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672話 見えないデスナイト


 帝国軍は何が起きたのか把握できていないようだ。

 意図的に軍を狙ったのは、村人の味方なのか?


 デスナイトで弓使いって……セイクリッドの仲間か!?

 ロードがズイール大陸に旅をしていると言っていたが、デスナイトだろうか?


 それと、【隠密】を持っているとは言っていたけど、あれは全く違うスキルだ。

 ユニークで間違いない。というか、魔物除けの魔道具を使っているのに平気なのか?


『フフフフフ……予想外の展開ですこと……主様少し様子を見ましょうか……?』


『そうだな……もしかすると、セイクリッドの仲間かもしれない』


 とりあえず、今はそいつのおかげで軍は混乱している。

 そして2の矢3の矢と鎧を貫通し、邪石を破壊する。


 ここまで正確に狙えるのか……。

 展望台はかなりの距離だぞ。完全に狙撃手(スナイパー)だな……。


「て、敵襲だ!? お前ら、ずらかるぞ!」


 イングルプは潔く下がって馬車に方へ向かった。

 デスナイトが見えないから下がったか。


 逃げてる奴らを確実に狙い、次々と邪石を破壊して灰になる。


「ふざけるな! なんでこんなことにならないといけねぇんだ! 騙しやがったな!」


 イングルプは矢が当たらないようにジグザグ走る。

 だが、デスナイトは気配を出すと――展望台から膨大な魔力が反応する。


「――――グアァァァァ!?」


 魔力を纏った矢は、関係なくイングルプの鎧を貫通し、邪石に直撃する。

 しかし、反応があり、破壊することはできなかった。


 さすがに、ほかの奴と比べて大きいから破壊はできなかった。

 けど、イングルプは怯まず、馬車に乗り込んだ。


「ふざけるな! 不意討ちがなければテメェなんぞ余裕でわかる! ぜってぇ叩き切ってやる! 明日覚えてろよ!」


 捨て台詞を吐くが、明日もここに来るのかよ……。

 王子優先じゃないのか……。よほど悔しいみたいだ。


 それよりも、村人が心配だ。戻るのは片付けたらだ。


「みんな大丈夫か!?」


 青年の声をした弓矢を担いだマフラーを首につけたデスナイトが近づいて来る。

 まさかこの村の用心棒をしていたとは。

 ロードと同じ身長で少しスリム体型だが……酷いな……、身体――胴体の部分が欠けていて、全身ボロボロの状態だ……。けど、魔力はいたって正常だ。いや、一撃でも傷をつけると、死んでしまうほどの状態ではある。よく耐えているほうだ。セイクリッドたちと違って【再生】スキルはないのか。


「騎士様……力が抜けいるだけです……」


「意識があるのはジェミアンカだけか!? みんなしっかりしてくれ!」


 あの邪石の装置は小さいとはいえ、かなり強力だ。

 イングルプと話していた女性も気を失い昏睡状態になった。

 みんなかなり危険である。


 仕方がない、【隠密】を解除するか――。


「誰だ!?」


 デスナイトは弓矢を構える。

 おいおい、まだ【隠密】のままだぞ……。

 まあ、予定通り解除するけど……。


「悪い、少し見させてもらった。よく気づいたな」


「足跡で、誰かいるとわかる……。お前たちも帝国軍か!? みんなをどうするつもりだ!?」


「いや、俺たちは帝国軍ではないぞ。どちらかと言うと、お前に用がある」


「私にだと? どういうことだ?」


「まずは、村人を治してからだ――――龍脈!」


 俺は龍魔と回復魔法の【混合魔法】を地面に手を当て――魔力の脈は村人の身体に触れて、魔力が回復する。

 顔つきも穏やかになった。


「みんなの魔力が回復していく、す、すごい……」


「これでみんな大丈夫だ。あとはゆっくり休めればいい」


「疑ってすまなかった……。みんな助けてくれてありがとう……」


「まあ、状況が状況だ。疑うのはおかしくはない」


「それでも助けてくれたことには変わりない」


 デスナイトは頭を下げた。意外に礼儀がある。


「それより、お前も治さないといけないな」


「私をか? 私はこの通り人で言う魔物だ。それもアンデッドだ。ポーションでも回復法でも治せない身体だぞ」


 確かに「龍脈」を当てたが全くかすりもしなかった。

 だが、魔法だけのことだ。今だったら治せる――。


「ちょっと、待ってくれ。何かおかしいぞ……」


 デスナイトの言う通り、急に変な圧――電流のようなものが走ると――。


 展望台にある魔道具の反応が消えた。

 そして、ゴブリンが村の方へ向かってくる……。

 おいおい、このタイミングでやめてくれ……。


 大体は予想はつく、帝王軍が人為的に何か使って魔道具を停止させたはずだ。

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