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73話 帰ってもいろいろと大変②


 周りの人は精霊を見て啞然としている。

 俺のことマスターって言ってなかったか?

 もしかして契約したのか?


『あ~強めにって言ったけど、魔力あげすぎたね……そのおかげで成長はしたけど』


『契約はしていないのか?』


『何度も言っているけど、契約は名前を付ければ成立しないから違うよ。魔力をあげる行為は精霊にとって回復するだけで、それ以上でもそれ以下でもないよ。ただ……レイと相性が良すぎて契約した状態と同じで成長する作用があるみたいだね』


 もうわけがわからない……。

 それよりも、精霊は大丈夫なのか?


「落ち着いた?」


「うん……マスターの魔力が心地良くて大丈夫だよ」


「なら良かった」


「レイ君……もしかして精霊ちゃんと契約したの!?」

 

 リンナさんからしたらそう見えますよね……。


「違うよ。まだマスターと契約はしていないよ。まだ名前を付けてないから……」


「確かにそうね……けどしゃべれるようになって良かったわね! これで不便なく会話ができるわ!」


「うん! マスターのおかげだよ! リンナちゃんいつも残念エルフから守ってくれてありがとう!」


「お礼なんていいわよ! いつも守ってあげるからね!」


 いつもながらリンナさんは切り替えが早いですね。


「こいつは驚いた……精霊の成長が見れるなんて人生で初めてだ……レイ、身体は大丈夫か?」


 さすがに多くの魔力を使ってしまったからザインさんに心配されるか。


「結構魔力を消費しましたが平気です。スールさんのせいで精霊が情緒不安定になってしまったのであとで大量のマナポーションを請求します」


「心配無用だったな。わかった、スールには依頼の報酬分を差し引いてレイに渡すがそれでいいか?」


「はい、お願いします」


 とりあえず問題は解決した。


「ところでマスターこのフランカも一緒に屋敷に住むの?」


「ああ、そうだよ。何か問題でも?」


「特にないけど……アイシスに似ている……」


 フランカの正体がわかったか。

 

『それはボクが後で説明するからレイに会話を合わせてね!』


『うん、わかった! マスターに合わせるよ!』


 精霊も念話使えるのかよ!?

 いろいろと成長してますな……。


「賢者の弟子だからじゃない? それは似るとは思うよ」


「うん、そうだね! よろしくフランカ!」


「よろしく、精霊! これからお邪魔になるけどな!」


 周りをごまかすようにしているのが少々複雑な気分だ……。

 もう既にあと戻りはできないが……。


「精霊ちゃんも元気になったことだし食堂に行きましょう! 今日はお祝いよ!」


 その後、食堂で夕食を摂る――。


 フランカはみんなと馴染んでいるから問題はなさそうだ。

 酒をかなり飲んでいるけど……絶対に酔うな……。


 精霊の姿を見える人は制限されていたが成長したからか全員見えているらしい。

 反応は――。


「精霊ってこんなに美人とは惚れちゃいそうだぜ!」

「前よりも大人っぽくなったね!」

「愛してるぜ! 精霊!」


「みんなありがとう!」


 みんなに挨拶しながら飛び回っている。

 虜になっていますね……完全に偶像(アイドル)です……。


 今日は一段と賑やかであった。

 時間が経ち、お開きになり屋敷に帰宅をする――。


 帰り道――。


「えへへ……酒も飲めて幸せだぜ~欲を言えばダンナの背中が良かったけどな~」


「今日はダメです! ご主人様は魔力を消費したので我慢してください!」


『アハハ! またフランカが酔っているおもしろい!』


 フランカは酔って千鳥足だったから俺が抱っこして帰ろうとしたが気を遣ってアイシスが抱っこしている……。

 

「何もないときはいっぱい飲んでもいいが、依頼に行く前はほどほどにな……」


「わかっているよ~ダンナ~」


「ねえ、マスターいつになったら私と契約してくれるの?」


 精霊は俺と契約したいのか。魔力量も増えたことだし回復したら契約しようか。


『あ~もう少し魔力を増やしてからがいいかもね』


「なんで? 私はマスターを受け入れる準備はできたよ」


「何か問題でもあるのか?」


『精霊は予想以上に成長したからこの状態で契約するとレイにかなり負担がかかって昏睡状態になる可能性があるから今は我慢してね』


 こわっ!?

 逆に成長しすぎて契約しづらくなったか……。


「マスターに負担が……わかった……もう少し待つよ……」


 すごい落ち込みようだ。そんなに契約したいのか……。


『少しは無理だけど1年経てば絶対に契約は成功するからそれまで待ってね!』


「1年……わかった! それくらいなら待てる!」


『レイはそれでいいよね?』


「ああ、いいよ。それで成功するなら」


「やったー! 約束だよマスター!」


「約束するよ。ところでなんで契約したがるのだ? 精霊はとって何かいいことでもあるのか?」


 これが一番の疑問だ。精霊にメリットがあまりないはずだが。


「精霊にとって契約は自分の成長が早くなって立派な一人前になることだよ。そのほかに精霊によって理由はそれぞれだけど、私はマスターとずっと一緒にいたいから契約したいの」


「そういうことか。納得はしたよ」


「うん、だから早く1年経たないかなー」


 俺の周りを嬉しいそうに飛んでいる。

 まあ、1年なんてあっという間だからそれまでゆっくり待ってほしいけどね。


『あっ、言い忘れてたけどレイの加護に【精霊の加護・小】が増えたよ! これで魔力コントロールがさらにしやすくなったと思うよ!』


「増えたのかよ! 嬉しいけどさ……」


「成長させたお礼だよ。私もほかに【無詠唱】のスキルを覚えたから嬉しい!」


 無詠唱まで覚えたのかよ!? 

 もうなんでもアリですね……。


 いろいろとありすぎたから今日は早く寝よう……。   

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