725話 偵察が終わるまで⑥
夕食のとき――カレーライスを食べながらカイセイにヨシマツたちの件を相談した。
「そうですね。ヨシマツとケイトは問題ありません。エミカも訓練次第では戦場に言ってもいいと思います。戦力には期待できませんが、【隠密】を覚えているので敵に気づかれずに戦闘は避けられます。あと【第六感】で察知して危険回避もできるかと。見届けるくらいなら許可してもいいと思います」
エミカが【隠密】持っているならムロナクにお願いすればいいか。
「ほかは厳しいということでいいな?」
「はい、カヤキ、サヨ、イスズ、アユミは魔法をある程度覚えていますが、戦闘スキルはこれといったものは覚えていません。厳しいと思います」
「なら許可は無理だな」
「そのことなんですが、俺が護衛する条件で向かわせるのはどうでしょうか?」
藪から棒に何を言い出すと思ったら……。さては、俺が来る前にヨシマツたちが相談したな……。多分、女神化の3人を使ってお願いしたのが目に見えた。
本当なら反対したいところ、無理やり押されてしまったようだ。
「同情しているのはわかった。仮に護衛をしたとしても全員守ることができるか?」
「俺は、あの子たちを絶対に守ると決めました。そう、バーミシャルさんの娘だと思って」
ダメだ……カイセイに任せることができない……。というかカヤキを忘れている……。
なぜだろうか……シャルさんがドン引きしている感覚があります……。
「今のカイセイでは無理だ。もっと鍛え直してから言え」
「じゃあ、そでまでにもっと強くなりますので、許可のほうお願いしますね」
めげずにポジティブにとらえているのはなぜだ?
引き返せないほどのことを言ったかもしれない。
「まあ、頑張れよ」
「うぉぉぉぉ――――! 絶対守ってやる!」
カイセイはカレーライスを早食いをして、席から外れた。
もうやるのかよ……。
「またか……相変わらず騒がしい……」
隣で食べていたライカは呆れていた。
もう日常に茶飯事だから仕方ない。
「ところで、ライカは反対はしないのか?」
「儂か? 反対と言いたいが、守ってくれるのならいと思うぞ」
過保護のライカとしては珍しい。
「理由を聞いてもいいか?」
「放っておけるわけないだろ。儂だったら無理に行ってでも説得する。罪の以前に、それで改心すれば、気持ちも晴れるだろ? 悔い――後味が悪い感じで終わるのは望んでいないと思うぞ?」
ヨシマツたちを尊重したいってことか。
「最悪な結末でもか?」
「そうだ。主が思っているよりヨシマツたちは子どもではない。しっかり受け止めるであろう」
ライカはそう言うが、難しい判断である。俺の考えが頑固なのか?
「そこまで言うならライカも一緒に同行してくれ」
「儂か? 儂は構わないが、子どもたちがな……」
小人たちはライカが戦争に行くと言ったら大泣きするよな……。
この話はいったん保留にする。




