


「う~ん、可もなく不可もなくかな。右だとアタイが本領発揮できないかもしれない」


 そこはアイシスと一緒か。魔剣は利き手によって力が左右されるのか。

 なるほど、興味深い。


 キラースネークとフルーツトードを無限収納にしまい、奥に進む――。


 水辺を歩き、脚の底が深くなり始めたときに銀色に輝いている亀がいた。

 

「間違いない、シルバータートルだ。 だけど、ここだと戦いづらいぜ……」


 確かに、ここ周辺は深いところが多そうだから迂闊には近づけないな。

 足場も取られ体制を崩しやすい。

 しかも相手は亀だ。殻にこもると、甲羅事破壊して仕留めないといけない。

 そうなると素材が傷がついて扱うのも減る。

 ここは一気に攻めた方がいいな。


「俺に任せてくれ。氷魔法で凍らせる」


「それは助かるぜ! よろしく頼むぜダンナ!」


 そうと決まれば相手に気づかれないようにゆっくりと近づき――発動範囲内に入ったら――。


「――――アブソリュート・ゼロ!」


 シルバータートルを一瞬で凍らせる。


「止めは任せてくれ! ――――豪炎刃!」


 フランカは凍りついたシルバータートルの首を炎の剣を振り上げ――溶かしながら切り落とした。

 ゴリ押しか……すごいパワー技しますね……。

 

「よし、湿地の依頼はこれで終わりだな! あとは近くの森か――ダンナ、キリがいいから安全な場所で昼飯にしようぜ! 家を出すからそこで料理を頼むぜ!」


「わかった。じゃあ、森の手前でしようか」


「おお、いいぜ!」


「家を出す?」


 精霊は首を傾げる。

 そういえば、説明していなかったな。


『フランカは魔力で家を作れるスキルを持っているんだよ!』


「へぇ~すごい!」


 エフィナが精霊にいろいろと教えてくれるから本当に助かる。

 たまに、変なことを教えることもあるけど……。


 シルバータートルをしまい――湿地を離れて魔物があまりいないところでフランカは家を出した。


「わぁ~綺麗な家だ! すごい!」


 精霊は家の外見を確認するかのように周りを飛んだ。


「いいだろう? この家はダンナとアタイの愛の巣だからさ、あまり汚さないでくれよ」


「愛の巣……わかった!」


 冗談で言っているとは思うけど……精霊に変なことを言わないでくれ……勘違いされる……。

 

『確かに愛の巣だね。ボクもその発想はなかった』


 いや、そこは納得しなくていいから!?


「さてとダンナ、蛇とカエル出してくれないか? 解体を始めるからその間に家で休んでくれ」


「はいよ」


 無限収納からキラースネークとフルーツトードを出して家に入った。


 その間に献立を考えるか――。


「――ダンナ終わったぜ!」


 はやっ!? まだ10分も経っていないぞ……。


 やっぱり【解体】と【器用】のスキルがあるから早く終わるとは思ったが、ここまでとは……。


「わかった……今すぐ料理するよ」


 今回は時間をかけないで香辛料焼きと照り焼きでも作るか――。

 

 まずは香辛料焼きから2つの肉をすりおろしたニンニク、ショウガを入れて軽くなじませて次にオールスパイス、チリパウダー、ナツメグ、塩、胡椒を合わせる。

 溶かしたバターをハケで周りをコーティングさせ、オーブンで焼き上げる。

 

 その間に照り焼きを作る。

 2つの肉を片栗粉にまぶして、油を敷いたフライパンに入れて焼き目をつける。

 中まで火が通ったら、純米酒、みりん、醤油、ツリーシロップ、すりおろしたニンニクとショウガを入れて照りが出るまで焼いたら完成。

 香辛料焼きもいい具合に焼けて完成した。


 あとは作り置きしたおにぎりとミネストローネを無限収納から出して今日の昼食の準備ができた。

 精霊は刺激が強いからバナナとリンゴを用意した。


「美味しいぜ! 特に香辛料焼きが気に入った。ダンナ悪いが一味唐辛子あるか?」


「あるけど、もう少し辛いのがいいのか?」


 無限収納から一味唐辛子を出してフランカに渡した。


「ありがとな。そうだよ、アタイは激辛が好きだよ。できれば後で辛い料理もお願いしたいけどいいか?」


 アイシスと違って真逆なんだな。


「わかった、考えてみるよ」


「さすがダンナ、よくわかってくれて助かるよ」


 そういいながら一味唐辛子をガンガンかけまくっている……本当に好きみたいです。


「やっぱりこれくらいがちょうどよくて美味しいぜ!」


「そんなに美味しいの?」


「ああ、アタイはな。精霊も食べてみるか?」


「うん……」


 えっ、精霊に辛いの食べて平気なのか……。

 あっ、抵抗なく食べた……。


「はむっ…………!? 舌がいた――――い!」


 ダメでした……急いで精霊はリンゴをかじりついて中和させて落ち着いた。


「うぅ……残念エルフに襲われた夢と同じ苦痛……」


 何その例え!? それほど嫌なのか!?  

 

『フランカ、精霊にあまり意地悪しないでね』


「ハハハ、悪かったよ。精霊にはまだ早かったか」


「もう舌が痛くなる物は食べたくない……」


 トラウマになってしまったか。精霊には辛いのは出さないでおこう。


 昼食を食べ終え、少し休憩を挟んだ。 

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