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639話 女神の様子②


 結局、そのまま1時間くらい経つ。それはいいが、シャルさんはワインを飲みながら絡んでくるのは困りました……。


「レイちゃんー、いつになったらお婿さんになってくれるー?」


 ずっとそれしか言ってこなかった……。


「バーミシャルが酒を飲むと面倒になるから……気をつけたほうがいい……」


 そう言いながら、シャーロさんは眠っているソシアさんの顔に、ついた汗をタオルで拭く。

 シャーロさんが看病してどうする……。母親の威厳はないのか……?

 いつの間に眠っている……。


「これでよくソシアさんを育てましたね……」


「本当にそう思う……。まあ……こんな性格だけど、アタシたちよりはすごい女神……。侮ってはいけないよ……」


「すごいのはわかりますけど、少し自由すぎませんか?」


「うん……呆れるくらいね……。でも……かなり苦労している……。こういう性格じゃないとやっていけないと思う……。大目に見てほしい……」


 グリュム世界をめちゃくちゃにされてソシアさんの件でいろいろと抱えていれば、心が折れてもおかしくはない。

 この性格と裏腹にかなりの苦労人――苦労女神ですな。


「シャーロさんの言う通り、大目に見ます。だけど、ちょっと暴走するのは困ります……」


「そこはアタシから言っとくよ……。まあ……無理だと思うけど……」


 ですよね……。けど、今は落ち着いていて、まだいい方か。


「お願いします。では俺はこれで――」


「うん……今度は落ち着いたらいっぱい話そう……」


 シャーロさんは手を振って見送ってくれた。

 視界が変わり神社に戻った。


 なんだかんだシャルさんに助けてもらえたし、シャルさんの女神像でも作ってあげよう。カイセイたちもきっと喜ぶだろう。


 すると、カイセイがいて、不思議と神社を見渡す。


「レイさん、あなたの領地はなんでもあるんですね……。神社まであるとか……」 


「なんでもとは言わないが、衣食住に絶対に困らない。これもみんなのおかげだ。俺は貢献したのはほんの一部でしかない」


「こんなにすごいことしても謙虚なんですね」


「本当のことだ。それで、カイセイは雪が積もっているなか出歩いている? かなり冷え込んでいるぞ」


「いえ、大丈夫です。気になって周りを歩いていました。そしたらレイさんが女神像の前でお祈りをしていたのが目に入りました」


「まあ、女神には感謝しているからな」


「やはりそうでしたか。ところで、レイさんが祈っている間、バーミシャルさんの気を感じたのですが、お会いしましたか?」


 はい? 気を感じる……? 気ってなんだ?

 魔力のことか……? それより、なんで天界に行ったことがわかる……?


 ここでごまかさないと、面倒である。


「ただ感謝を伝えただけだ。もしかしたらシャルさんの娘――ソシアさんにいったのではないのか?」


「おお! 似ていると思っていたら娘さんの像ですか!? でもおかしいな……確かにバーミシャルさんの気が……。まあいいか、気のせいですね。娘さんに挨拶しないと――どうか俺に母親をください……絶対に幸せにします……」


 像に言うとはいえ、普通なら母親に言うセリフだが娘に言うとは……立場が逆転している……。

 なぜだろう……シャルさんが目を覚ましてドン引きしている感じがするのは気のせいか……?

 まさか、これがカイセイが言う気ってやつですか……? 

 なら、ドン引きしている気も感じ取ってくれ……。


 それにしてもよく雪が降り続く。一向に止む気配がない。

 防寒対策は大丈夫だし、長続きしても大丈夫だ。

 すぐにカイセイたちの家造りができないのは残念だけどな。

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