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751話 偵察、やりたい放題③


 豪邸から出ると、サリチーヌは気が抜けたのか。地面について腰を抜かし涙目であった。


「と、とりあえず、話が通せてよかったですわ……」


 無理もないか、ここに来るまで神経をすり減る思いだっただろう。

 弱さを見せずに自分を演じるのは大変である。


「フフフフフ……ご苦労さまです……」


「皆様、よく普通でいますわね……。帝国軍もいるのに微動だにしないなんて……」


「ワタクシたちは、偉い人には慣れていますので……」


「あなた方は、すごいというのはわかりましたわ。本当にありがとうございます。ここまでしてくれるなんて、感謝しきれません」


「フフフフフ……、たまたま目的が同じなだけだったので……。お安い御用ですこと……」


「助けられてばかりではありますが――差し支えなければ、どうして異界の勇者を手にしたいのですか?」


 やはり、そこが気になるか。


「先ほど言った通り……興味があるだけです……。なぜ、召喚された勇者が奴隷にされているのが気になって仕方ありません……。理由を聞かなければいけません……」


「それだけの理由ですか!? 奴隷ならもっとこう――こき使うとか、そんなことはしませんの!?」


「そんな趣味はありません……。奴隷なんて興味はあまりません……。理由を聞いたらあとは自由です……。悪い権力者をいたぶるほうが、よっぽどいいですこと……」


「こんな人がいるのは珍しいですわ。ワタクシたち――オーストロ家も奴隷を反対しています。特に子どもを奴隷するなんて、気が狂っていますわ。オーストロ家は奴隷にされた子どもを解放して孤児として預かっています。メリアル、イエンクもその中にいました。私たちと同じなのは嬉しいですわ」


 なるほど、だから目をつけられたのか。どうやら奴隷商の商売を妨害しているから、落としれようとしているかもしれない。それでクーランドはオーストロ家関係者を賭けたのは、一気に終わらせようとしたようだ。


「それにしても……、ロベントス、あなたは普通の兵士ですか? あの愚か者に親しまれていますが、どういう関係ですの?」


 サリチーヌはロベントスを怪しい目で睨む。

 サリチーヌも気になっていたか。


「俺は、領主にこき使われて信頼されたいるだけだ! 別に領主の味方ではないぞ!もちろん、君たちにを応援している! 革命が起きるのは大歓迎さ!」


「革命って……、わたくしたちの賭けに勝って一生遊んで暮らせるお金を手にしたいだけではありませんの?」


「そうだよ、金があれば自由になれる。だけどな……、金のない今の俺は領主の操り人形にすぎない……」


 やはりかなりの訳アリのようだ。そうなると、クーランドに借金をしているのか?

 そうでないと、最後のほうにクーランドが警告しなかった。


「まあ、いいですわ。さあ、戻りましょうか」


 俺たちは厩舎で待機しているみんなのところに向かう――。

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