703話 牢屋⑤
メアと合流をすると――カイセイたちが来ていた。
勇者たちはおにぎりを食べながらと談笑をしていた。とりあえず信用はできたようだ。
というか、カイセイ……フル装備来ているのだが……今日は稽古するような話は聞いてなかったぞ……。コトハとナノミは動きやすい服装――ジャージ姿で来ている……って、一応ミスリルの短剣を腰に付けていました……。
まあ、未知の場所だとそれなりに用心はするか……。
すると、委員長が俺に駆け寄り――。
「疑ってすみませんでした!」
思いっきり頭を下げて謝ってきました……。
「そこまで謝らなくとも……」
「俺たちの未来がかかっています! 機嫌を損ねて置き去りにされるのはごめんです! もうここから早く離れたいです!」
牢屋に長くいるなら切羽詰まるよな、
「わかった。だが、ある程度落ち着いたら俺の領地の手伝いをしろよ。それでいいなら来い」
「はい、もちろんです! カイセイさんが最高な場所と聞きました! 断る理由がありません!」
もうそこまでいったのか。まあ、カイセイも同郷人が来るのは嬉しいだろうな。
「決まったな。メア、そろそろいいぞ――」
「はい……――――サモンゲート……」
メアは地面に手を当て――魔法陣が浮かび、周囲は黒い煙が舞う。
ボウフマンの嫁にされた勇者3人が現れる。
召喚は成功した。すかさず俺は無魔法で奴隷の首輪を外した。
これで自由になったが、3人は何が起きたのかわからないようだ。
「な、ななななな、な――バーミシャルさんに似ている!?」
しまった……カイセイには会わせてはいけない3人だ……。
おい……嬉しさのあまりガッツポーズするのではない……。
コトハとナノミがドン引きしているぞ。
「誰ですかこの人は?」
委員長は知らない素振りをする。
そうか、牢屋に女神化されていることなんて知らないよな。
「紗夜、唯鈴、亜由美なの!? どうしたのその身体!?」
囚われた女子が気づいて驚いた。
わかる人にはわかるよな。
「そうなのか咲花!? 全く気づかなかったぞ……」
「当たり前でしょ!? もう……委員長しっかりしてよ……」
「すまん……俺もわからなかった……」
「俺も……」
「えぇ……、慶斗と香夜希もしっかりしてよ……」
ある意味この子だけが鋭いだけなのかもしれない。
おそらく【直感】のスキルを持っているはずだ。
「悪いが話は領地に戻ってからにしてくれ――」
その瞬間……膨大な禍々しい魔力がこっちに向かってくる。
マズい、気づかれたか――俺とメアは急いで空間魔法を使い…………おい……なんで発動しない……?
俺はメアを振り向くと……。
「すみません……、ワタクシも発動しません……」
おいおいなんの冗談だよ……。
そして禍々しい魔力は床や壁――全域にコーティングされる……。
まてまて……発動しないのは……この禍々しい魔力――邪石の力で妨害されている……。最悪だ……城全体がダンジョン化にされた……。




