表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
712/921

706話 脱出②


「「「す、すごい……」」」


 勇者たちはあまりのすごさに驚いていた。

 驚いている暇はないぞ。


 その前に――【武器創造】で黒色に輝く(アダマンタイト)剛金の大盾(シールド)を創った。


「【絶対防御】なら盾は必須だろ? 受け取れ――」


「ありがとうございま――うぉ!? お、重い……」


 委員長に盾を渡すが、重すぎたのか床に落としてしまう。

 さすがにアダマンタイトは重すぎて無理があるか。


「ヨシマツ、【身体強化】を使うんだ。腹の底から力を入れて魔力を腕に流すようにイメージしてくれ」


「こ、こうですか……?」


 カイセイのアドバイスで委員長は魔力を出して盾をゆっくり持ち上げた。


「急に軽くなった……。ありがとうございます!」


「次からは言ってくれよ。【鑑定】を使わざるを得ないぞ」


 【鑑定】したのかよ……。

 まあ、緊急だから仕方ない。


「カイセイ、ほかも見たのか?」


「はい、ケイトは【豪力】にカヤキは【調合師】、エミカは【第六感】と珍しいスキルを持っています。女神化をした3人は一般的なスキルですね」


 思っていた以上に見ていますな……。

 コトハとナノミは引いているが、今回は仕方ない……我慢してくれ……。


 エミカが軍を的確に把握していたのは【第六感】のおかげなのは肯ける。


「オメェ【豪力】を持っているのか!? なかなか筋があるじぁねぇか……」


 デムズさんはなぜか褒める。

 ということはデムズさんも【豪力】を持っていることになる。

 まさか嫌っていた勇者を褒めるのは意外だ。

 冒険者にもさせるつもりか?


 それはいいとして、収容所から出て階段を上る。

 上り終わるまでにエフィナに念話で送る――。


『エフィナ、すまない。バレてしまった』


 だが、返答を待っても反応がなかった。

 念話の遮断するのかよ……。 

 仕方ない、報告は後回しにする。


 そろそろ1階に着く――。


「私が出口までの最短の道を案内します。ご安心を――」


 こっちには城に詳しいムロナクがいる。

 扉を開け廊下に戻ると――急にムロナクが足を止める。


「ありえません……。通路が変わっている……」


 見えたのは――2通路だったのが、5通路に変わっていた。

 こんな早く城を変形できるとは……また面倒なことをしてくれるな……。


 ムロナクはコンパスで確認すると――あまり良い顔をしない。


「牢屋に行く前と違う方向になっています……。申し訳ございません……道が変わってしまえば、私でさえわからないです……」


 俺たちが階段を上るところから変わっていたのか。

 そこまでするとは、よほど逆鱗に触れたらしい。


「チィ……絶対に逃がしたくなくねぇってことか……。じゃあ、邪石(コア)を破壊しなければ、無理か……」


「増援が来て余計に時間がかかりますよ。無謀にもほどがあります」


「だったらどうするんだよ!? ここで待っていても始まらんぞ!?」


「揉めている場合ではありません! 全通路からまた来ます! 気をつけてください!」


 エミカの言う通り軍が向かってくる。

 これから調べるというのに来てしまったか。


「メア、俺は周囲を調べるから殲滅してくれ」


「フフフ……仰せのままに……」


 メアは妖艶な笑みを浮かべて前に出て【武器創造・闇】で闇を付与した(ダーク)星球武器(モーニングスター)を創り振り回して一網打尽にする。


 さて、早く調べないとな――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ