表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
669/919

663話 勝手に決めたこと


 エフィナに救出の件を話すと――。


「はぁ……、ボクに相談してから決めてよ……」


 怒ると思ったが、ため息ついて呆れるだけだった。


「怒らないのか? なんだオレがいなくても問題なかったな」


「怒り通り越して呆れているだけだよ……。アンバー……なんで止めなかったの……?」


「レイと小娘が行けば偵察なると思ってな、今の帝国は気味が悪い。少しでも情報があれば、仕掛けるのに楽になる!」


 アンバーは自信満々に胸を張って言うが、あくまで救出だ。そんな余裕あるだろうか?


「はぁ……、シャーロとティーナに言われても知らないよ……」


「なんとかなるだろ! 詰め寄られても面倒だからエフィナ、説得はよろしくな!」


 まだエフィナは承諾していないのに何を言っているのだ……。


「わかった……。できるだけ言っておくよ……。多分、無理だと思うけど……」


「その言いようだと、許可してくれるのか?」


「う〜ん、あまり容認はできない――グレーってところかなー」


「その返答だと、俺は行くぞ」


「どうせ説得しても行くに決まっているでしょ?」


 半分諦めているようなものか。


「不安ならエフィナもついていけばいいじゃないか」


「アンバー……グリュムの性格わかっているでしょ……? ボクが行くと逃げるよ……。せっかくのチャンスを逃してどうするのさ……」


「それもそうか、あの臆病者が逃げたら水の泡だ。今回は救出だからな」


 2人を確実に救出するのに、相手を刺激してはいけない。

 何をするかわからない。


「けど、これだけは絶対に守って――もし、危なかったらすぐに戻ること。いいね?」


 安全第一だしな。未知の場所に未知の相手だ。

 警戒はしないといけない。念話でやり取りできるし、何か情報があったら空間魔法(ゲート)で戻るから問題ない。


「わかった、約束はするよ」


「よろしい。じゃあ、ボクは天界に行って2人を説得するよ」


「おう、頼むぞ!」


 なんだかんだエフィナは優しい。

 本当なら一緒についていきたいと思うが、我慢している。

 グリュムか……【隠密】を見抜けられなければいいが……。


 でも、無理して俺を止めないのは大丈夫ってことか。



 ――――◇―◇―◇――――



 ――10日が経ち、救出に行く日になった。


 それまで、いろいろあった――エフィナはシャーロさんとティーナさんに説得したのだが、シャーロさんは呆れただけで大目に見たが、ティーナさんは大反対して、聞く耳を持たなかったようだ。


 ところが、シャルさんが説得して、なんとかしてくれた。

 どうやって説得したのか聞くと――「乙女な話になるから無理」と言われた。


 何を言ったんだシャルさんは……。とりあえず説得できたならよしとします。


 王様側の方でもいろいろあったらしく――王子の従者である2人――ワイアットとロディとついていくと言い出したが、せっかく奴隷の首輪から解放されたのに、また首輪を付けられて同じことの繰り返しになると、断ったらしい。


 恩があるとはいえ、無謀な行動ではある。

 まあ、王子は最初からズイールに行かせないようにしていたと思う。


「気をつけてね。何かあったらすぐ連絡してね!」


「エフィナこそ領地は任せたぞ」


「まっかせなさい! いってらっしゃ~い!」


 みんなに見送られ、俺は空間魔法で城に向かう――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ