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754話 使用人の護衛


 ――翌日。


 朝食を済ませて、予定通り馬車に乗りディングラから一旦離れて、派遣する護衛と合流をする。

 ロベントスは約束通り朝から宿屋に来たが、これから予定を言うと、門前で待っていると言って置いていった。

 俺たちには監視の目に入らないから都合が良かった。


 サリチーヌの妹たちがいるのは、中心都市(カテナッハ)から近くの村――マルモートの別荘にいるという。ここから馬車で5日以上はかかると言われている。


 街道から外れて、前回通った道を行くと、先に行っていたメアと派遣する護衛――リフィリア、マイヤ、聖国騎士指揮官ノワッチェ、隊長のエルフであるケスナー、その人間である数人の部下が待っていた。


「フフフ……お待ちしていました……」


「護衛の派遣ありがとうござい――エルフが護衛にいるのですの!? 初めて見ました!」


 サリチーヌは興奮気味に言う。隊長はケスナーだけ連れてきて正解だった。

 ケスナーだけ推薦すると、ほかの隊長――アリアナとボルックが行きたいと言ったのは本当に困った。

 この大陸での人間とエルフの種族以外は差別されるから行かせるわけにはいかない。

 なんとか説得して待機させた。


 一応、リフィリアとマイヤは隠せば人間って認識できるから問題はない。

 というか、空いているのがこの2人しかいなかった。

 とりあえず空間魔法を使える人がいけば、問題ない。

 面倒な奴が多く来たら、いつでも応援を呼べる。


「エルフは初めてですか……?」


「そうですわ! 人生で一度見れるかわからない。存在を見れるなんて貴重ですわ!」


「フフフ……、大げさですね……」


「大げさではありません! なんで珍しい種族が護衛を……。 ナイトメアさん、あなたは本当に普通の貴族なのですか?」


「はい、そうですが……」


「そうですか。わかりました。そうしておきます」


 ずっと、あり得ないこと続きで追及するのは、諦めたようだ。

 ほかのメンバーも追及しないのは、こちらとしては助かる。


「よ、よろしくお願いします!」


 イエンクは護衛の人に圧倒されたのかオドオドしていた。

 特に金ピカの光沢の鎧を着ているノワッチェだ。


「そうかしこまるでない。我輩たちがいるかぎり、皆を守ってやる!」


 ノワッチェは人一倍やる気を見せている。

 それもそのはず、前回着ていた金の鎧(ゴールドアーマー)より光沢が増して曇り一つもない黄金に輝く金剛の鎧(オリハルコンアーマー)を着ているからだ。


 金好きで、金の上位互換を着て喜ばないやつなんているわけがない。

 テンション上がって遠方にだって行きたくなる。


「なんて頼りがいのある黄金色に輝く宝石ですの! 道中も――イエンクをよろしくお願いします!」


 そういえば、ノワッチェが戦っているところ見たことがない。

 だが、カイセイがウェミナスで【鑑定】したらレベル200はあると言っていた。

 聖国騎士たちも、聖国騎士の中で剣術は最強――隊長クラスでも敵わないほどと言う。


 指揮官をやっているほどのことはある。

 まあ、魔力もそれ相応にあるから任せられる。


「頼んだぞ、ケスナー」


「任されたならそれに応えるまでだ。若者も決闘には気をつけろよ」


「ハハ、言われなくとも」


 カイセイもケスナーに挨拶をして向かう者は次々と馬車に入っていく。


「リフィリアとマイヤも何かあったら伝えてくれよ」


「任せて、少しの違和感があったらすぐ伝えるよ」


「任せて……」


 まあ、変な奴が来たら倒すだけだから、大きな問題は起こらないとは思う。

 何かあったらすぐに駆けつけることができるし問題はない。


「大丈夫、みんな私が守ってあげるから心配しないで」


 鉄壁のロードもいるし、なんも心配はない。

 組み合わせは異質ではあるが、全然大丈夫だ。


「それでは行きます――」


 イエンクが馬車を動かして俺たちは手を振って見送った。


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