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745話 訳アリのご令嬢②


 サリチーヌの話によると――賭けに負けて奴隷になった両親を取り戻すために話し合いに行くとのこと。


 そうなった経緯も話してくれた――サリチ―ヌ家は財団を立ち上げて孤児院運営をしていた。身寄りのない子どもを自立するまでのサポートと里親探しなどの活動をしていた。


 話しを聞きつけたゴルゴン・クーランドは里親探しを手伝うと言った。評判の良い大都市の領主と耳に入っていたから、喜んでお願いをした。

 ゴルゴンは里親候補を見つけたと言い、里親の会わせたいとのことで孤児院の子をゴルゴンに預けた。しかし、その子が戻ってくることがなかった。クーランドは里親とその子がお互いに気に入って、そのまま里親が引き取ったと言われた。


 怪しいと思い、サリチーヌの父親は確認のために里親のところに行ったところ――その子が本当に気に入っていた。

それからクーランドを信頼して里親探しをお願いをした。


 しかし、知り合いがディングラに遊びに行ったときに闘技場の商品として孤児院の子がいたと言われ、すぐさまゴルゴンのもとに――だが、クーランドはいろいろとはぐらかしていたが、父親は堪忍袋の緒が切れて今すぐ連れ戻せというが、クーランドが逆ギレして取り戻すなら闘技場の賭けをしろと言い出し、父親は乗ってしまった。


 そして賭けに負けて、クーランドの勝った条件――父親を奴隷にし、本職の経営している宝石商をドミニック商会に権限を渡すことなった。

 それを聞いた母親もクーランドにもとに行って抗議したが、取り戻すなら賭けをやれと言われ、母親も賭けで負けて奴隷になった。


 それで、いまになっているという。

 術中にハマっているな……、というか賭け事に乗るなよ……。


 明らかにクーランドの有利じゃないか……。

 ムロナクが言ってた通り、ドミベックが絡んでいる。

 偶然ってわけでもない――前々からサリチーヌたちに目をつけていたのは間違いない。


「なんて卑劣ですこと……。あなたも気をつけてください……。あの下等生物に賭けをされると思います……」


「おそらくそうですわ……。できることはします……」


 これだと絶対に賭けに参加されるに決まっている。

 多分、全部絞りとるつもりだろう。


「あ、あの! ラグナロク様、お、お願いがあります! 鎧を着た護衛のど、どなたか、お嬢様を護衛をしてもらえないでしょうか!? 私とイエンクでは敵地に言ってもお嬢様をお守りすることができません!」


 身体を震えさせながらメリアルは頭を下げてお願いをする。

 確かに若い使用人だけだと何をされるかわからないし、心細いのもある。


「ご無礼なのは承知しております。わたくしが言うのもあれですが、わたくしたちは右も左もわからない状況です。ゴルゴンの話し合いのときにわたくしたちの護衛をお願いできないでしょうか……?」


 サリチーヌも頭を下げた。

 相手を偵察できるし俺はいいが。


「その前に……どうしてワタクシたちを選んだのです……? ただ目に入ったわけではありませんよね……?」


「あなた方がとても輝く見えました。まるで宝石のように魔力が輝いていました。外見だけでなく――中まで……。この人たちならワタクシたちのお願いを聞いてくれると思い、無理を言って声をかけました。もし、癇に障るようでしたら謝ります……」


 俺たちの魔力を見えるくらい才能があるみたいだ。

 宝石商の娘だから、たとえが宝石とは。


 まあ、中まで褒めてもらうのは最高の褒め言葉と思っておこう。

 そこまで言えば断る理由はないしな――。


「もう仕分けありません……。護衛を貸すことはできません……」


 …………はい? なぜ断る……?

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