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64話 終わった後は……


 さて、倒したカイザーオクトパスを無限収納に入れて帰りますか。


「すみませんが、カイザーオクトパスは証拠として持っていくのでここで換金させてもらいます」


 やっぱりそうなるか……だけど触手……いや、足ならいいはず。


「切った足は持って帰ってもいいですか?」


「それはいいですよ。本体以外なら問題ありません。何に使うのですか?」


「食べます」


 セーレさんはちょっと引き気味であった。


「レイちゃん……それは本気で言っているの……? あのマズそうなのを食べるなんて……」


 まあ、タコってそんなイメージだからしょうがないか。


「ほう、わかっていますね。カイザーオクトパスは見た目とは裏腹にとても美味しいんです。やはり料理を作る人は興味がありますよね」


 ガレンさんは食べたみたいだ。美味しいなら尚更調理し甲斐がある。

 

「これ美味しいの!? わたしはススメられても遠慮しておくわ……」


 別に食べろとは言わないけど……。


「では、こちらが報酬と換金合わせての金額です。受け取ってください」


 セーレさんは白金貨2枚を受け取った……こんなにかよ!?

 良くて数年は働かなくてもいい生活が送れるな……。

 

「スゴイわ!? こんなにもらっちゃった! 帰ったら何を買おうかしら! レイちゃんとアイシスちゃんの分はこれでいい?」


 白金貨1枚を貰った。


「いいのですか!? 手伝いなのでもっと少なくてもいいのですが……」


「2人のおかげで倒すことができたのだからこれくらいは受け取るのは当然!」


「わかりました……ありがたく頂戴します」


「ええ、そうして」


 これは当分はゆっくりできる。

 けど、これで本当にいいのだろうか……。


「私はいろいろと報告しに行きますのでこれで失礼します。セーレさんのギルドカードは街で更新をしてください。ザインさんに言っておきますので」


「わかったわ!」


「レイさんとアイシスさんの実力も拝見させてもらいました。とても興味深い強さですね。もしかしたら近々協会の方から依頼をお願いするかもしれません。そのときはよろしくお願いします」


「えっ、ちょっと待って――」


 ガレンさんはカイザーオクトパスの近くに行き――手をかざして本体が消えた。

 アイテムボックスを持っているのか……。

 その後、何も言わずに去っていった。

 あとで依頼がくるのかよ……強制ではないとか言っていたから内容を確認して断るのもいいか。

 

「私も早く叔母さんに知らせないといけないわ! 3人ともありがとね! それじゃあまたね!」

 

「荷物を忘れないでくださいね」


「そうだったわ」


 無限収納から荷物を出し、受け取って、セーレさんも去っていった。


『忙しい人たちだね~終わったのだからもっとゆっくりすればいいのに』


「事情があるから仕方ない、俺たちはここでゆっくりするか」


『うん、そうだね!』


「ご主人様、カイザーオクトパスの足は私が持ってもよろしいでしょうか?」


「いいけど、まさかと思うがタコ好きなのか?」


「…………はい、甘い物の次に好きです……」


 顔を赤くしながら言っている……だからやけに戦闘に積極的だったのか。

 またアイシスの意外な事実を知ってしまった。


「わかった、管理は任せるよ」


「ありがとうございます! では、今日の食事はタコ料理を期待してください!」


「ああ、期待しているよ」


「はい! 早速、下処理をしてきます! ご主人様は休んでいてください!」


 アイシスはカイザーオクトパスの足を剣を使って皮の部分をそぎ落としながら下処理をしていく。

 【解体】スキルないのに早いな……。

 

『ついさっき、アイシスは【解体】スキルを覚えたからサクサク進むね!』


「覚えたのかよ!? また【魔力変換】使ったのか……」


『そうみたいだね! 珍しいスキルではないから魔力消費は少ないし大丈夫だよ!』

 

「それなら安心だな……」


 もうチートでしかない。


 ――その後、砂浜に座りながら海を眺めてた。

 

 アイシスは解体を終えると精霊と一緒に――海水を回収をしていた……。

 精霊は風で球体にし、それをアイシスは凍らせて無限収納に入れる。


「もしかして……にがりでも作るのか?」


「その通りでございます。さすがご主人様」


 やっぱりか……にがりができれば豆腐が作れるからこちらとしては嬉しいけど。


 せっかく海に来たから周りを散策したいがどうもやる気が出ない……。

 戦闘後ってのもある。 

 身体が熱い……それに眠い……意識がなくなっていく……。


 ――目を覚ますと辺りは暗くなっている。


 アイシスが膝枕して、心配そうな顔で俺を見ていた。


「ご主人様……大丈夫ですか?」


「ああ、悪いな大丈夫だ」


『慣れてない火魔法を使って、身体が追いつかないみたいだね』


()()()()してないってことか……」


『そうだね、あれだけ使えば適性があっても身体に負荷はかかる。あまり無理はしないで』


「善処するよ……アイシスありがとう。もう大丈夫だから」


 起き上がろうとすると――。


「ダメです。もう少し休んでください」


 無理矢理、抑え込まれた……。


『本当に大丈夫なの? まだ不安定な気がするけど?』


「身体は熱いが疲れとかはないよ」


『じゃあ、休んでなよ。それが守れないならご飯抜きだからね』


 ダメなのかよ……アイシスも頷いている。

 

「回復するまで食事の用意をしませんので、そのつもりでいてください」


「わかったよ……まだ休むよ……そういえば精霊は?」


『食材探しに行ったよ。そろそろ戻って来るとは思うけど』


 しばらくすると、海の方から風を使い、いろんな海産物を運んで精霊が戻って来た。

 美味しそうな物を獲ってくるのは素直にありがとうございます。 


『今日は海鮮パーティーだね!』


 はぁ……早く食べたい……。


 ――2時間後に本調子まで回復し、アイシスは海鮮鍋を作り、美味しくいただきました。

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