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730話 偵察が終わるまで⑪


 アルロさんの発言で呆気にとられてしまった。

 あと10年くらいは引きずるかと思った……。


「おめでとうございます……。急ですね……何かきっかけがあってですよね……?」


「ええそうよ! ワタシのお腹の中にザインちゃんの子が宿っているのよ! そ・れ・で・ワタシたちはレイの領地で新婚旅行すると決めたわ!」


 そういうことかよ……。というか、また勝手に決めて……。


「デキ婚ですか……。まさか人間とエルフは生まれにくいのに頑張りましたね……」


「そうよ! ワタシたちの愛の結晶に人間とエルフなんて関係ないわ! けど……ザインちゃんたら……夜は猛獣のようで激しかったわ……」


「ちょっと待て!? それは誤解だ!? 俺はリリノアさんに無理やり強い酒を飲まされて気がついたら、一緒に寝室で寝ていただけだ! レイ、信じてくれ!?」


 ザインさんは全身汗をかきながら慌てて言う。

 なるほど、強硬手段をされたようです……。それで思わぬイベントが発生してそのままゴールしたと。これは嬉しい誤算だったようですな……。

 リリノアさん顔を赤くして言うが、演技だとわかりました。


 念のため嘘を言っていないか確認はしておこう。


  アイシスにアルロさん一家の案内を頼み、エメロッテを呼んだ。


「確かに〜2人の子だね〜。嘘は言っていないよ〜」


 本当のようでした。ザインさんは口を開けたままだ。

 まだ現実を受け入れていないようですね……。


 リリノアさんの策にハマってしまったが、2人の問題だから俺は首を突っ込むことはしない。

 たしか、リリノアさんは講師の契約は終わっているし、なんだかんだギルド運営も問題ないし、俺の領地に来ても大丈夫か。

 まあ、カルムのギルドはどうせセーレさんに無理やり頼ませたのだろう。

 セーレさん……気の毒に……。こんななかでアルロさんまで引き抜いてしまってなんか申し訳ない……。


 あとで良い品でも送ろう。


「ちなみに期間は……?」


「1ヶ月くらいはいるわよ。安心してセーレはザインちゃんにしっかり休ませてとか言って承諾済みよ。姪のくせして気が利くわ」


 そんなにかよ……。多分、セーレさんはザインさんの様子を察したと思う……。

 仕事ができない状態だとわかって。

 そのための新婚旅行ですな……。


「そうですか……では……ゆっくりしてください……。あとしっかり安静してください……」


「当然よ! もうこの身体はワタシだけのものじゃないんだから! けど、心配してくれるのはありがとう!」


 相変わらず調子いいな……。


「ザインさんもしっかり休んでください。これから忙しくなるので」


「お、おう……そうだな……」


 そのあと俺は2人を屋敷に案内をしてゆっくりさせる。


 落ち着いたところ、魔道具(通信機)でヴェンゲルさんとリンナさんに報告した。

 2人とも報告がなくて初めて知ったということです。


 よほど自分で報告するのに躊躇っていますね……。


 ヴェンゲルさんは高笑いして喜んでいたが、リンナさんは「やっとね……」とか言って呆れていました。

 

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