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697話 知っているから


 夜になるとムロナクが部屋に入ってきた。


「もうすぐで帝王の宝物が入浴にする時間となります」


「わかりました……。では、案内よろしくお願いします……」


 メアは【隠密】を使いムロナクと部屋を出ていった。


 そうだ、領地に戻るからシャルさんに勇者召喚の妨害を一時的にやめるようお願いしないと。

 このままだと空間魔法(ゲート)が使えなくて困る。


 アイシスに念話でシャルさんに伝えるようにお願いした。

 

 数十分経つと2人は戻ってきて、メアは満面の笑みだった。


「フフフフフ……こんなにも、もぬけの殻とは思いませんでした……。おかげさまでいつでも呼べますこと……」


 これで問題なく勇者召喚3人を呼ぶことができる。

 あとは明日に備えるだけだ。


「ところで殿下たちに何かあったのは知っていますか? 庭で見かけたのですが……エレリット殿下がフレリット殿下に肌と肌のふれあいを……していたのですが……」


 戻ってこないと思ったらまだ一緒にいたのか……というか兄弟愛を通り越しているのですが……。

 まさか兄の方はあっち側なのか……。


「ちなみにだが、兄は男色か?」


「いえ、そのような行動と言動は今までないです……」


 ああ、重度のブラコンか……。もうメアと同じ認識にします……。


「フフフ……久しぶりの再会ですこと……。嬉しさのあまり暴走しているだけのことです……。あまり気にしなくていいですよ……」


「私は兄弟がいないのでわかりませんが、そう解釈します」


 メアの言う通り気にしていたらダメだ。

 というか、メアはあの兄弟はもうどうでもいいようです。


「では明日お願いします。部屋に出れなくて不便ですが、ご了承ください」


「一旦、領地に戻るから大丈夫だ。気にしないでくれ」


「そうですか。フレリット殿下に伝えますので、安心してお戻りください」


「ああ、助かるよ。じゃあまた明日な――」


 俺たちは空間魔法(ゲート)で領地に戻り、屋敷でゆっくりする――。



――――◇―◇―◇――――



 ――翌日。


 朝食を食べてそろそろ、行こうとすると――。


「ちょっと〜今日は大事な日なんだから〜少し待ってよ〜」


 寝室で寝ていたエフィナが来た。

 昨日は俺に変わって王様のところに行っていろいろと相談して忙しかったのに、寝ていて起こしてはいけないと思ったが起きたか。


「別にすぐ戻ってくるからな。というかお疲れで寝ている相手を起こすわけないだろう」


「気を遣ってくれるのはありがたいけど。言いたいことがあるよ――絶対に油断はしないこと。城に楽々侵入できたのはいいけど、絶対グリュムが近くにいる。あいつは何をするかわからないから、気をつけてね」


 エフィナは真剣な眼差しで言う。昨日はグリュムらしき魔力は感じなかった。

 城にはいないことはわかったが、今日はわからない。エフィナの言う通り城にグリュムがいると思って行動はする。


「わかっているよ。絶対に最小限で終わらせるから大丈夫だ」


「そうですこと……。首を長くしてお待ちください……」


「本当に大丈夫かな……」


 エフィナはため息をついて心配する。

 グリュムを知っているから余計に不安だろうな。

 今回は救出だからグリュムとは絶対に戦わない。


「危なかったらすぐ戻るから」


「それは絶対条件だよ。たとえ失敗してもだよ」


「それは手厳しいな……。わかった、自分を優先する」


「よろしい。じゃあ、頑張ってね」

 

 エフィナが手を振って見送り――俺たちは空間魔法(ゲート)で移動する。

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