742話 救出に行くメンバー
――5日後。
今日からディングラに行くのだが――。
「ハハハハハ! 闘技場楽しみだな!」
屋敷を出ると、セイクリッドは腕を組み高笑いして待っていた……。そう、結晶騎士組も行くことになりました……。
ファントムに同行のお願いをすると、一緒にいた結晶騎士組も行きたいと言ってきた。
さすがに目立ちすぎるからダメだと言おうとしたら――。
「フフフフフ……いいですこと……。ただし……問題行動を起こさないように……」
メアは躊躇いもなく承諾してしまいました。
セイクリッド……蛇神族の四つ子を放ってまた行くのかよ……。
見送りに来た四つ子は顔を膨らましたまま不満のようだ。
まだいいほうか、前は涙を流して大変だったが、みんなと仲良くしているから、保護者が少し離れていても大丈夫のようだ。
それはいいが、なんで全員、鎧をままで……。モリオンは仕方ないとして、ほかは【人化】して服を着ればいいのに、メアはしなくていいと言う……。いったい何を企んでいる……大事になるぞ……。
それに、なんで俺は正装を着ないといけない……?
顔を隠すのにフード付きのコートを着ればいいのに……なんで正装だけって……。
そしてカイセイたち――勇者の組も見送りに待っていたが……、カイセイもミスリルの一式を装備していました……。
すぐに闘技場を参加するわけでもないのに、普通の服を着させろよ……絶対にワザと見せびらかすだろ……。
あと――。
「お、おはようございます! 今日からよ、よろしくお願いします!」
フード付きのコートを着たエミカは緊張しながら挨拶をする。
いろいろと話し合った結果エミカも行くことになった。
やはりヨシマツたちはヒロヤとヨイカが心配で誰か1人でも同行させてほしいと言ってきた。
言っても聞かないと思って、仕方なくエミカを同行させることにした。
エミカは【隠密】を持っているから何かあっても対処はできる。
もちろん、ムロナクと相談してのことだ。下っ端の帝国軍なら問題なく気づかれないと言った。
まあ、ムロナクが言うのであればいいか。
というか顔がバテているメンバーで俺だけ隠さないのはどうして……。
しかし……この大人数で本当に大丈夫なのか……?
「わ〜い、はやくはやく〜」
ルチルはもう行きたくてウズウズしていた。
「フフフフフ……そう急かすのではありませんこと……」
「みなさん、ヒロヤとヨイカをお願いします! エミカ、迷惑をかけるようなことはしないでくれよ」
「当たり前でしょ!? 委員長は余計なことを言わなくていい!」
ヨシマツ……余計なお世話だ。エミカは顔を膨らませて拗ねているぞ……。
「ヨシマツ、心配するな。たとえ迷惑がかけようが、俺は気にしない。迷惑をかけても問題ない。今の俺は負ける気がしない……」
カイセイ……なんのフォローにもなっていない……。
というか、今日から闘技場に参加するわけではないぞ……。
今日はあくまで偵察だ。
「フフフフフ……気合いがよろしいことで……。では行きます――」
ヨシマツたちに見送られてながらメアの空間魔法で移動する――。
――視界が変わり、森の中に移動した。
「ん? 街中に移動しないのか?」
「はい……大人数ですので、かなり怪しまれます……。まずは門から入ります……」
そこだけは慎重ですな……。というか検問で絶対に引っかかる……。
「いや、街中でもよかった気が……」
「フフフフフ……ご安心してください……。ワタクシにお任せください……」
メアは不気味な笑みで何か企んでいました。
本当に大丈夫か……。あっ、【魔力解放】で身体を大きくした。
やはり、偵察しているときは、この姿ではないと気づかれるか。
俺たちはメアの後をついて行く。




