636話 状況の整理
夕食となり――うどんと天ぷらを作ってもらい、みんな堪能していた。
特にナノミとコトハは久々なのか涙を流して食べていた。
落ち着いたらリクエストに応えよう。日本食ならほとんど作れるしな。
「もう……心配したんだから……」
「世話の焼ける兄弟だぜ」
「ハハハハ! それは悪かった!」
今さっき、ロードとモリオンが戻ってきた。2方も俺たちを捜していたようだ。
これで全員戻ってきた。
というか、【人化】してうどんを食べているセイクリッドを見ても驚かないのかよ……。
ほかは兜を外した瞬間に驚いていたぞ。
それはいいとして状況の整理をする――。
俺たちが異世界でいなくどのくらい経つのか聞くと、2ヵ月は経っていたのこと。
やはり、あちら同じと時間だとわかった。
みんなは俺たちがどこに行ったのかズイール大陸以外を手当たり次第探しに行ってバラバラとなり、まとまることがなく大混乱だった。
最近になってティーナさんが俺たちことを伝えてようやく、落ち着きを取り戻したらしい。
その間は勇者召喚のことも、何もわからない――情報が途絶えていたようだ。
とりあえず、勇者はそこまで強くないらしいから、俺たちの優先――カイセイたちの家造りにをしてもいいということ。
辺境伯が問題ないと言うならありがたくこちらに優先しておく。
この戦いが終わるまではゆっくりはできそうだ。
夕食を食べ終え、屋敷に戻った。ソファでのんびりしたいと言いたいところだが、アイシスを呼んで確認をする。
法王のときに、氷の魔剣が以上に強化されたことだ。
まあ、思い当たるのは【絆】のスキルが発動したと認識している。
俺は氷の魔剣を出してアイシスも自分の分身を出すが、以前と同様に輝き――発動はしなかった。やはり、急に発動したから思うようにコントロールできていないか。
それか、一定の条件を満たさないと発動しないかもしれない。
とはいえ、今のところ発動しなくても問題はない。当分は魔剣で戦うことはないはずだ。
余裕があるときだけ確かめる。
「フフフフフ……【絆】ですか……。所詮、アイシスはこの程度の絆に過ぎません……。このワタクシこそ一番絆――愛がありますこと……。さあ、主様お願いします……」
メア、挑発的に言うなよ……。
いや、【絆】の問題だが……一方的な愛できるわけないが……。
メアも同様に確認したが、当然反応はしなかった。
アイシスは鼻で笑った。
「おかしいですこと……。もしや――ワタクシの愛が足りないことですか……? フフフフフ……では主様……今夜はもっと愛を深めましょう……」
言っていることがおかしいぞ!?
はぁ……しょうがない……今夜はメアのワガママを聞こう。
心配していたしな――。
――――◇―◇―◇――――
――翌日。
「フフフフフフ……」
メアは大満足したのか。俺から離れて寝室から出た。
それはいいが…………大賢者になりかけそうです……。
もう少し加減をしてくれ……あと寝不足気味だ……。
これからカイセイたちの様子を見に行くのだぞ……。
それに――。
「レイ……浮気はダメ……」
別の部屋にいる寝たきりのエフィナを様子を見に行ったら不機嫌そうでいるのはなぜだ……?
寝ているのにわかるのか……?
だが、無事でいるならよかった。ウェナミスにいるときはエフィナが気がかりだった。
まだ寝ているとはいえ、無事なことが優先だ。エメロッテはもうすぐとは言ったが、エフィナのペースで目覚めてほしい。無理なく完全復活してほしい。




