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741話 あらゆる作戦


 とりあえず勇者組を客間に集めて報告すると――。


「俺も一緒に行かせてください!」


 ヨシマツは名乗り出る。

 やはりそうなるか。


「ヨシマツは特訓の最中だ。そっちを優先しろ」


「委員長――代表としての責任があります! あと俺がいれば2人を説得できて安心させることができます!」


「救出してすぐに空間魔法を使うから説得はいらないぞ」


「ですが――」


「委員長、レイさんの言う通りだ。俺たちは一刻も早く強くならないといけない。委員長が行ってもレイさんの足手まといになる」


 ケイトは俺の意見に賛成のようだ。まあ、ヨシマツのあまりに無謀な正義感だから、普通はそうなる。


「ヨシマツ、お前の役目はなんだ? 強くなって同級生を止めるじゃないのか?」


「そ……そうですね……、わかりました……」


 カイセイも説得すると、悔しながらも言うことを聞いた。

 わかってくれるならそれで――。


「代わりに俺が行って救出をするから心配しなくともいい」


 なぜそうなる……。

 あっ、女神化した子を見ながらアピールしている。

 さらに印象を良くしようとしているな……。 


「ちょっと待て、誰が連れて行くと言った? 同行させるなら【擬装】持ちのファントムだ。カイセイは【隠密】を持っているが、監視用の魔道具で見つかってしまう」


「では、俺を闘技場を参加してイングルプを倒して正式に2人を救うのはどうでしょうか?」


「さっき言ったが勝っても懸賞としてもらえるわけが――」


「フフフ……ではお願いしましょうか……? 必ず勝ってください……」


 メアさん、何を言っているのですか……? 絶対に面白いから言っているに違いない……。

 カイセイ……まだ決まってないのにガッツポーズするな……。


 けど、保険用としてはいいかもしれない。あらゆる作戦(プラン)ができる。


「カイセイ、絶対勝つ自信はあるか?」


「はい! どんな相手だろうと負ける気がしません!」


 よほど自信があるようだ。まあ、イングルプくらいならカイセイの力量を考えれば余裕で倒せる。

 無理に止めることしない。


「フフフフフ……決まりましたね……。フランカに闘技場用の鎧と兜をを手配します……。おばあちゃんっ子もこれで顔がバレずに済みますこと……。」


「ありがとうございます!」


 これはフランカが大変になりそうだ。というか5日で間に合うのか?


 すると、ドアを開けてフランカが入ってきた。

 もう念話で伝えたのか……。それもそうか、急な頼みだから急いでカイセイのサイズを測りに――。


「ほらよ、予備で作った鎧と兜だ。これでいいだろ?」


 フランカは無限収納からミスリル一式の武具を出した。

 ですよね……、前々から測って作っていますよね……。

 さすがフランカです。


「こんないいの……、ありがとうございます! 大事に使います!」


「フフフフフ……これで勝利は間違いないですこと……」


 もしかして、メアはそこまで把握していたのか……?

 もう準備ができていればなんでもいいです。


「わ〜い、これで長く観戦ができる〜!」


 ルチル、観戦できてよかったな……。


「ルチルちゃんも行くの!? この子を連れて大丈夫ですか!?」


 コトハが心配そうに言う。


「大丈夫だ。万が一危ないことがあってもルチルなら余裕だ。思っているより強いからなというか、闘技場を観戦するだけだから、救出には参加しないぞ」


「そうじゃありません! こんなかわいい子を野蛮なところを連れて出歩くなんて危ないです! 私が保護者としてついていきます!」


 そういう意味かよ……。一応、保護者として俺がいるけど……。

 確かに観戦途中で救出に行くようになったときは、1人になる。

 まあ、ほかに面倒を見てくれるならそれはそれで助かる。

 何かあっても【隠密】を持っているし大丈夫だ。


「わかった。面倒を見てくれ。コトハは軍に顔がバレているからフードを被ってくれ」


「ありがとうございます」


「コトハが行くなら私も行こうかな」


 ナノミもそうなりますよね……。まあ、1人や2人くらいなら問題ないか。


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