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727話 偵察が終わるまで⑧


 ――翌日。


 ヤーワレさんに連絡すると――。


『やめてくれ……、やめてくれ……』


「みんなを俺の領地に歓迎します」


『うぉぉぉぉぉ――――やめてぐでぇぇぇぇ! 俺の天使たちを連れてかないでぐでぇぇぇぇ!」


 なんでそこで駄々をこねる……。まだ戦争が始まった段階じゃないからか……?

 ギリギリまで一緒にいるのは最悪を招くぞ……。


『ありがとうごぜぇます旦那! では、準備次第、連絡しますのでよろしくおねげぇします!』


 ジェリックに代わりお礼を言われる。


『待てジェリック、俺は許可をしてないぞ!?』


『アニキ、もう諦めてくだせい! アニキのワガママでいさせるのは危険です!』


『――――イヤだぁぁぁぁ!』


 大揉めしているところで途切れてしまった。

 これはすぐ準備しても行くことができないな。


 そうだ、クエスに言わないとな。もう長期休暇は終わって学校は始まっているが、休日に呼ぶとしよう。

 アスタリカでいろいろとイザコザがあって、帰る暇もなかったしな。

 久しぶりにみんなに会えるのは、きっと喜ぶだろうな。


 昼過ぎになり、領地外――森の中で特訓をしているケイトの様子を見に行く。

 リスタートで元の健康体になったとはいえ、もう少し休んでからと言ったが、早く強くなりたいと言って、今日から始めた。


 ウルマに無理言ってしまったが、喜んで引き受けてくれた。


「どうした? 毎日鍛えたとか言っていたがそんなものか?」


「はぁ……はぁ……まだまだ――」


 ケイトは上半身裸で汗を垂らしながら拳を振るって軽装のミスリルの鎧を装備しているウルマに殴ろうとするが、悠々と避けられる。


 万が一特訓で格闘をするときは、ケイトは加減ができないと思って防具を装備するように言ったが、案の定、問題ありませんでした。いま思うと、小人たちと引きを取らないほどの強さだ。余裕でAランク以上の強さはある。


「やっぱりおばあちゃんはすごい!」


 気になっていたのかララアが来ていた。そして、ヨシマツたちも見学していた。


「あんなナイスバディの美人でしかもエルフに教えてもらえるなんて羨ましい……。孫がいるなんて信じられない……」


 ヨシマツは鼻の下を伸ばしていた。

 その横で見ていた女性陣に白い目で見られる。


「悪いが、ヨシマツは知り合いの男に頼んでいるからな。明後日来るからしっかりやれよ」


「はい、教えてくれるだけでもありがたいです! しっかり学びます!」


 そこは文句を言わないのはいいところだ。


「よろしい。ウルマ、そのくらいにして休憩したらどうだ?」


「そうだな。疲れて動きが鈍くなっているのもある。少し休憩したら再開するぞ」


「はい……」


 ケイトは息を荒くして地面にうつ伏せに倒れてしまった。

 ウルマは汗をかかずに平然としていた。


「初日だがケイトをどう思う?」


「しっかり、基礎はできている。だが、見ての通りまだ体力がなさすぎる。魔力も乱れて思っている以上に使っている」


「やっぱりそうか。じゃあ、体力をつけるところからか?」


「そういうことになる。あとは魔力を無駄に使わないように、精神も鍛えないとな」


 ウルマ、かなり気合が入っているな。最近動いていないか?


「もうおばあちゃんたら、ソウタと最近会えないからって、張り切りすぎ! もうちょっと控えめにしないと!」


「そ、そんなことはないぞ!? 私はいつも通りだ!」


 ああ、ソウタに会えないからと欲求が溜まっているのか。王様にお願いしてソウタを少しだけ嫁たちに合わせるか。

 頼んでもらっているし、そのくらいはしないとな。


「ん? お孫さんがご祖父を呼び捨てにするのはなぜ? もしかして、呼び捨てにするほど祖父はイケメンなのか!?」


 ヨシマツは勘違いしている。仕方ない、説明するか――。

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