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650話 炎の絆


 雪で満足したアイシスにシルセスを任せて、誰もいない場所領外で確認をした。


 俺とフランカは炎の魔剣を取り出し、【絆】のスキルを発動すると――魔剣は輝き始めた。


「あれ? ダンナの方にいったぞ」


 フランカが持っていた魔剣(分身)は俺の右手に移動した。

 なるほど、【絆】を発動すると、任意でフランカ側の魔剣を移動できるのか。


 そして2本を重ね合わせると――先ほどと創造した銃剣に変化した。


 やはり、創造したからすぐに変えることができるのか。

 それを見たメアは――。


「どういうことです……。なぜ……フランカより先に……」


 地面に手と膝をついて落ち込んでいた。

 いや、落ち込むことはないのだが……。


 普通にできたとはいえ、変えさせるのに魔力がかなり減った。

 炎魔法――エクスプロージョン・ノヴァ5発分は消費する。


 そう簡単には使わせてもらえないようだ。

 だが、今後強敵が現れたなら重宝できる。

 それを使わないこと願うけど。


「できたのはいいが、これ、アタイなら使えてもおかしくないよな?」


「そうだな、試しに使って見るか?」


「おう。どれどれ――おお! 軽くて持ちやすいじゃないか! あとは魔法を――」


 フランカは魔剣に魔法を装填し――。


「――フレイムバレット!」


 炎の弾丸が放たれ――狙っていた大きな岩に直撃すると、爆発音とともに、粉々に粉砕される。


 威力も申し分ない。フランカが使えるならかなり大きい。

 使った本人は口を開けて呆然としていますが。


「なんだよこれ!? アタイは魔法が得意じゃないのに簡単に発動とかどういうことだよ!?」


「使いやすいように創造したからだ。あと装填すれば自分のタイミングで発動できるしな。フランカにとって理想の()()なはずだ」


「理想を遥かに超えているぞ!? 最強同然じゃないか!?」


「いいんじゃないか? 強くしたのに越したことはない」


「ハハハ……そうだな……。アタイでもこれはたまげたよ……。だけど、危ないときは使わせてもらうぜ」


 腑に落ちないところがあったようだが、とりあえず受け入れたようだ。

 創造できたものは仕方ない。


「確認もできたことだし、戻してくれないか?」


「ああ――って、どうやって? アタイの()()では戻らないぞ」


 自分なのに戻せないのか? とりあえず俺が戻すように念じると――2本の魔剣となって元通りになる。

 俺の意思じゃないと無理なのか?


 フランカに銃剣にしてくれと言い、2本を重ね合わせても無反応だった。


「ダメだ……アタイにはまだできないみたいだ」


「もしかして【絆】のスキルがないと変化できないみたいだな」


「結局ダンナ頼みじゃないか……。ちょっと待ってくれ――」


 フランカは急に膨大の魔力を放つ。【魔力変換】で覚えようとしているのか。

 だが、息を荒くしてやめた。


「はぁ……はぁ……無理だ……。使うときはよろしくな……ダンナ……」


 少々不便だが、ここまで強いなら贅沢は言わない。あとはフランカが【絆】を自然に覚えることを信じよう。


「フフフフフ……これはまだフランカが扱えない――未完で終わったことでよろしいでしょうか……? まだワタクシにチャンスが……。主様……早くワタクシを理想の姿にしてくれますか……?」


 メアは希望にがあるのか。立ち上がって不気味な笑みを浮かべる。


「そう言われてもな……。()()の俺がやったことだからすぐにはできないって……」


「記憶……? チィ……アイツですか……」


 急に舌打ちして嫌な顔をする。

 そういえば、記憶の俺に散々やられたからなー。


 すると、俺に近づいて――。


「主様の記憶、ワタクシはあなたに酷い目に合いました……。お詫びとして早くワタクシを強くしてください……大至急……」


 詫びで強化とかそんな融通がきくことしないだろう……。

 なぜだろうか、俺の記憶が「無茶振りはやめてくれ……。ただえさえメアはほかの魔剣より魔力消費が激しいのに無茶言うな……」とため息をついていた感じがする。


 そこは俺も同意見である。


「悪いが俺にも負荷がかかるから、もう少し我慢してくれ……」


「そうですか……フフフフフ……楽しみにしておきます……」


 とりあえずごまかすことはできた……。

 悪いが記憶の俺、頼んだぞ。


 メアも上機嫌になったことだし戻るか――。

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